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魔王メイドエクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第五章:再起と絆の魔剣

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◆第80話:風の軌跡、未来を織る光◆

翌朝の魔法書書庫。

窓から射し込む朝の光が紙面を淡く照らし、インクの匂いと乾いた紙の音が静寂を彩っていた。

セディオスは机に広げた資料に目を通していた。そこへ、静かな足音が近づく。


「おはようございます、セディオス」

「おはよう、ルゼリア。昨日の実験、お疲れ様」


「はい。あの魔法式、やはり応用の幅が広いようです。

夜遅くまで考えてしまって……それで、少し改良案を」


ルゼリアは懐からノートを取り出し、セディオスの隣に座った。

ページをめくると、細かく練られた魔法陣と補助詠唱式の走り書きが並んでいた。

「これは……詠唱の最終句を短縮して、初動加速と安定性を維持する……なるほど、これは見事だ」

「ありがとう、ございます。セディオスとの研究が楽しくて……気づけば手が止まりませんでした」


微笑むルゼリアの顔に、どこか柔らかな誇らしさがにじんでいた。

「君の努力は見ているよ。これはきっと実戦でも役立つ」


「……はいっ」

そのとき、廊下の方からライナの大声が聞こえた。


「セディオス~! あとで模擬戦よろしくね〜!」


思わず苦笑するセディオスと、くすくすと笑うルゼリア。

「賑やかな家族ですね」


「そうだな。騒がしいくらいがちょうどいい」

ルゼリアは静かに頷いた。


「……こうして、誰かと知を交わせる日々が来るなんて、夢にも思いませんでした」

「それは、俺もだ」


その言葉に、ルゼリアの瞳が一層輝きを増す。

光が満ちる書斎の中で、ふたりの間に交わされた静かな誓い。

それは、未来へと続く風の軌跡のはじまりだった。

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