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神速の騎士王  作者: 天月 能
第6章 アルナイル帝国奪還編
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No.64:決着

 一方椛はどうなっていたか。もちろん新騎士団員と戦っていた。身軽さを利用し多方面から攻撃を仕掛け、常に隙を伺っている。


「すばしっこい大和人め」


「そういうお前は動作がいちいち鬱陶しいかしら。武器は身の丈に合った物を使うべきよ。どっかの追っかけは大剣振り回しているけど、基本的な事も飛ばして動作が安定していない。力任せの姿勢は体壊すかしら。面倒だからさっさと終わらせる」


椛は懐から一枚の長方形の紙を取り出した。


「師匠使わせてもらうかしら。陰陽之神顕現・十二天将『玄武』我が身に宿れ」


呪符は魔力を放ち、それは椛を包んでいった。


「攻撃は最大の防御と言うけれど、防御は最大の攻撃ということを見せてあげるかしら」


「この野郎がぁ!」


椛は敵の突進を玄武の力、防御壁を作り出し防いだ。そしてそのまま四方に壁を作り出し段々と狭めていった。狭過ぎて敵は悲鳴をあげ始めた。


「うるさいかしら。壁よ、爆ぜるといいかしら」


防御壁は爆発し敵もその衝撃で倒れた。魔神も消え、元の場所に戻っていった。

 しばらくするとアーサーと合流できた。アーサーが2人、椛が1人の計3人を倒した。とりあえずは順調に進んでいる。


「あと2人は一緒に倒すかしら」


「強いのか」


「そう聞いてる。1人は戦闘型、もう1人は隠密型らしいのよ」


「わかった、なら早く行こ、って危な……っ!」


矢が突然飛んできた。幸い椛の玄武の力で何事もなかったが矢じりには毒が塗ってあるのがわかる。さらに矢が飛んできた逆方向から男が1人いる。その姿を見た瞬間何の魔神かわかった。あの本の中のソロモン王が1度だけ使った魔神エリゴス。

 アーサーは少し酷使し魔眼を発動させた。一箇所、魔力の流れが見える所がある。つまりそこに人がいる。


「椛、あの正面の槍持った奴を頼む。俺は隠密型の奴をやる」


「わかったかしら。呉々も気をつけるのよ」


お互いの敵を椛は魔神エリゴスの所有者、アーサーは見えない誰かに定めた。

 アーサーは魔眼のお陰でどこから矢が飛んできてるのかはっきりとわかる。全て刀で弾き矢の装填時に一気に間を詰めた。敵は弓矢以外に短剣を所有しているようだ。

 激しい攻防が続いている。刀と短剣が交差し火花を散らす。両者の実力はほぼ同等。なら勝つ方法はアーサーには1つしかない。アーサーは深呼吸を1回し落ち着かせた。アーサーは神速を発動させた。敵も反応出来ず一瞬のうちに斬られた。しかし誤ったのか思っていたところよりズレてしまった。また神速を発動させ今度こそ外すまいと狙いを定めた。敵も2度やられまいと毒矢を乱射した。アーサーは全て躱した。敵は矢を装填しようと思い急いで矢に手を取るとちゃんと握れず落としてしまい、その間にアーサーは神速を使い横腹を斬り込んだ。敵は倒れ、魔神も元の場所に戻っていった。

 同じ頃椛は槍使いを相手に玄武を使い戦っていた。敵は何度も槍で突いたり魔力を込めて放ったりと次々と仕掛けてくるが椛はその一切を防御壁で守っている。

 乱暴に扱ったのか次第に槍はひびが入り遂には壊れてしまった。椛はその瞬間を待っていた。防御壁を消しすぐに相手の懐に入り忍者刀で腹を刺しそして勢いよく抜いた。さらに傷口に自家製の薬を塗り込み敵はすぐに寝てしまった。


「お互い終わったようで」


「強いと聞いていた割に弱かったかしら」


「こんな所守らさせてるから71人の中でも最弱5人が配置されてたと思う。1人だけ強い奴いたけど」


「とりあえず目標通りいってるから続きを続行するかしら。椛は地下に、アーサーはここの当主から鍵を取ってくるのよ。それで終いよ」


「わかった。じゃあ気をつけて」


「そっちこそ」


アーサーと椛はそれぞれの場所に向かった。

 アーサーは当主ギルバートがある部屋にきた。大きな扉を開けるとギルバートがいた。


「懐かしいな、貴様が居なくなったお陰で事が楽に進んだ」


「そりゃどうも。で、何で逃げなかった。逃げて居たら少しは楽だったろうに」


「魔力も少ししかない。体力も然程ない。そんな絶好の機会を逃すわけにはいかないからな」


「そうかい。なら早く剣を構えるなりしなよ。さっさと終わらせよう」


「それには同感だ。終わらせて貴様を牢に入れてやろう」


先に仕掛けてきたのはギルバートだ。持ち前の重さのある剣で体力のないアーサーを押すはずだった。アーサーは躱しギルバートを斬った。ギルバートは何度もアーサーを追いかけ何度も剣を振り下ろすがアーサーは全てを躱した。


「なぜだ、なぜ当たらない」


「お前の言った通り、今お前の一撃を抑えるほどの力はないよ。先の3人抜きで疲れているから。でも疲れているなりのことはできる。最小限に避けお前を斬る。それだけでいい」


アーサーは疲れない程度に神速を使いギルバートの腹を蹴った。ギルバートは壁にぶつかり転げた。ギルバートは腹を押さえながら立ち上がったがすでにアーサーは目の前にいた。


「元同期だから、この程度で許してやるよ」


アーサーは一瞬のうちに刀で何回も斬った。傷口自体は浅い。そしてギルバートを気絶させ部屋にある机から鍵をを見つけた。アーサーは部屋を出て地下牢に向かった。



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