◆第79話:交わる理と力、探求の共鳴◆
晴れた午後、訓練場の一角で風がそよぐ中、セディオスとルゼリアは向かい合って立っていた。
「では……準備はいいですか、セディオス?」
「ああ、いつでも構わない」
ルゼリアは静かに頷き、魔力収束を開始した。彼女の周囲に展開される新たな魔法陣。
いつもの風属性とは異なる、柔らかで、それでいて芯の通った魔力の波が広がっていく。
「……風よ、流れよ。ウインド・ショット!」
魔力の流れが変わった瞬間、セディオスは剣を構えた。
魔法が放たれる前から、その“気配”を読んでいたのだ。
「……速い」
瞬時に察知し、剣で風弾を捌くセディオス。
その動作は、肉体の衰えを補う理に基づいた体捌きの結晶であった。
一方、ルゼリアの手元では次の魔法へ。
簡略化された魔法陣が重なり、風の弾丸が矢継ぎ早に放たれる。
放たれた風弾が空気を裂き、砂を巻き上げて頬をかすめた。
「詠唱速度と威力の両立……確かに、戦闘において有効だ」
セディオスは低く呟きながら、足元の風圧を読み、跳躍した。
着地と同時、二人は再び向き合う。
「まだ改良の余地はあるが……これなら実戦投入も可能と判断できそうだな」
「はい。セディオスがここまで読めるとは、流石ですね……、次はもっと驚かせますよ!」
「望むところだ」
二人は微笑みを交わし、再び構えを取った。
理と力が交わるその場所に、新たな可能性の扉が静かに開かれていた。
次回は、『10月2日(木)20時ごろ』の投稿となります。
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