第46話「新しい日常の音」第二部
太陽が山々の向こうへ姿を隠そうとしていた。夏の夜が始まり、街の灯りが少しずつ点灯していく。テントエリアから見下ろす街の景色は魅惑的だった。
日が暮れても、業務は続く。
このキャンプ場の整理整頓と清掃は、若者たちの努力に直接かかっていた。
夏の訪れは暖気の塊をもたらし、それが寒気と衝突することで巨大な嵐を生み出す。雨やこの時期特有のクマの活発な活動により、土砂崩れの危険性も劇的に高まる。そのため、森林警備隊は夏休みの間に短期アルバイトを募集するのだ。ティーンエイジャーが公園の日常業務を引き受け、正規の隊員たちを危険度の高い任務に専念させるために。
多くの部隊がこの制度を採用していた。竜斗は、あえてこの特定の部署に志願した。
(結局のところ、家から近かったからだ。)
ただ、スケジュールの予測を見誤っていた。家に帰れるのは週の初めの数日だけ。それ以外の時間は、日曜の夜まで一日中働きづめで、地元の寮で寝泊まりすることが義務付けられていた。
もちろん、これは休みを満喫したい場合の話だ。
テントエリアは、よくある観光用の森林公園と同じだ。素朴な木造の建物が客用のコテージとして機能し、客は山でキャンプをしたり、透き通った川で水浴びをしたりして週末を楽しむために部屋を借りる。
従業員用の寮もあり、竜斗はそこで同僚たちと相部屋になっていた。
施設内にはさまざまな建造物があった。テントで保護された木と石のテーブル、広々とした共同キッチン、そしてトイレ。かなりの数の建物が存在していた。
彼は毎日毎日、その一つ一つを清掃しなければならなかった。
(正直……狂暴なクマを狩ったり、観光客を監視したり、森のルートを開拓したりするなんて期待はしていなかった。フルタイムの清掃員の役割を担うなんて、僕の予想を遥かに超えていた……)
竜斗とツンツン頭の同僚は、重い黒いゴミ袋を背負っていた。二人は中央の中庭を抜け、警備隊の詰所まで歩き、翌日の適切な処理のためにゴミを保管場所に運んだ。
少年は大きな金属製の蓋を開け、ゴミをコンテナの奥底へ放り込んだ。
ガコンッ!
疲れ果てた顔で、必死に目を開けたまま、彼は両腕を上げた。同僚が二つ目の袋を彼に向かって直接投げつける。
ドスッ!
突然の衝撃に倒れそうになる。動きの惰性を利用し、竜斗は体勢を立て直し、袋をゴミ箱に投げ入れてコンテナの蓋を閉めた。
バタンッ!
街灯がすでに土の地面を照らしていた。太陽のオレンジ色は、地平線上の細い白熱の線へと縮小し、遠くの峰々の上に漂っている。
二人は木製のベンチに崩れ落ち、酸素を求めて荒い息を吐いた。
ハァ……ハァ……
「終わったぜ、三浦……」少年が安堵の声を漏らした。彼は体を後ろに投げ出し、素朴なテーブルの背もたれに肩をぶつけ、力なく頭を垂れた。
「ああ、月島くん……」竜斗は同意した。彼の体は前かがみになり、開いた足の上に両腕を休ませていた。
「なぁ……俺たち、まだ三日目だぞ……」月島は愚痴をこぼし始めた。「一日中公園の掃除ばっかりさせられるって知ってたら、こんなバイト絶対受けなかったのに」
「まあ……」竜斗は低い声で言った。「僕たちに任せられる仕事なんて、他にあまりないからね……僕たちは森林警備隊じゃないし」
「あるに決まってるだろ、おい!」
同僚は声を荒げて反論した。彼は頭を上げ、強烈な視線を竜斗に向ける。竜斗は疲れ切った目の端でそれを受け流した。
「たとえば……?」
「森をパトロールするとかさ!クマの巣穴を探したり!スズメバチの巣を燃やしたり!川の管理をしたり……土砂崩れを監視したり!立ち入り禁止区域を見張ったりとかな!」月島は盲目的な熱意で身振り手振りを交え、体の前で拳を握りしめてヒーローのようなポーズをとった。
「僕たちはその訓練を受けてない……」竜斗は全くの無表情のまま繰り返した。
「分かってるよぉぉ!」月島は泣き言を言い、大げさに涙を流しながら木製のテーブルに突っ伏した。
バンッ!
無気力な少年は、同僚の苦悩に満ちた絶望を虚ろな目で見つめていた。茶番に飽きた竜斗はその光景を無視し、再び景色へと注意を向けた。谷間からは、木々の間から街が見え、下り坂の始まりと完璧に一直線に並んでいる。
彼は驚きで小さく口を開けた。その反応の理由は、山の手すりにもたれかかる女性のシルエットにあった。茶髪の同僚が、奥に広がる眠りについた大都市を見つめていた。暗闇の中で街の灯りが激しく輝き、まるで蛍の海のようだった。
(うちからの景色によく似てるな……)
「おい、三浦……」月島の声が突然、低く威嚇的に響いた。竜斗が顔を向けると、そこには死に物狂いのライバル心をむき出しにした同僚の顔があった。
「俺が先に見つけたんだからな……」
「僕は彼女がいる」
「あ!それなら、オッケーだ!」敵対的なトーンは一瞬で消え去った。しかし平穏は長くは続かず、言葉が少年の喉に詰まった。「ちょっと待て……お前、彼女いるの!?」
竜斗はその質問を無視した。彼は冷たく、距離を置いた、完全に無関心な視線を返した。
「落ち着けって!お前の悪口を言おうとしたわけじゃないから!全然違うぞ!」月島は焦って両手を振り回し、失言を誤魔化そうとした。「お前、すげーいいヤツじゃん!ちょっと静かで……変で……無口で!それがお前にミステリアスでクールなオーラを与えてるっていうか!なんか独特な感じで……」
(……面倒なやつ)
「何の話をしてるの?」純粋な好奇心に満ちた女性の声が響いた。
「あ!西宮先輩!」月島は叫びそうになった。「俺たち、まだ掃除するとこ残ってたかなーって考えてただけっスよ……な、三浦?へへへ……」彼はあからさまに話題を逸らし、竜斗の脇腹を軽く肘で小突いた。
グイッグイッ
「ああ……そんな感じ」
「ふーん……」彼女は顎に手を当て、涼しい風の中で目を閉じて考え込むポーズをとった。
西宮は二人の前に立っていた。月島は極めてうやうやしく彼女を称賛し、興奮した子犬のような輝く目を向けていた。竜斗は強い不快感を覚えながら、そのやり取りを観察していた。
「もう全部終わったし、キャンプ場も片付いたわ」西宮はズボンのポケットからスマートフォンを取り出した。画面の青白い光が、彼女の繊細な顔立ちを照らし出す。「田寺さんからは何も連絡がないし、まだ基地にも戻ってきてないみたいね……」
「こんな時間に会議なら、間違いなく長引くよ」竜斗が口を挟んだ。
「なんでお前、そんなこと知ってんの?」月島は首を傾げた。
「僕の父さんが森林警備隊なんだ。父さんの夜間会議はいつも夜明け近くまで終わらないからね」
「すげぇ!お前のお父さん、レンジャーなのか!」月島は目を輝かせて叫んだ。
少年は竜斗の顔に近づき、パーソナルスペースに侵入してきた。彼の目は超新星のような激しさで煌めいていた。無気力な少年は、死んだような表情の筋肉をピクリとも動かさず、その侵入に耐え抜いた。
「うん……」
「じゃあ、私は今日はこれで終わりにしてもいいと思うわ」と先輩が宣言した。
「しゃあぁぁ……神様ありがとう……」
ポキッ
月島は疲労で骨を鳴らしながら、大きく背伸びをした。彼は石のテーブルから立ち上がり、寮のエリアに向かって歩き始めた。「俺、熱々のシャワー浴びてくるわ……」
「私も……」西宮が同意し、少し遅れて彼の後を追った。「今日の夜ご飯、私何にしようかな?」彼女は風に向かって質問を投げかけた。二人の声は、広大な山の中へ徐々に消えていった。
しかし、竜斗は同じ場所に座ったままだった。新しい同僚たちが未舗装の道の暗闇に溶け込んでいくのを見届け、再び目の前に広がる街の灯りを見つめ直した。
セミのやかましい合唱は終わりを告げていた。冷たい風の音だけが、夜の公園の静寂を完全に支配している。
ヒュウゥゥ……
竜斗は制服のポケットからスマートフォンを取り出した。画面が彼の顔を照らし、初期設定のロック画面が浮かび上がる。
ピコンッ
LINEの通知が画面の中央で点滅していた。
パスワードを入力すると、少年の本当の壁紙が現れた。堂々たる馬の主人公。それはアニメの公式プロモーションアートであり、数週間前に山本颯太が約束通りに渡してくれたまさにそのキャラクターだった。
彼はメッセージアプリをタップした。
乾いた唇が、穏やかな笑みで弧を描く。
『お疲れ様!今日の仕事はどうだった?』17:34-秋山真琴
少年の指は仮想キーボードの上を軽快に踊った。あの日、武に二人の親密な瞬間を目撃された教室での午後の出来事以来、彼は熱心に返信をする習慣を維持していた。
(このバイトの仕事内容は、僕の予想とは完全にかけ離れていた。高校生活のモブキャラBのシナリオは、狂気に満ちた予測不可能なルートをたどってしまったな……)
『ありがとう。今日もすごく疲れたよ……』18:03-竜斗
『旅行、楽しみ?』18:03-竜斗
(僕の人生、完全にコントロールが効かなくなってる……)
既読。
入力中……
『うん! (≧ω≦)』18:04-秋山真琴
入力中……
『竜斗くんが一緒に来られないのが残念だけど……』
『(T▽T)』
無気力な少年は、満面の、心からの笑みを浮かべた。
(それでも……)
「おーい!三浦ぁ!!」
月島の怒鳴り声が山の静寂を切り裂いた。
竜斗は遠くの声の方向へ顔を上げた。木造のベランダの黄色い電球に照らされ、二人が寮のドアのところで待っていた。
「そのベンチでキャンプするつもりかよ!?」月島がありったけの声で叫ぶ。
「冷たい風に当たってたら風邪ひくわよ、三浦くん」西宮が警告した。
(僕たちはたった二日前に出会ったばかりだ。お互いの過去も知らない。強制的な共同生活は、最初は面倒な重荷にしか思えなかった。それでも……真琴の存在が、僕の考え方を変えたんだ。)
ガタッ
竜斗は素朴な木製のベンチから立ち上がった。最初の一歩は穏やかで、引きずるような音だった。二歩目は力強さを増す。三歩目は濡れた草を素早く切り裂いた。
ザッ、ザッ、ザザッ!
彼自身の意識がようやく追いついた時、彼はすでに開けた中庭を猛スピードで駆け出し、新しい同僚たちの元へと向かっていた。
(真琴さんの存在が、僕の世界を変えたんだ。だって、僕は……)
「なんでそんなにノロいんだよ!」月島が大声で文句を言う。
竜斗が明るいベランダを横切った瞬間、少年は同僚の黒髪に手を突っ込み、親愛を込めた乱暴さで髪をぐちゃぐちゃに掻き回した。
ワシャワシャッ!
「俺の貴重なシャワーの時間が遅れるところだっただろ!」
バシッ
竜斗は月島の腕を横に押しやり、自分のパーソナルスペースを攻撃的に立て直した。その顔には、冷笑的な距離感という仮面がそのまま残っていた。不機嫌な拒絶に月島はあっけらかんと笑い、西宮は温かく穏やかな笑みを浮かべながらそのカオスなやり取りを見守っていた。
(だって、僕は嫌いじゃない……そう……こういうのも、悪くない。)




