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神速の騎士王  作者: 天月 能
2章 倭国事件
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No.29:帰国

 シャルロットの魔術『ペンタクル・グリモワール』により黒い影は消えた。それと同時に外にいた謎の黒い影も骸も全て消え去った。これでやっと終わり帰国のめどが立つ予定だったのだが。


「シャルロット、本気出しすぎだ。戻すのめっちゃ大変なんだけど」


「あれくらいやらないと倒せなかったんだからしょうがないじゃない。それに魔法ですぐ終わるんだから大丈夫よ」


「俺そこまで魔法使えないからほぼ手作業なんだけど」


そう、シャルロットの魔術で消えて無くなった町の修繕がまだ残っていた。大和国もアルナイル帝国もみんな町の修繕にあたっている。それから洛陽市民が戻れる事になっている。町はすぐ戻るが城だけは時間がかかるため次の日、一日かけて直す予定だ。

 次の日の昼には市民が戻ってきた。さらにその日の夜に城の修繕が終わり町と城は完全に来た時と同じ状態になった。全てが終わりアルナイル帝国一団は次の日に帰国することにした。

 そして帰国の時がやってきた。大勢の人がアルナイル帝国一団を一目見ようと集まってきた。将軍様と雷皇のみんなと別れの挨拶のためわざわざ来てくれた。


「じゃあな、アーサー」


「またいつか会おう。その時はもっと戦おうよ」


「たりめーよ。次は俺の圧勝で終わらしてやるぜ」


「ならさらに俺が上に行ってやる」


アーサーと兼続は来る前も帰る前も相変わらず戦いばかりだ。それがこの2人らしい。


「さようならだ、椛」


「それなりに楽しめたかしら。最近刺激が少ないからちょうど良かったのよ」


「あの騒動は9割俺らのせいだけどそう思ってくれるならありがたいよ」


椛とも別れの挨拶をした。そしてなんといっても紅丸だ。最後の戦いで彼の尽力はとても大きい。それに体質の制御も完璧にできている。もう心配はないだろう。


「ありがとう、アーサー。君がいたから僕はこうしてここにいる。今まで最悪な人生だったけどこれからは最高の人生にしてみせるよ」


「その最高の人生は自分だけじゃ叶えられないから周りともしっかりコミュニケーションしろよ」


「その『こみゅにけーしょん』? はよくわからないけどだいたいわかった。みんなと力を合わせてがんばるよ」


その後将軍様に刀の礼を済ましアルナイル帝国一団は大和国から故郷へ帰るのであった。もちろん行きと同じ日数、時間をかけてだ。

 2週間という日数をかけてやっとアルナイル帝国一団は故郷アルナイル帝国に辿り着いた。みんなもうクタクタの状態で寝ればすぐ安眠できそうだ。入国すると凱旋ロードになっており臣民は帰国を歓迎してくれた。みんな疲れながらも笑顔を見せて手を振る。そしてそのまま城の方に向かった。城の中に入ると残っていた騎士団のメンバーが出迎えてくれた。約1ヶ月ぶりの再会を喜んだ。中には安心と疲労で倒れるものもいた。ユリエルに至ってはいきなり殴りかかって来る始末。彼なりの歓迎の仕方だろうか。兎にも角にも大和国での戦いはこうして幕を閉じた。



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