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第22話作戦T発動

「…………。」


…………月城さんと仲良くなる。


……え?


……ど、ど、どうしよう。


……!?


こうなったら女装を!


って、俺の女装はもうバレたんだった。


……オワタ。


「どうしたの?」


月城さんが声を掛けてくれる。


「様子がおかしい。」


わぉ。


気がつかれてしまった。


マジでどうしよう。


もうスマホで、


【急募】月城ひよりと仲良くなる方法!!


ってネットの掲示板にでも質問するしかないか。


「えっと……ひよりさん、俺のスマホってどこにあるか知りませんか?」


「知らない。持ってなかった。」


「そっかー。ありがとう、月城さん。」


「…………?」


ピーンポーンパーンポーン。


『人生終了のお知らせです。』


『お知らせします。』


『俺の人生終了です。』


ピーンポーンパーンポーン。


って、脳内で虚しいチャイムを鳴らしてる暇は無い!


とりあえず、俺なりの方法で仲良くなるしかないんだ。


よし、行動を開始する! 作戦T(とりあえず胃袋を掴め)を発動だ!


「ひよりさん。」


「なに?」


「お腹はすいてませんか?」


「…………? すいてる。」


「よし! 何か作りますね!」


「材料ない。」


「…………え?」


「そんな事より、秘密教えて。」


「…………。そんな事言わずに、材料なら今から買ってきますから!」


「逃げる気?」


「いえ! 断じて逃げません!」


「…………。わかった、ついていく。」


「……!? あ、どうぞ。」


――うん。


まぁ、お察しの通り。


買い物はほぼ無言で終わった。気まず過ぎた。


◇


「……本当に気まず過ぎたな。」


今はキッチンに立ち、1人でカレーを作っているところだ。


あー、でも……心が癒される。


最近メイドをやっていて気づいたことだが、料理をしている時間は不思議と心が落ち着く。


おっと、そんなことを考えている間に、あっという間に完成してしまった。


「できました、月城さん。」


「食べる。」


月城さんが早速、口にカレーを運ぶ。


「おいしい。」


「それはよかったです!」


「…………。」


そう言って、彼女はまた無言でスプーンを動かし始めた。


俺も自分の分を食べながら、月城さんの様子を観察する。


美味しそうに……食べてくれている気がする。


いや、表情が変わらないから気のせいかもしれないけど。


 まぁ、ちゃんと食べて貰えたんだし、第一ミッションはクリアってことでいいよね。


そんなこんなで食事が終わる。


「ごちそうさま。」


「お粗末さまでした、月城さん。」


「…………。ひより。ひよりでいい。」


「…………。」


わぁ。難易度の高い要求が来た。


陰キャコミュ障にはハードルが高過ぎますって。


で、でも、これも彼女と仲良くなるための第一歩だからな。


そうだ、いけ! 新山緋色!


「えっと……ひ、ひ、ひよりさん。」


「『さん』はいらない。」


「…………。」


だけど、いざ一度呼んでみたら、そこまで緊張するほどのことでもない気がしてきた。


「ひより。」


「それでいい。」


なんだろう。案外すんなりいけたな。


やったことがなかったから、勝手に怖がっていただけか。


そうだよな、うん。


そうだ。


そう思い込もう。


――緋色は、自分の手の平にじっとりと滲む、


信じられない量の手汗から目を逸らしながら、


必死に自分に言い聞かせていた。


◇◇◇


「仕事行く。」


…………。


……仕事って、まさかだよな?


「えっと、仕事というのは……?」


「暗殺。」


うん、ですよね。


知ってた。


あー。


どうしよう。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

1日1話20時に投稿します!

好評なら1日2話あげるかもしれません!

続きが気になる方は評価の⭐︎をください!また、ブックマークもして続きを読めるように待っててくれると嬉しいです!感想やレビューもどしどしお待ちしております!


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