↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お嬢様として異世界で暮らすことに!?  作者: 松原 透
学園編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/90

71 お嬢様とギルドマスター

 あの人は、どう見ても……エルフだよね?

 何でエルフが学園の校長を務めているの?


 多分入学式の挨拶をしているはず。あの時は横にアイツがいたし、何より国王陛下による長たらしい話のおかげで、眠気を我慢するのに必死だったから全く覚えていない。


「お呼び立てして申し訳ございません、グセナーレ様。どうぞ、そこにお掛けください」


 エルフだと分かり、何を言われるのか緊張していたのだけど、その物腰の低さから意表を突かれてしまう。


「はあ、分かりました」


 学園長の言葉に従い、少し強面の人の前に座る。

 冒険部隊を日頃から見ているためか、怖いという感じはなかった。


 学園長じゃなくて、この人が私に用があるのかしら?

 だとしたら、講師? 実技のこともあるし、全く授業に参加をしていないから目をつけられた?

 やっぱり、こういうところに呼ばれるとしたらそれしかないわよね。


 そんなことをしていたため、学園長に直々に呼ばれたということかしらね。

 実技で言えば、Aクラスというのは名ばかりで、学園全てのクラスで成績はぶっちぎりの最下位だしね。


「ロディオン、そんなに威嚇しては話にもならないだろう。とはいえ、どこから話を始めていいものか」


「あの、この方は私の特別講師か何かですか?」


「「は?」」


 私の言葉に二人は目を丸くして固まっていた。

 しばらく私を眺めると、二人で顔を見合わせ首を傾げていた。


「私が、実技の授業に出席していないから、そのことで呼び出されたのですよね?」


「ぶっはは、俺が講師とは面白い冗談だよ、お嬢さん。俺としてもどう接すればいいか困っていたところなんだが……俺が講師って」


 強面の人は、膝をバンバン叩いて笑っている。

 学園長も困った顔をして、彼の隣へ行くと頭を強く叩いていた。

 あの、結構いい音がしたけど大丈夫なのかしら?


「で、では、なぜ私は呼ばれたのでしょうか?」


 実技が関係ないのなら、本当になんで呼ばれることになったんだろう。


「グセナーレ様。彼はこの王都にある冒険者ギルドのギルドマスターです」


「冒険者ギルドのギルドマスター? ということは……」


 つまり……冒険部隊の連中が、また私に黙って余計なことに手を出したということね。

 ギルドマスターが出向くともなれば、問題はかなり深刻よね?

 バナンたちが帰ってくるのに数日はかかると思う、帰ってきたらみっちりと叱ってあげないといけないわね。


 とはいえ、私ができることは少ない。


「申し訳ございません。彼らがどの様なことをしでかしたのかは分かりませんが、私に償えることがありましたら、大変心苦しいのですが、金銭でなんとかしていただけないでしょうか?」


 床に両膝を突いて頭を下げた。

 冒険者ギルドの最高権力者が来ているのだから、この程度で済まされないのは重々承知の上。だけど、今活動を止められると、皆の生活が苦しくなる。


 私程度の謝罪でどうにかなるとは思えないが、今はこうして謝罪する他ない。

 こんなでも、彼等の責任は全て私にある。


「おい、ちょっとまて」


「何があったのかは存じておりませんが、部隊の不始末は私の責任。先ほども申し上げたようにどうか、金銭にて解決をお願いしたい」


 私は、床に額を擦り付ける。

 二人は急に慌てだし、私の腕を掴み顔を上げようとしてくる。


「グセナーレ様、どうかソファにお掛け直しください。あなた様は何も悪いことはしていないのですよ」


「部下の責任は上司である私の責任。この程度で気がすまないというのであれば、何をすればいいのでしょうか?」


「おい、ちょっとどうなっているんだ?」


 ギルドマスターは、どうしていいのかわからず慌てているが、私も何が起こっているのかがわからない。


「まずソファに、おかけください」


 聞き慣れない言葉が聞こえたかと思うと、魔法で私の体は宙に浮き、ゆっくりとソファに降ろされる。


「あ、え?」


「魔法を使用したことは申し訳ございません。とはいえ、貴方様のお体に触れるのはしのびないのでお許しください」


「ですが!」


「何を勘違いしているのかは存じ上げませんが、まずは彼の話を聞いてください。よろしいですね?」


 話というのは、とある場所で魔物が巣食うダンジョンが発見されたということだった。

 しかも発見したのは、バナンの率いる部隊だった。だが、私はダンジョンの探索を禁止している。


 その話を聞いてギルドマスターがバナンに話を持ちかけるものの、私の命令で中には入るつもりはないと一蹴したらしい……真面目かよ。そこはもう少し考えてあげて、さっきどれだけ怖かったことか。

 そして、主である私を調べて、こうして直談判をするために学園へとやって来たのが一連の流れだった。

 もしかしてだけど、ダンジョンの話はまだ見ていない報告書にあったのかもしれないわね。


「ダンジョン……実際どういうものかわかりませんが、どの程度の危険性があるのでしょうか? それと、以前はどのように対処をされていたのですか?」


「発見されたのは四日前」


 あー、これ。私のせいかもしれないわね。

 絶対報告書に書いてると思う。学園のこと、冒険部隊のこと、農作と……しんどいとか言っていたらだめよね。


「今のところ内部の状態が全くの手付かず、未開拓のダンジョンだ。そんなもんで行きたがるものは早々現れない。その為どれだけの危険が伴うかも不明な状態だ」


 なるほど、いくら報酬が高くても自分が生きて帰れるかわからない依頼は受けないわよね。プルートの街でもダンジョンの話があったけど、お姉さんが行くなって言ってたのよね。

 冒険部隊のことなら、ギルドマスターも彼らが何をしているか把握していると思う。


 そのダンジョンというのがどれだけ危険なのかがわからない。

 それを、私が命令をしてもいいものなの?

 今回の件は私一人の判断はダメよね。


「対処についてだが、それもまちまちだ。腕試しに行ったものがそのまま制圧したり、魔物をおびき寄せて数人で対処したりだな」


「例えばダンジョンを埋めるというのはどうなのでしょう?」


「無駄だな、というよりもかえって悪くなる。時間が経てばたつほど、魔物も強くなるからな」


 そんなこと本当にあるの?

 魔物が懸命に穴を掘っているのを考えると、ちょっと絵面が面白いかも。

 魔物が強くなる。

 ダンジョンは、一種の鉱山に近いものがある。魔物を倒すことで素材の代わりに魔石が手に入る。


 産業の一つが見つかっても、何もできないんじゃ状況が悪くなるだけか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。