髪と胸で誰かを見分けるんかい!
今日はつかさちゃんが早期に退場。これはメールを送る必要もなかったんじゃないだろうか。今から神埼さんに声をかければメールなんて送らなくてすんだ。
もう、この際メールのことを考えるのはよそう。
問題は神埼さんだ。
「って、居ない!?」
神埼さんの席にはもう神埼さんの姿はなかった。
「あ? なにいきなり大きな声だしてんだ?」
耳を抑えながら誠が声をかけてきた。
「キンキンしてうるさいんだよお前の声」
「うるさい。誠の耳のことなんかどうでもいい。それより、神埼さん知らない?」
「知ってるぞ」
「ホント? 教えて」
神埼さんがどこに行ったか知ってるだなんてさすが誠だ。この際今までのことは不問にしてやろう。
「このクラスの女子生徒で、おとなしめの性格をしている」
「………………は?」
ドヤ顔で言ってくる誠のことがよくわからなかった。何を言っているんだこの馬鹿は。
「は? じゃねーよ。神埼のこと知ってるかどうか聞かれたから、俺の知っている神埼のことを言ったまでだ。何か問題あるか?」
「問題おおありだよ! 全然重要じゃないよそんなこと、というか僕も知ってるよそれくらい。居場所を知りたいんだよ。居場所を」
「そんなの、俺が知ってるわけねーだろ。俺は神埼のマネージャーじゃないんだから」
「くっそ!」
さっき不問にしてやるといったな。あれは却下だ。こんな馬鹿に付き合ってられない。急いで神埼さんを探さないと。
つかさちゃんが居ないチャンスなのに、なんてことだ。
まだそう遠くには行ってないはず。
僕は急いで廊下に出て、左右を見渡す。帰る生徒、部活に行く生徒で廊下がうめつくされているが、神埼さんの姿は無い。あの特徴的なふわふわロングヘアーが見当たらなかった。
もう廊下には居ないようだ。
次に僕は廊下の窓から外を見渡す。中庭に通じているけど、ここからだと昇降口が見える。が、そこにも神埼さんの姿はない。
一体どこに……。
そう思って何気なく部活棟へとつながる渡り廊下を見ると、ふわふわロングヘアーが見えた。
二度見して、僕は確信する、神埼さんだ。
ふわふわロングヘアーに、歩くたびに揺れるおっぱい。間違いない。




