【第11話】もう一つの決着
キマイラとの激戦?に勝利して街に戻った
「疲れたねー。お腹も空いた。でも魔石をお金に変えないとね」
「そうだな」
心地よい疲れを感じながらギルドに向かっていると聞き覚えのある声。
「おい、小僧!お前と出くわすのを楽しみにしてたぞ」
またジャリルだ。なんだってこの小汚いおっさんとばかり・・・
「今日の俺らは、10人いる。特にこのガイヤさんはレベル25もあるからな。綺麗な姉ちゃん連れて調子乗ってるようだが、今日は容赦しねえぞ」
「疲れてんだけどな。急いでるし」
「うるせえ、ちょっとそこの奥の広場に行け、ボコボコにしてやる」
エレーヌがブチ切れる。
「うっとおしいなあ、おっさん。こっちが容赦しねえんだよ!ワタル私もやるぞ」
「エレーヌ。あんたは近くで見るだけにしてくれ」
人がいない広場に皆が集まった。2対10の戦い。
「おっさん達今までも弱い者イジメしてきたよな?」
「それがどうした。冒険者は力とずる賢さで生き残っていくんだよ。覚悟しな」
「分かった。これで心置きなくやっつけることができる」
「おい、殺しても構わん。ファイアーボールくらわせろ!」
ジャリルとガイヤと後2人が、一斉にファイアーボール。
ワタルとエレーヌは、シールドを張って余裕で防いで涼しい顔。
「こいつらシールドを使ってやがる。全員で斬りかかれ!」
ジャリルの命令で一斉に2人に襲いかかる。
「結局私もやるしかないなー」
「エレーヌ、ワクワクし過ぎだ」
エレーヌは、いつの間にか木刀のような木の枝を持っていて、荒くれどもの剣をかわしながら、ぶっ叩いていく。
ワタルの剣は日本刀のような方歯のもの。みねうちで2人の腕を叩き、剣を落させる。3人目は後ろ回し蹴りで吹っ飛ばした。
そこへ、ガイヤのアイス・バレットが飛んでくる。
「ワタル、任せろ」
シュナイダーの声がすると、ガイヤが放った氷が吹き飛んだ。
「シュナイダー、今のは?」
「気合さ。まあ魔法の力でね」
「そんなこともできるようになったんだ」
「お前、今何をした!」
「気合で吹き飛ばしたんだよ!」
「ワタル、面倒だからここらでこいつらに実力を見せよう」
大きな鋭利な氷、つまりアイス・ランスがジャリル達の上空に30個以上も現れた。
「何、こんなにいっぱい、小僧お前レベルいくつだ」
「今日で45だけど何?」
「45!嘘だろ、いや45でもこんなもの一瞬のうちに出せない」
ジャリルは明らかに動揺している。
「今後弱い者イジメができないように、今日は許さない」
と言った途端、ワタルの姿が消え、突然ガイヤの目の前に現れた。シャドウの力を使ったのだ。
左ストレートが鼻に炸裂!直後に右ボディアッパー!
ガイヤは、鼻が曲がり、鼻血を出して倒れた。気を失ってる。あっという間の出来事に、ジャリルはさらに驚く。
「このガイヤって人は初対面だからこのぐらいで・・・でもさあ、しつこいジャリルのおっさんはそうはいかないね」
ワタルは初めて怒りの表情でジャリルを向いた。
「いや、待ってくれ、あんたがこんなに強いとは知らなかった。謝る謝る」
「そうはいかないね。あんたのことだから、今まで何十人、いや何百人もイジメてきたんじゃないか?その人らの分もあるからさ!」
「分かった。金輪際誰かに嫌がらせをしないと誓う。勘弁してくれ」
と、そこへエレーヌが割って入る。
ワタルの剣を奪って、みねうちの連打だ。全身をバシバシとしばいていく。
「待て、分かった、痛え」
「ホレホレいつものじじいのイジメはどうした!私も強くなったんだよ!」
エレーヌの’ドS’の本性が出まくっている。
そのうち、ジャリルは立ったまま気を失っていたがお構いなしに、シバキ続ける。最後は、エレーヌの後ろ回し蹴りが炸裂。ジャリルは吹っ飛んだ。
「エレーヌ、なんてことを。えげつない」
「お前、さっきちょっと躊躇したろ?このジャリルの暴力は私も2,3回見たことあるから、許せなかったんだよ。だから代わりにな」
「やっぱり、どうしようもないおっさんだったんだ。でも俺にはエレーヌの方が怖かった」
「こんなクソ野郎はあれで丁度いいのさ。利き腕が折れたから、暫くは大人しいだろう」
ワタルは、意識のある1人を捕まえて大声で威嚇する。
「おい、あんたジャリルのおっさんのパーティーだったよな。明日にでも街から出ていきな。明後日残ってたら、今日の倍痛い目見るぞ」
「分かった、分かった、ジャリル連れて明日街を出る。これで勘弁してくれ」
「絶対だぞ!分かったかあ!」
「ハイ!分かりましたあ!」
気を失っているガイヤとジャリルを抱えながら、10人の集団は、その場から消え去った。
「キマイラの後で戦ったら、拍子抜けした」
「そうだな。そういや私達前世では接近戦も強かったからな」
ワタルは、スッキリ感とともに、ちょっぴり後味の悪さも感じていた。
「でもまあ、前の世界の戦争よりはずっとマシだな」
やっとこさ、2人はギルドに向かう。
街を出る前に、村の人達への恩返しをすることに




