イラスト部 ゲームは楽しもう
イラスト部ルールその拾伍 ゲームは楽しめ
「これがルールでいいのか?」
三回戦
今までの全部見れてねぇからな。今度こそ見てやる。三度目の正直ってやつだ。
「私ね」
そう言って前に出る。
「ごめんなさいなのです」
「どうして謝るのかなっ?」
夢田がすっと前に出て聞く。
「毎回毎回こっちが……というより部長がふっかけてるからな。こちらとしても謝っておいた方がいいかと思って」
「構いやしねぇよ」
「…………彩も…………楽しんでる、から」
「未玖も必死なのです。なんだかんだ言って未玖は負けず嫌いなのです」
「見れば分かんだろ」
「確かにな。しかし部長もいい加減にしてほしいんだがな。来週に出す絵まだ出来てないというのに」
「大変だねっ。でもどっちの部長も楽しんでるしなぁ……」
確かにその通りだ。あの人は基本的に楽しいことが最優先だし。めんどくさいこと、嫌いなことを自分からやるようなタイプではない。
まあ否定しそうだがな、どっちも。
「ん」
しっかし本当にあの二人はここまで勝負に固執するんだか………あの二人だからこそかもしれないが。
「けど、どうしてあの二人あんなに仲が悪いんですか?」
「知らね、俺が入った時はあの状態だった」
「彩夏も彩夏も!!」
「私もだ」
俺達二年生が入った時もう美術部とイラスト部は仲が悪かった。いや、美術部とイラスト部と言えば語弊を招く恐れがあるな……言い換えておこう。美術部部長と木村先輩二人の仲が悪かったのだ。他の人たちはそうでもないから多分というか、十中八九というか、99.9%ぐらいの確率であの二人が原因だ。誰もがそう思うだろ?俺もそう思う。
「福谷先輩何でですか?」
「…………言えない」
「どうしてなのっ?」
「あまりにも……やっぱり言えないのです」
「ん」
「何があったんだ……」
この調子を見るとあまりにもやばいことか、どうでもいいことかどっちかだろうなぁ。前者だったらいいなー、後者じゃなければいいなー。
そんなことを話していると、横から控えめにつんつんとつついてきた。
「あ?どうした、中井。」
「おわったよ?」
「ん?そうかそうか終わったか……ん何ィィィィィ!!!」
「えっ?!何々?」
「いきなり声をだすな」
「…………本当」
「うるさいです」
また見れませんでした。
マジかよ、見たかったのに。なんでこいつらはこう話してくる訳?!俺、見たいの!特に木村先輩のだろ?!絶対面白い感じになってたんじゃね?そう思うと余計に……と言うかなんて言うか。
今日、俺なんか悪いことした?何でここまでことごとく見れねぇわけ?いやでも、ホントさ……
そんなことを考えていると、福谷先輩に何故か叩かれた。
「っつ。何すんだよ、福谷先輩」
「…………もういい」
「だから何で分かんだよ!!」
「あれ光君気づいてなかったの?時々声にでてるんだよ?」
「……え、マジ?」
「うん。マジ!」
「っち」
「今誰か舌打ちしたよなぁ!?」
「面白いので誰も言わなかったんです」
「おい面白いってなんだよ」
「そのままの意味だ」
「お前も気づいてたのか!!」
「多分あなたと結構いる人なら気づいていると思うのです」
「ん」
「ほー」
つまりあいつは気づいていたって事か。今度覚えとけよ、思いっきり仕返ししてやる。
「うわー、何か黒いオーラが出てる気がするよっ!」
「…………かわいそうに。…………あの子私たちの言うこと…………守っただけなのに、ね」
「お前らが原因かァァァァ!!」
「あ、ちなみにそれを本人に言ったのは私だ」
「そっちの方が面白そうだったのです」
「ふざけんなァァァァァ!!」
「キャー、ヒカルクンガオコッター」
「コワイデス」
「完璧な棒読みだな」
「だね」
「ちなみにいきなり怒るのはカルシウムが足りないからなのです。だからこれどうぞなのです」
そう言ってどこからか牛乳パック(1ℓ)をだす。
どう反応しろと?つーかそれどこから出した。
「じゃあ」
次に出したのはいちごミルク(もちろん1ℓ)。
何がしたいんだ?この人。っていうか牛乳が別に不満だった訳じゃねーよ。
「一気なのです」
その言葉に対し全員が無言になる。
っていうか……
「飲むかァァァァァァァ!!」
とりあえず全力で断っておいた。
だからそれ何処から出したんだよ。つーか何で学校に持ってきてんだよ!!
ちなみに木村先輩は勝っていた。
まあ、当たり前かもしれないけどな。




