【第15話】一転(ほぼ)順調に目的地の街へ近づく
旅の2日目。初日が濃い1日だったが、10キちょっとしか進んでいない。今日は、スムーズに距離を稼ぎたいところ。
「今日は平和がいいな」
「ところで、ワタルは学生時代に株でぼろ儲けしたって聞いたことがあるけど、どんな悪どいことしたんだ」
「悪どいって・・高校生の時に、父親に頼まれて株のAI自動売買システムを自作して、運用してみたら意外に成功して、俺も学生時代に始めたら、おりからのブームに乗ってお金が100倍になったってこと」
「短期間で100倍って有り得る話か?やっぱり怪しい」
「簡単に言うと、購入した株が5倍になったら売って、そのお金で買った株が5倍になったらまた売って、そのお金で買った株が最後6倍になると、合計150倍。税金3回引かれて、だいたい100倍だろ?」
「まじか!そんな簡単に儲けてたのか?」
「いやいや大変だったよ。損する取引もあったけど、中には1年で20倍になるものもあってね、ヒヤヒヤの連続。たまたま当時AI半導体ブームだったから、それにうまく乗っかれたってわけ」
「確かにAIブームは聞いたことがある。まあ産まれつきの頭脳と運か」
「へへ。それもあるけど、一番は毎日の努力ね。世界情勢や、信技術や、株価に影響与える人の発言や行動を常に調査して、プログラムの変更をしていったから、マジで大変だった」
「なるほど・・・でもやっぱりズルい!なあシュナイダー」
エレーヌは、ここでAIシュナイダーに話を振る。
「確かにズルいと思うね」
「なんでやねん!でも就職と同時に足を洗ったのがまたラッキーだった」
「ワタル、その経験を活かしてこっちでもビジネスすればいいかもな」
「でもプログラムがこの世界に無いしね。それよりも、まずはこっちの世界全体を知ることと、もっと強くなることを目指したい」
「ヘタにぼろ儲けを狙うと、捕まって一生牢獄かもしれないしな!」
「エレーヌ、俺がそんな犯罪行為をするわけないだろ(笑)」
気が付くと、順調に10キロは歩いたので、昼食にする。
さて、ワタルが最近取得した能力「旅人」は、実際役に立ってる。この能力のおかげで、旅をする上での準備に困らなかった。持参するものが迷わずに選べた。出発してからも方向を間違わない。
「ワタルの『旅人』と私の『料理』の能力の組み合わせ、なかなかいいな」
「そうだね。遠征には本当にピッタリだ。俺元々方向感覚に自信無かったから本当助かるよ」
「そうそう。思い出した。戦場では方向感覚が悪くていつも誰かに頼ってたな」
「一度俺が先頭を行ってて、全員騙されたことがあったよ(笑)」
「ワタル、可愛いところあるじゃん」
「シュナイダー、それ戦場では致命傷だぞ!」
「確かに」
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食事を終えて、また歩き出す。これまでの鮮やかな黄緑色の景色は終わり、ゴツゴツした岩場の間を、早歩きで進んでいく。
ワタルがエレーヌに質問する。
「ところでさ、この世界ではLv.99が最強?それとももっと上があるの?」
「うーん。詳しくは無いが、冒険者としてはLv.99が一番上らしい。しかし、騎士、勇者、魔族とかはLv.100を超える者がいるとの噂だ」
「そうなのか!じゃあLv200の魔族と戦ったら、シュナイダーの力と合わせても簡単にやられるってことかーー。ちくしょう、まだまだってことだな」
「その当たりも今度の街に着いたら調べてみよう。大きな街だから王様配下の騎士もいるらしいしさ」
「王族騎士団!まさにアニメの世界だ。会ってみたいなあ」
「そうだな。スカウトされたりしてな」
「いやー、そんな堅苦しいのはもう嫌だな。なあシュナイダー」
「そうそう。もっともっと自由な冒険を続けないとね、エレーヌもそう思うよね?」
「おお、そうだな。格闘技や軍隊の規律や上下関係はもうさんざん経験して飽きてるな」
あっという間に夕方になったので、野営をすることになった。こっちの世界は、何故だかほとんど雨は降らないので、遠征には助かる。
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次の日は、途中の村で偶然目的地の街まで行く乗り合い馬車があったので、産まれて初めて乗ることにした。
同乗者のおじさんに話しかけられた。
「君たち若いけど、冒険者か?」
「はい、おじさんは?」
「俺は時々出稼ぎに行ってるんだよ。建築の職人さ」
「冒険者ギルドの情報知ってます?」
「ああ、確か3つあったな。でもその若さで大きな街の冒険者大丈夫なのか?レベルはいくつなんだ?俺は冒険者じゃないけど、一応8あるんだぜ」
「私が40で、この若造が50あるぜ」
「ひい!50と40、とてもそんなに見えないけど。失礼だが何かの間違いじゃ・・・」
「まあそう思うよね。でも今まで2人でキマイラ倒したし、一昨日なんかワイバーンを倒して肉食ったよ」
「ひええ。本当か?さすがにそれは作り話なんじゃ」
と、話している時に、馬車が急停車。オオカミの魔物ワイルドウルフが現われたようだ。見ると5匹いた。
おじさんが、「自信は無いけど、俺がなんとかしてみるよ。職人の根性見せてやるぜ」
「シュナイダー、ワイルドウルフのレベルはいくつぐらいだ?」
「3から5ってとこかな」
「じゃあ5匹いたらおじさん危険だね」
「おじさん!危ないから下がってて」
「お前ら本当に強いのか?」
「10秒で片づける」
ワタルとエレーヌは、剣を抜いたあと、斬撃と剣で8秒で片づけた。
「ひええええ!本当に強い。助かった」
馬車は再び動き出した。
「さっきは、疑って悪かった。君たち本当に強いな。今から行くパランツでも有名な冒険者になれそうだな。ところで、おれはラッシュって言うんだ」
「俺がワタルでこっちがエレーヌです。ラッキーなことがあって、どんどんレベが上がったんです。街に着いたら色々教えてください」
「分かった。俺が危ない時はまた助けてくれ」
「じゃあさ。おじさん街に着いたら案内しておくれ」
「性格も強そうなお嬢さんだ(笑)」
「そうなんです。先輩の冒険者なんですけど、ドSなんです」
「ワタル、いきなり悪口言うんじゃねえ!」
翌日は順調に進み、そのあくる日、ついに街が近づいたきた。
さあ新たな冒険が待ってる!
街に着くと何が待ってるいるのか?ワタルとエレーヌ、そしてシュナイダーはぞわぞわ・ワクワクしていた。




