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【第18話】小麦価格高騰の謎が解明!

ワタルは、商会幹部が集まる一軒家に潜入捜査をする。


打合せの部屋の扉の前に、能力:シャドウで姿を消して立つ。

ヒソヒソ話は、シュナイダーが聞いて、ワタルに伝えていく。


「今回の小麦は、A,C,Bで。トウモロコシは、C,B,Cで。じゃがいもはA,B,Aで。よろしく頼む」


「Dが持ち込んだ香辛料は、B,D,Cにします」


話を総合すると、Aはマクアカ商会で、BとCは後2つある商会であり、Dは別の街の商会のようだ。


「ワタルこれはどういうことか分かる?」


「まあ間違いなく、回し取引だね。流通経路に関係する商会が1社で充分のところを3社で回すことで、皆が利益を得る、単純な方法だね」


「そうか、利益を分配するのではなく、どんどん利益を載せて、お店に卸す価格は、2倍になることもあると」


「A,B,Aってマクアカ商会が仕入れて持ち込んだじゃがいもを別の商会に卸して、その後再びマクアカ商会が仕入れて売る循環取引になってる」


「そうだね。汚い商売の仕方だね」


「しかも、この街の商会3社は持ち込む食料の偽装までやって、足が付きにくくしてる。この点は手が込んでるな」


「ワタルの育った世界でもこんなのあった?」


「いや、多分もっともっと色々とあくどい商売人が多かったはず。こんな分かりやすいのは珍しいことと言うか。でも俺は営業マンだったわけではないからこれ以上は分からない」


「なんだ汚い世界だったのか」


「そうそう。でも魔物は1匹もいなかったぞ(笑)」


===

夜エレーヌと合流して打合せ。


「なんだ。商会が組んで汚いことばかりやってたのか!許せないなあ。どうする?」


「うん、まずはギルド長に相談するかどうか。ギルド長は信用できると思う?。この件そのものには関わって無くても、知ってて知らないしてる可能性とか」


「うーーん。多分ヤツは信用できると思うぞ。2人で報告しよう」


早速ギルドに赴き、受付でギルド長との面会をお願いする。


===

会議室。


「ギャバニーさん。ここ最近小麦を中心に食料品の値上げが酷いことになってるのご存知ですよね?」


「そりゃ知ってる。ただ理由が良く分かんねえんだよな」


「そのことですが、2人で調査して、少し分かったんです」


「何!お前たちで調べた!そんなバカな。って、まあ一応聞いてみるか」


ワタルとエレーヌは、見てきたこと、聞いたことを丁寧に説明した。


「お前たち、特にワタル、その歳で短期間でそこまで調べ上げて、推理まで・・・一体何者なんだお前」


「小さい頃から苦労してきた気がしますが、なんせ16歳までの記憶が無くて、良く分かりません」


「記憶が無いって。そりゃまた可哀想だな。そうだ、今から領主のところへ報告に行こうぜ。今言ったこと、領主に報告して汚い連中を処分してもらおうぜ」


「あのー、こう言ってはなんですが、領主様は信用できる方なんでしょうか?」


「大丈夫だ。領主のエリドール侯爵は小さい頃からの友達だ」


「そうですか!それは安心です。でも役人の中に協力者がいるはずなので、反撃食らって、牢にぶち込まれるようなことにならないかと」


「そりゃそうだな。取引をチェックする者が協力しないと、こんな汚い商売がうまくいくわけはない」


===

急遽ギルド長とともに領主に会うことに。


ワタルは、異世界転生して、初めて大物に会うことになってドキドキしていた。


「ワタル、本当はギルド長も領主も商会とグルで、ワタル達が捕まる展開は無い?」


「シュナイダー、なんか嬉しそう。それを望んでないか?」


「無い無い。ちょーーーっと心配だなって」


「もし罠に落ちたら助けろよ」


「分かった。全力で助ける」


===

結果、領主はいい人で、大至急秘密裡に調査することを約束してくれた。


その後、商会の幹部が合計8人捕まったとの情報が街にかけめぐった。ワタルの調査が大きな決め手となったのは言うまでもない。


それとギルド長によると、袖の下を貰って見逃していた役人3人も処分されたとのこと。


「ワタルとエレーヌ、大手柄だったな。領主が表彰するから一緒に来るようにとさ」


===

ワタルとエレーヌは、再びギャバニーギルド長と領主であるエリドール侯爵を訪ねた。


「今回本当に世話になったな。それに本来俺がやるべきところを、無理させてしまった。心から感謝する。しかし、正義感と能力と知恵が揃って上げられる成果を短期間で成し遂げたこと、非常に驚いた」


エレーヌが堂々と答える。


「はい、私達すごーく頑張りました。でも特にこのワタルは運も良かったです」


ワタルが即否定する。


「エレーヌ、実力、実力」


「ハハハ。面白いコンビだ。褒美は金貨100枚。それと提案なんだが、特例として騎士団への入団許可を与えるが、どうだ」


「騎士団!」とエレーヌが驚く。


「すみません、僕たちまだ若輩者で経験が足りません。もっと世の中のことを知りたいとこの街に来たので、今回はお断りさせてください」


ギャバニーが口を挟む。


「おいおい、剣士としてこんなチャンスは滅多にないぞ。でもまあお前たちなら、その答えで合ってそうだな」


「そうだな。急な提案で失礼した。でも冒険者として活動しながら、何かあれば協力してくれ」


「分かった。それならいつでも」


ワタルがツッコミを入れる。

「エレーヌ、敬語 敬語」


「私には敬語は無理なんだ。許してくれ」


「分かった。それにしても面白い」


「そうだ。君たちは家が無かったな。安くていい家が見つかるように、部下に手助けをさせるよ」


「それはけっこう助かります。よろしくお願いします」


===

翌日から、小麦等の食料品の価格は、少しずつ下がっていった。


エレーヌがポツリと言った。

「そう言えば、今回私達一切戦闘してないな!」


「今更?そうなんだよ。調査と分析で勝ち取った。前の世界で経験したことが活きた」


「ただ、そろそろストレス溜まってきたぞ。明日からガンガン戦闘系のクエストこなしていくぞ!」


「よーし、明日から暴れよう」


シュナイダー入れて3人で「おーー!」


戦闘無しで充分な成果を上げた。しかしレベルを60,70と上げるためには、リスクのある戦闘が必要だ。

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