第1章:2.2 緑葉が編む羞恥の境界
朝の山風が吹き抜け、無防備な柔肌が冷気に晒され、細かな震えが走る。
悦清禾は左腕を胸の前に固く当ててその豊かな膨らみを覆い隠し、白く繊細な素足で、一歩、また一歩と、わずかにチクチクと痛む草を踏みしめながら闕恆遠の側へと歩み寄った。
闕恆遠は言葉通り両目を固く閉じ、両腕を自然に下ろしたまま、まるで一枚の岩のように硬直していた。
悦清禾は右手を伸ばし、震える指先をそっと闕恆遠の右手首に添えた。
その刹那、上等な絹のように滑らかで、極度の緊張からわずかに冷や汗を滲ませた少女の手のひらが、何一つ隔てるものなく、闕恆遠の温かな手首の動脈へと触れ合った。
トクン、トクン。
二人の激しく乱れた鼓動が、肌と肌が直に触れ合うその一点を通して、まるで共鳴するかのように重なり合った。
闕恆遠の腕の筋肉がぐっと強張る。
男としての本能からくる煮え立つような熱流が、腕を伝って一気に頭頂部へと突き抜け、息が止まりそうになった。
「来て……」
「私についてきて……」
悦清禾の囁きは、闕恆遠の耳のすぐそばにあった。
まるで風に漂う蜘蛛の糸のように微かな声だ。
言葉を紡ぐたびに漏れ出る温かな吐息には、蘭や麝香を思わせる幽かな甘い香りが宿り、それが闕恆遠の剥き出しの肩と首筋をかすめては、全身の産毛を粟立たせた。
闕恆遠は雑念を無理やり振り払い、草を踏みしめながら探るように足を前へと進めた。
悦清禾に手首を引かれるがまま、一歩、また一歩と、あの巨大な銀紋を帯びた広葉植物の前へと歩み寄る。
「着いたわ……」
「ちょうどあなたの正面、」
「胸のあたりの高さよ」
そう言い終えた瞬間、悦清禾はまるで焼き鏝に触れてしまったかのように、慌てて闕恆遠の手首から指を離した。
そのまま素早く二歩後退りし、再び自らの体を固く抱きしめる。
闕恆遠は両手を伸ばし、暗闇の中で空を探った。
手のひらに、冷たく肉厚な葉の感触が触れる。
葉の肉厚な部分から辿り、赤ん坊の手首ほどもある太い葉柄を掴むと、彼の両腕の筋肉が一気に跳ね上がった。
引き締まった上腕二頭筋と広背筋が、朝の光を浴びて力強い陰影を刻み込む。
「ふんっ……!」
喉の奥から低い唸り声が漏れた。
――バリッ!
硬く厚みのある引き裂き音が響き渡り、長さ一メートルにも及ぶ巨大な緑の葉が、彼の腕力によって強引にもぎ取られた。
「足りるか?」
「足りないなら、もっと毟り取るぞ!」
闕恆遠は目を閉じたまま大声で叫んだ。
「もっと……」
「あと十枚毟って!」
千慕羽の声も聞こえてきた。
そこには、わずかな安堵と切迫感が混じっていた。
その後の数分間、闕恆遠はまさに人力の刈り取り機と化していた。
両目を固く閉じたまま、指先の触覚と少女たちの途切れ途切れな指示だけを頼りに、十数枚もの巨大で肉厚な葉を力づくで引きちぎり、さらには靭やかな青い長蔓の束までも幾つも毟り取った。
地面に大量の葉が積み上がると、闕恆遠はようやく数歩下がり、再び一同に背を向けて腰を下ろした。
「よし、」
「材料は全部揃った」
「みんな、早く編んでくれ」
だが、草の腰巻きを編む作業は、この場にいる全員にとって、まるで一世紀にも感じられるほどの感覚の拷問だった。
日頃から水仕事すら滅多にしない大学の美少女たちが、原始人の編み込み技術など知る由もない。
青蔓は強靭であるものの、その表面にはざらついた細かな毛が生えており、彼女たちの柔らかく繊細な指先はあっという間に真っ赤に擦り切れていった。
千慕羽は二枚の大きな葉を重ね、蔓で突き通して腰の周りに固定しようと試みたが、葉が肉厚すぎて細い指先の力ではまるで通らない。
何よりも酷だったのは、お互いの蔓を結び直すために少女たちが過剰なまでに身を寄せ合わざるを得ず、素肌と素肌の無意識の接触が頻繁に起こり、息が詰まるほどの気まずさと恥じらいを生み出していたことだった。
「凝雪……」
「動かないで、」
「この蔓、解けそうになっちゃうから……」
悦清禾は伊凝雪の後ろにかがみ込み、腰回りの葉の位置を慎重に整えていた。
伊凝雪の白く引き締まった両脚は強張り、葉の縁が太ももの内側の敏感な肌をかすめるたびに、全身を小刻みに震わせていた。
「清禾さん、」
「くすぐったいよぉ……」
「それに、葉っぱがすっごく冷たい……」
伊凝雪は泣きそうな声で呟きながら、今にも露わになりそうな上半身を隠すように、胸の前を両手で固く押さえ込んでいた。
その一方で、千慕羽はようやく三枚の大きな葉を蔓で繋ぎ合わせ、粗末な草の腰巻きを一回り分作り上げた。
だが、その蔓を腰の後ろで結ぼうとしたものの、どうしても背中側に手が届かない。
背中へと垂れかかる長さ一メートルもの波打つ金茶色のウェーブヘアが、無情にも蔓と複雑に絡まり合っていた。
千慕羽は焦りのあまり瞳に涙を浮かべ、草地の上に横座りになりながら、乱れた呼吸に合わせて胸元の起伏を激しく上下させていた。
「恆遠……」
千慕羽は下唇を噛み、ついに堪えきれなくなったように泣き混じりの声で助けを求めた。
「後ろが……」
「後ろの蔓が絡まって解けないの、」
「それに手が届かなくて……」
「お願い……」
「ちょっとだけ手伝ってくれない……?」
背を向けたままの闕恆遠は、その言葉を耳にした瞬間、まるで石のように全身を強張らせた。
「俺が……?」
「本当に俺に頼むのか?」
「目を閉じたままじゃ、どうやって解けばいいんだよ……」
「目……」
「目、開けていいから……っ」
千慕羽の声は蚊の鳴くように細く、その類稀なる美貌は瞬く間に熟れた夕焼けのように赤く染まり上がった。
「でも、絶対……」
「変なところ見ちゃダメだからね!」
「背中だけ! 背中以外見ないで!」
闕恆遠は深く息を吸い込み、狂ったように脈打つ心臓を強引に抑えつけた。
彼はゆっくりと体を巡らせ、自らの焦点を千慕羽の背中だけに固定するよう強いた。
だが、視線がそこへ落ちた瞬間、闕恆遠の脳は一瞬にして酸欠状態へと陥った。
彼の目の前に広がっていたのは、まるで神が心血を注いで彫り上げた芸術品のように完璧な、一筋の女性の背中だった。
千慕羽は波打つ豊かなウェーブヘアを片手で右肩の前へと流しており、その結果、朝陽を浴びて淡い光を放つ、きめ細やかで真っ白な背中が惜しげもなく露わになっていた。
繊細で優美な肩甲骨、背骨の両脇をなぞる美しい陰影が完璧なカーブを描いてすっと下へと伸び、折れそうなほどにしなやかな細い腰へと吸い込まれている。
その腰のすぐ下には、青々とした巨大な葉が申し訳程度に引き締まった曲線を覆い隠していたが、大胆に晒された雪のような肌と瑞々しい緑の植物の対比は、ほとんど妖艶なまでの視覚的衝撃を放っていた。
闕恆遠の指先が、激しく震えた。
彼は手を伸ばし、千慕羽の長い髪と複雑に絡み合った青蔓を慎重につまみ上げた。
固く結ばれた結び目を解こうとするその最中、闕恆遠の熱を持った指先が、千慕羽の腰回りの最も柔らかく繊細な素肌を、どうしても避けることができずにかすめてしまった。
「んぁっ……」
鋼鉄すら春の水へと溶かしてしまいそうなほど、微かで柔らかい甘い吐息が、千慕羽の唇から無防備に漏れ出た。
千慕羽はまるで高圧電流に打たれたかのように、長い両脚をぎゅっと合わせ、背中の筋肉を一瞬で強張らせた。
顔を両膝の間へと深く埋め、耳の付け根まで今にも血が滲みそうなほど真っ赤に染まっている。
「ご、ごめん!」
闕恆遠の指先が一瞬固まり、喉の奥が火を噴きそうなほどカラカラに乾ききった。
彼は息を止め、持てる限りの速さで絡まった蔓を解きほぐすと、葉柄に通して千慕羽の腰の後ろでしっかりと結び目を作った。
「で、できたぞ……」
闕恆遠は慌てて両手を引っ込め、狼狽したように顔を横へ背けながら、激しく肩で息をした。
指先には、少女の素肌の驚くべき熱と吸い付くような滑らかさが、いつまでも生々しく残り続けていた。
丸々三十分近くにも及ぶ、地獄のような感覚の拷問を経て、五人はようやく巨大な銀紋の広葉と青蔓を使い、それぞれに極めて原始的な覆いを作り上げることができた。
少女たちは三、四枚の大きな葉を使い、それぞれ胸元と腰回りを覆った。
闕恆遠はずっと単純で、腰の周りに厚手の葉を巻いただけだった。




