↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神速の騎士王  作者: 天月 能
2章 倭国事件
PR
34/88

よりみち:柊初恋物語

 私の名前は柊初(ひいらぎはつ)。今は雷皇に所属しています。使う武器はアルナイルで作った普通の大剣。父と母は商人なので普段は家にいません。私は祖父によって育てられました。祖父の名前は東郷伊三郎と言い雷皇の最古参で将軍様でさえ「伊三郎さん」と呼びかなり慕われています。

 まだ私が幼かった頃、よく祖父に城へ連れられていました。さっきも言った通り両親が普段いないため幼い私を見てくれる人が祖父だけでその祖父は城の方に行かないとダメなので一緒に来ていました。それは13歳まで続きました。そして13歳のある日のこと。


「おう初、ここにおったか」


「おじいちゃん、どこいってたの?」


「饅頭屋に行ってな色々買ってきたんじゃよ。そんでな、これを翔鶴に渡してくれんかのう」


「翔鶴って今年入った人?」


「そうじゃ、そうじゃ。場所は城下町にある北篠弓道場におるはずじゃ」


「わかった。じゃ届けてくるね」


 そうして私は翔鶴様の所に初めて行くことになりました。そしてこれが私の人生を大きく変えることになったのです。


「ここかな。というか北篠弓道場って書いてあるしここね」


扉を開けると何もなく靴箱だけがありました。そして暗く第一印象は幽霊屋敷みたいでした。私は靴を脱ぎ廊下に足を押せた時きぃと床がひしめいたのです。するといきなり壁の向こう側から矢が貫通してきて、私の顔の目の前を通りすぎました。私は驚いて尻餅をつきました。思いっきり後ろに尻餅ついたのでしばらく立てないでいると弓を持った若い男性が出てきました。そして男はこう言ったのです。


「あんた誰?」


「あんたって初対面の女性に失礼でなくて?」


「そんなことはどうでもいい、男でも女で関係ない。であんた誰」


「柊初、東郷伊三郎の孫! これでいいですか!」


「伊三郎さんの孫か。これは失礼した。お詫び申し上げ……ふゎ〜」


「ちょっと待ちなさい。失礼極まりないですよ、欠伸するなんて。謝るならもっと誠意を込めて謝ってくださる!?」


「謝ったからいいだろ。俺は矢さえ打てればそれでいいんだよ。それ以外興味ない。じゃあな」


 第一印象どころか全てが最悪でした。初対面であんな失礼な態度は翔鶴様が初めてでした。しかしその態度に気にし過ぎて祖父から預かった饅頭を渡しそびれてしまいました。置いて帰るのもありでしたが少し気になってつい翔鶴様が矢を射る所を覗いたんです。そして矢を射る姿に私は一目惚れしてしまいました。さっきまでとは全く違い、正確無比な技術、凛々しい顔立ち、的に向かってみるまっすぐな瞳、何より立ち姿は私の心を惹きつけました。

 私は饅頭をその場に置いてきて大急ぎで祖父の所へ行きました。


「おじいちゃん! 翔鶴様の好みの女性を知ってる!?」


「お、おう初どうした急に。翔鶴の何を見たんじゃ」


「そんなことより翔鶴様の好み女性。何か知ってたら教えて!」


「確か歓迎の宴の時じゃったか、あいつ『弱いやつには興味はない、興味あるやつは強者だけだ。強者なら女でも男でもいつでも相手になります』とか言っておった。振り向いてもらうには強くならんと無理だと思うぞ」


「強い人……なら私、雷皇に入ります!」


「いや、唐突過ぎるじゃろ。いいか雷皇に入るには生半可な実力じゃ入れんぞ。それにお前はまだ武器を持っておらん」


「なら今から武器を買いに行きます」


「買うならよく考えてから買いなさい。後悔してからじゃ遅いんじゃぞ」


 そうして私が雷皇に入るための計画が開始されました。私は見た目は華奢なので刀を持っているとただの粋がる女にしか見えません。強さの象徴のような武器が必要でした。そこで浮かんだのが大剣。何年か前アルナイル帝国が来た時、騎士団の1人が大きな剣を持っていました。まさにその姿は強さの象徴。そして私の武器は大剣になりました。その後祖父にアルナイル帝国に行き修行してくると言い1人でアルナイル帝国に行きました。その日のうちに自分専用の大剣を作ってもらい、現地の剣練場で修行しながら2年通い続け念願の雷皇の資格を得ることができました。ちなみに華奢な私が大剣を振れる理由としては祖父の鬼の力が私にも受け継がれているからです。しかし祖父のように角が生えてくるわけではありません。

 雷皇に入りやっと翔鶴様の後ろに立てました。目標は翔鶴様の隣に立つことです。それが達成されるまで私の初恋は終わりません。愛される日まで攻めて攻めて攻め続けます!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。