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イラスト部 美術部部長からの話

イラスト部ルールその拾捌 先輩の言うことなんて聞いても聞かなくてどっちでも構わない

「そんなことが出来るのはあんたらだけだし、聞かなかったら聞かなかったらで後が怖いよなぁぁ?!」




「何、美術部部長。」

「その呼び方はやめてほしいんだけどね。」

苦笑しながら言われる。

「癖なんだ、気にしないでほしい。」

まさかそんな事で呼び止めたんじゃねぇよな………。

「もちろんそんな理由で呼び止めちゃいないよ。話したいのは別のことだ。」

「別のこと…?」

「ああ。まあここで話しても特に構わないのだが、あいつに聞かれたら面倒だな。少しついてきてくれるかい。」

そう言うとついてこいと言わんばかりにさっさと歩きだした。「~かい。」とは言っているが聞いちゃいないんだよ、この人は。「こうするからついてきなよ。」ってことだ。つまりは拒否権はない。この人に関しても怒らせるとどうなるか分かったもんじゃないので、大人しくついて行くことにした。ちなみにこの人の言ったことに関して(生徒の中で)無視あるいは抗議できるのは、イラスト部の3年と2年(もちろん俺は抜き)である。


俺の周りの女子は怖い人が多すぎだろ………。



ーーーーーーーー



「さてここなら誰も聞く人はいないな。」

「そりゃ空き教室だもんなぁぁぁぁぁぁ?!」

ん?ちょっと待てよ、今日ここで先生たちの会議があったんじゃないのか?

そう思い美術部部長のほうを見るといつもよりも・・・・・・いい笑顔で笑っていた。

聞くのが怖くなった。

「それで、話とは?」

「ふむ、急かさないでくれ。

イラスト部は楽しいかい?」

「…何だよ、藪から棒に。」

「良いじゃないか世間話ぐらい。それで楽しいかい?」

「ええ、まあ。……それで何だ?」

「フッ、さすがだね。何となくだが私が話そうとしていることを感づいているようだね。」

「………そんな訳ねぇだろ。」

そう、話そうとしていることを感づいているわけじゃぁない。ただ、とんでもないことを言われるようなそんな予感がしているだけ。

「んー、そうだね。悪いが単刀直入に言わせてもらうよ。遠まわしに言うのは得意ではないんだ。」

ああ、なるほど。だから二人はケンカをしたのだろう。二人とも自分の言い分を言い合うだけ言い合って。おまけにどっちも引くような人じゃないしな。

「それで私から言わせてもらいたいのは、一つだ。


加山君、美術部に入らないかい?」


「・・・ハア!?」

まさかの提案だった。

この学校では何故か部活の掛け持ちが出来ない。つまり、この人の言いたいことは

「イラスト部をやめろってことか・・・。」

美術部部長が笑う。この時の笑顔が何故か木村先輩とかぶった。……遊びを思いついた時の笑顔と。

「まあ、そういうことになるね。」

「美術部の部長さんが引き抜きか。」

「大企業などではよくあることだよ。…それで、どうするんだい?別にいつ決めてもらっても構わないのだが。」

………俺の答えはとっくに決まっていた。


「せっかくの申し出だが断らせてもらう。」


「…君のことを認めていると言ってもかい?」

「ああ。」

第一俺が抜けたことでどうこうなるような部活じゃない。ただただ俺が抜けたくない。それだけのことなんだ。

「一応理由を聞かせてもらってもいいかい?」

「そんな大層な理由なんてねぇよ。抜けたくないだけなんだよ、俺が。…確かに遊びまくってるし、イラスト部らしいことしてるかっていうと全然してねぇし、あんなこと・・・・・までしてるし、いい思い出があるかって聞かれると黒歴史しか出てこない気もするが。楽しいんだよな、結構。だから、断らせてもらう。」

「……君にも断られたか。」

「何人に聞いたんだ?」

「彩以外全員だね。」

この部長さん木村先輩以外全員に聞いて全員に断られたようだ。

「……そうか、まあいい。一つだけ忠告だ。今のような無茶を続けるな。」

「多分無理だな。イラスト部は裏の活動は続けると思うぞ?」

「…承知の上で言っている。だが、そんなことを続けていれば……」

「続けていれば?」

「………いや、何でもない。」

「…俺が納得するとでも?何だかんだ言って俺もイラスト部なんだぞ?そんな気になることを言われて‶はい、そうですか。”で終わるとでも?」

「……そんなことをいつまでも続けていればいつか分かるだろうね。」

「………そんな事を言われたら余計に続けるぞ?」

「……どうせ続けるだろ?」

よくお分かりで。

「フッ、またな。」

「ああ。」

俺は美術部部長が出ていったのを確認すると、部室に帰り(とっくに全員帰っていた。)出ようとすると、下足がすっかり閉まっていた。教員用の下足から出ることにした俺は先生に見つかりそれから30分ほど説教をくらうことになった。


あのハゲ、るっせえな………。


あのハゲの顔を思い出しイライラしながら石をけった。


*********


君たちがそれを続ける限りいつかたどり着いてしまうだろう。

その時君たちはどのような反応をするのだろうか。

君たちはどう思うのだろうか。

君たちはどのようなことになるのか。


だがもし君たちが立ち向かうと言うのなら出来うる限りの協力をしよう。


君たちが立ち向かえればの話だけれども。


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