↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
五州二島の太守だけど、異世界に転生したら熊になっていた ~龍造寺隆信~(不定期)  作者: 秋鷽亭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/14

10話 隆信、猿と対峙

ケインたちは帰って行ったな。

南蛮人と同じよう名前だったが、色々な情報が聞けた。

また来たら話が出来るが、どうなんだろうか。

こちらから行けば、討伐されるんだろう。

わしは強いようだが、人にも強い奴はいるだろう。

確かに、ケインたちが現状で一番強いのだろうが、暴れれば他の地域から精鋭が集まって討伐に来るだろう。

やつらよりも強い奴がいると言っていたからな。

どうしたものか…ん?


「何か用か?」


強い気配がするな。

わしよりは弱い気がするが、油断は出来ん。


「オマエガアタラシイシハイシャカ」

「ん?聞き取りにくいが、まあ、そうかもしれんな。わしはよくわからぬ」

「ココニイタ、バールーヲタオシタノカ」

「そうだな、殺されかけていたからやり返したが」

「ナラバ、コノエリアノシハイシャハオマエダ」

「知らぬ、どうでもよいが姿を見せろ」

「ソウダナ」


森の奥の草むらから巨大な猿が出てきた、1間半とは行かぬがそれぐらいか。

白い体毛に覆われているが、その身体から湧き上がる気が強者だと告げている。


「それで、貴様は何の用だ?」

「キサマノチカラヲシリタイダケダ」

「そうか、だが、赤熊には負けるが、俺には勝てると?」

「ワカラヌ、ダガキサマハワガケンゾクヲタスケタ」

「まさか…あの糞を投げてくる連中の事か!?」

「ソウダ」

「なんて嫌らしい攻撃をするんだお前たちは!」

「フツウノマモノナラ、フンニアタロウガキニシナ。タエレナイナラバワレラノエサニナルダケダ」

「そうだな、負ければすべて奪われるのは当たり前だな」

「ソウダ」

「だが、赤熊ならばお前らは消し炭になってそうだな」

「ソンナコトモアル。マケルトワカッテイルカラチカヅカナカッタ。アレハオゴリタカブル、ツヨイガアタマガラリヌカラチカヅカナケレバヨイ」

「馬鹿なのか…」


何だろう、わしの心をえぐられるこの言葉…

驕り高ぶるか、確かに奴の行動はわしを見下して、全力で始末に来ていなかったな。

だから、幸運にも勝てたと思っている。

どうもあの赤熊は、熊の中でも強かったのだな。

油断してくれて助かったわ。

もし、万全で相手していたら負けていただろうな…


「それで、お前は何の用だ?」

「オマエガワレワレニタイシテドウカンガエテイルカ、キキニキタ」

「ふむ、別に敵対しなければ放置だ。このあたりを支配した所でうま味を感じぬ。お前は、話が出来るが他の者が出来るとは思えん。ならば、こちらの命令を聞くかもわからん連中を配下にする意味がない」

「…ナルホド」

「配下になりたいというならば、別に構わないが、裏切れば根切にする」

「ネギリ?」

「皆殺しだ」


猿は考えているようだな。

眷族というぐらいだから、まあ、話なり意思なりが通じるんだろう。

だが、わしの命令を聞くかどうかは別だな。


「デハ、キサマノチカラヲタメシタイ」

「ふむ、だが、下手をすれば殺し合いになるぞ?」

「ソレモシカタナイ」

「そうか、ならわしはこの木刀を両手で持って相手をしよう。爪だと切り裂く可能性があるからな」

「ワカッタ」

「では!」

「オウ!」


中々素早いな!?

もう目の前に来ている!?

顔面を殴ると見せかけて、腹ではなく、胸が狙いか!?

木刀で払いのけるが、逆に払いのけに来るか!

とりあえず、後ろに飛び下がったが、今度は蹴りと陽動に前に踏み込むか!

両腕を十字にして受け止めたが、中々の威力だな。

だが、赤熊よりは弱い。

ん?

いつの間にわしは強くなっていたんだ?

まあ、良いかとりあえずは楽しむか!

なるほど、素早いしこちらの攻撃を読むか、決定打はなく、どちらも躱すかいなしてばかりだな。

では、少し本気を出すか。


「ギャ!」


ふむ、陽動を入れて脇を木刀を叩きこんだが、木刀でも打撃は与えれるのか。

突きをしたら殺してしまいそうだな。

どうしたものか…

ん?

なんだ、両手を上にあげて、手のひらをこちらに向けてきたな?


「チカラクラベダ」

「良かろう!」


やはり、猿だから人の手のようだな。

上手く重なり合ったが…

おお、かなりの力だな!

こちらが一瞬、抑え込まれそうになった。

力を増幅するのか、一瞬筋肉が盛り上がったな。

だが、これぐらいであれば、押し返せるわ!


「オオ!?」

「どうした、こんなものか?」

「グァ!?」


身体は猿の方が大きいのだがな。

筋肉と体重でこちらを潰そうとしたが無理なのだよ!


「グググ、ワレノマケダ」

「そうか、無駄な怪我をせずに済んだようだな」

「フウフウ、ソウダナ」


呼吸を整えているのか。

眼をつむって何か考えているな。

こういう時に油断すると命取りになるが、こいつはそういう卑怯な手は使わないだろう。

獣は強いものに従う、だが、弱くなれば去るか、こちらの命を狙ってくる。

そんなものだからな。


「ワレワレハ、アナタサマニシタガオウ」

「そうか」

「アルジよ」

「あるじ?」

「ナンテヨベバヨイノカ」

「そうだな、殿か隆の…いや、圓月と呼べ」

「ナラバ、エンゲツサマトオヨビシマス。オマエタチデテコイ!」


おお、森から大量の猿どもが出てきたな。

多分、大人の雄猿だけだろうが、百は超えるな。


「ワレワレハ、コノカタヲアルジトスル」

「「「キィ!」」」


一斉にお辞儀をしたぞ?

なんだ、獣がそこまで…

ああ、猿回しがいたな。

それぐらい知能はあるか。


「それで、お前たちはどうする?」

「オヨビガアレバサンジョウシマス」

「そうか…お前たち、魔物の解体は出来るか?」

「カンタンナモノデアレバ」

「そうか、そこの蛇と蜂の魔物の解体をしてくれ、わしが食べない肉は食べても良い」

「オオ!アリガトウゴザイマス」

「「「キ、キキィ!!!」」」


猿どもが喜んでいるな。

食料がなかったのか?

まあ、いいか。

始末した魔物が大量にあるし、猿だから手先が器用だろう。

臣下?が出来たし、解体も楽になった。




《ガラバナの街》


まったく、厄介な依頼を受けたな。

[勇猛の獅子]なんて名前だけは立派なチンピラパーティーのしりぬぐいで、また、あの森に行くとは思わなかった。

新人が助かったのは良かったが、あれはお情けだな。

ため息しか出ない。


「どうした、ケインため息をついて」

「二度と行く気がなかった場所に行って、馬鹿のしりぬぐいだぞ?でもって、また、厄介な話が増えたとか疫病神でも憑いているんじゃないかってぐらい不運だろ」

「まあ、そうだが新人が助かって良かったじゃないか」

「それは、あの熊が手心くえたからだろ?」

「そうだな、あの新人はラッキーだった」

「アイン、そうじゃないんだよ」

「何がだ?助かったのはラッキーだろ?」

「その事はな。だが、あの熊はこちらの、人の表情や状況を理解できる知性があるという事だぞ?」

「それがどうした?話が通じるだけマシだろ?」

「馬鹿野郎、こちらが不誠実な対応を見抜くんだぞ?交渉に失敗したら被害が出るし、馬鹿な貴族や、あの冒険者みたいな連中がいたら、奴は不信感を抱いて問答無用でこちらを攻撃してくるぞ」

「確かにそうだな。だが、Sランクあたりの連中が出て行けば、対処できると思うが?」

「それでまでに、どれだけの被害が出るか。下手すれば、ガラバナの規模の街が地上から消えるぞ?前のエリアボスでさえ、冒険者ギルドで認定されていたんだからな」

「まあ、そうなんだが、それならなぜ、前のエリアボスは狩られなかったんだ?」

「はぁ、エリアから出てこない事、下手に攻撃して街に被害が出ない事を危惧したんだろう。街に来たらいいが素通りして、周辺の村や街を攻撃したら甚大な被害が出るぞ」

「それならそれで、そんな危険ならSランクあたりが倒しに行きそうだがな」

「残念ながら、そこまでの高額な依頼を出す連中はいないし、冒険者ギルドも出す気がない。リスクが低く、緊急度も低い以上意味がないだろ。倒しても、とれる素材に見合わない」

「あの爪は武器になるし、内臓などは薬になるんじゃないのか?まして、魔石もそれなりの大きさだろうし」

「それがネックでな。鑑定スキルで遠くから確認したら、若い個体で強いが魔石はそこまで大きくなっていなかったらしい」

「あ、それはうま味ないな」

「痛しかゆしだよ。魔石が小さければ…と、言ってもそれなりの大きさだったみたいだがな。大きくなるのを待てば利益はでるが、魔物は強力になる。その時は倒せない可能性もあるからな。かといって、小さくても強力な個体は被害もでるから狩るメリットがない。だから、だれも手を出していなかったんだよ」

「そうか、でも、話に聞いている限り馬鹿っぽいからこちらに何れ来た気もするが」

「人ってのは、危機に直面しないと動かないもんだよ」

「まあ、そうか」

「冒険者ギルドマスターは討伐を考えていたみたいだが、他のエリアボスもあるから予算がな。まして、領都の連中は出し渋るし、周辺の貴族どもも出す気がないから無理なんだよ」

「それで、被害が出たら目も当てれないだろうに…」

「その結果、危機感と肥大化した自尊心を持った馬鹿な冒険者が餌食になっていくんだよ」

「はぁ」


その結果、俺たちが馬鹿な依頼を受けざる得ないと、やってられないな!

闇深き森

 隆信がいる森林の名前だが、正式な名称はない。


ガラバナの街

 [彷徨える者たち]がいる街。

 闇深き森の周辺に点在する街のひとつで、街は中規模。

 闇深き森の周辺には中規模な街が六つある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。