イラスト部 体育祭何となく説明
イラスト部ルールその参拾伍 体育祭には慣れが必要
「慣れが必要な体育祭なんて普通はねぇよ!!」
「えっと……何に慣れるんですか?」
「…………んっと、体育祭が近いのは知ってる?」
「ええ、まあ」
体育祭は毎年中間テストが終了してしばらくしてからある。大体6月ごろ。わざわざそんな時期にしなくてもいいと思うんだよな……雨多いし。どうせならカラッと晴れてほしいじゃねえか。なんか何回も延期になったりするのもめんどくせぇし、途中で微妙に雨降ってくんのも面倒だしな……まあ、楽しいからいいんだけど……楽しい……のかなあ
「何か一人で考えてへこんでいる人は置いておくけど、またちょっと体育祭も変わってるのよねー」
「ほぼあんたらのせいなんだろ?!」
「とんだ言い掛かりだよ、ひーくん。ただの生徒が体育祭を変えることなんてできないよー」
「目をそらすなよ!!」
そう、この人たちは体育祭を変えたらしい。らしいと言うのは伝え聞きだから。まあ、教師から聞いた話なのであっているはずだ。……情報源が咲子さんっていうのが心配の元なのだが……いくらあの人でも自分の出身校のことだ。覚えているはずだ、うん多分。教師だしな!うん多分。
なんだろう、この一切拭えきれない不安は。
「それで、体育祭なんだけど。はっきり言うと……説明面倒になった」
「おい!!」
「いやー、私たちは体育祭の分もいれて決めるからさ。説明お願いできる?」
「……私たちってことはまた俺一人で説明しろってことか?」
「よくわかったね」
「わかるわ!」
「じゃあ、任したよー」
そう木村先輩が言うと俺と一年生以外全員が衣装が置いてある場所に行く。
近いんだけどね?だって俺の少し後ろぐらいだし。つーか、ホントどんだけ広いんだよ。何で部室に服がものすごく置いてあるんだよ!!訳分かんねぇよ!
「で、また俺が説明することになった訳だけどわかんなかったら遠慮なく言ってくれ」
「はい」
「りょうかい」
学園での体育祭はチーム戦。イラスト部、美術部、生徒会の3チームにクラスごとに別れる。何故かイラスト部はイラスト部、美術部は美術部、生徒会は生徒会でクラスが別れているからわけやすいんだよな。
「あ……」
「ん?なんか質問か?」
「い、いえ、イラスト部と美術部の戦いがここまできてるのはなんとなくわかってしまうんですけど……生徒会とも仲良くないのかと思いまして……」
「あー……そうじゃねぇよ。つか、逆だ」
「ぎゃく……?」
「あぁ」
はっきり言って仲が悪いというよりも、良すぎるくらいと言うかなんと言うか……あっちが一方的に好いてきていると言うか
そういやこいつらは生徒会長を知っているのだろうか
「いえ、知らないです」
「未耶香はしってる」
「だろーな、あいつ生徒会長のくせして人の前に出るの苦手だから中々出てこねーんだよ」
何で生徒会長になったんだか、わからん。
「何でそんな人が生徒会長になったんですか?」
「俺が知りてーよ……」
おそらくだが担ぎ上げられたとかが正解だろうけどな。そんな時ふと視線を感じてそっちを見る。じっと穴が開くようなくらいにこちらを見ていた、先輩たちと夢田が。……怖いわ!!
木村先輩が口パクで何かを伝えてくる。これで正解を答えられなかったら後が怖い。よく口元を観察する。……こんなことに使うために親父は教えてくれたわけじゃねぇと思うんだけどな。
で、何々……?『は、や、く、せ、つ、め、い、し、ろ』早く説明しろ?
……了解です。
「んじゃ、説明を続けるぞ」
二人はコクリとうなづく。二人はこっちを見ていない。俺の後ろの先輩を見ている。怖かったんだろうか、だろうな……。
3チームに別れるとこまでは話したか。これ以外は基本的に他の体育祭と同じだと思う。リレーとか騎馬戦とかあるからな。まあ、その中でも他のとこでは絶対ないってやつを説明するか。
まず、その1チームの学年ごとにリーダーがいる。まあ、先に言っておくとイラスト部チームでの1年のリーダーはお前らだ。
『はいぃぃぃぃいいい?』
「んだよ!!んな大きい声出すなよ!!」
「出しますよ!チームの中で学年ごとにリーダーがいることまでは百歩譲ってオッケーです!けど何で私たちなんですか、どうしてもう決まっているんですか、どうして私たちがしなきゃいけないんですか、面倒ですよ!!」
「最後に本音出したな?!」
まあいいか……しゃあねぇじゃねえか主となる部活(生徒会)に入っているメンバーが各学年のリーダーって決まったんだから。
「どうしてそうきまったの?」
「その場のノリ」
二人は諦めたかのようにため息をつく。諦めんの案外早かったな。まあ、俺もその一人なわけだが。
「まあ安心しろ。、慣れる、用は慣れだ、慣れ。つーか、慣れねぇとやっていけねぇぞ?特にこの部活は」
そう言った俺に何かを感じ取ったのかとても優しそうな顔になる。……何かある意味ムカつくな。あと何となくされる意味がわかってしまう俺が嫌だ。
「じゃ、説明続けんぞ」
応援の説明だが、もちろん応援がある。個々で応援もするが間に応援合戦がある。これはこの3チーム対戦になってから出来たやつなんだが……まあはっきり言って今年が初めてなんだ。去年までは全体が学ラン来て普通の応援団って感じだったんだが
「この人たちがそんな面白くも何とも無いことすると思うか」
二人は困ったような顔をして笑う。……まあ誤魔化すしかないよな。
ちなみにこの応援には点数が入る。割とこの応援にふられる点数は高いから気を付けること。
「とまあ、こんなもんか」
「あーあとここの部活に入ってたら出なきゃ行けないって訳じゃないんだけど、確実に出る可能性がたかいのあるのよ」
「なに?」
「一つはさっき話に出た応援合戦、次に代表者対抗リレー、そしてこの体育祭一番の目玉
男装・女装リレー!!」
「…………そのままの通り男装、又は女装して走る。…………慣れてほしいのはこれ」
二人の顔が何とも言えない顔になったのは気のせいではないはずだ
「そんな顔しなくても大丈夫だよ!?どっちかっていうと光君を見てる人の方が多いしね」
今年こそ出たくない。あんなのただただ黒歴史垂れ流ししてるだけじゃねぇかよ!!
「まあ、いろいろと決まってきたし罰ゲームしようか」
良い笑顔の木村先輩。そして逆にだんだんと笑顔が引きつりだす八神。無表情になりだす中井。うん、気持ちはわかるが助けられないよ、俺には。
「あ、彩先輩は慣れなくても」
あ、道ずれをもう一人作ろうとしだした。でも無駄だよ、だって
「え?私がたかが男装に慣れるとか必要だと思う?」
この人にそんな慣れは必要がないから。
あ、俺?俺はいろんな意味でもう慣れた。




