第96話 【ドラゴラス】
ハイデーモン討伐後俺達は更に魔界の中心へと向かっていった。
魔界の中心…いや、魔王の力が増していくたびに大気中の魔力も増加する。それによって、モンスターの強さが段違いに上がっているような気がする。いや気のせいではないな。
あの噛ませ犬のごときハイデーモンの…名前は何か忘れたが、あいつでさえ七天大魔王のゼルガルと互角ではあったはずだ…
まぁ勇者達の固有スキルなんかで何とか抗っているが、時間が経てば経つほど勇者達の固有スキル&成長倍率程度では追いつけなくなるだろう。そんな時にドレイクのような特殊系の敵が現れたら、全滅か…
俺は後ろを振り返り勇者達に警告した
「こっからは少々急ぎながら攻略していくぞ」
「なんでですか〜?」
「魔王の力が増していき、遅く攻略していたら雑魚モブでさえレベル1000は超える羽目になる。そんな奴等に俺含めお前らは抗えるかという問題だ。先程の悪魔でさえ七天大魔王序列1位と互角だぞ?」
「確かに…やばくね?」
勇者達がざわざわし始めた。
今は回復役で支援に回っている勇者なんかで大抵の人は死なずにいるが、その支援系の勇者が真っ向から狙われ死んだら…勇者達は次第にどんどん減っていくだろうな。
テラミルワームの時に6人勇者を失ったのが結構痛いな
そんな時に上空から黒い巨大な影が舞い降りてきた。
バサッバサッと翼を羽ばたかせる音が聞こえる。そのせいで土が舞い上がって中々本体が見えない。
その巨大な影が完全に羽ばたくのをやめると全貌が見えた。
「ドラゴンッ!」
ドラゴンと戦うのは魔界に入ったとき以来か
「政宗先生…あのドラゴン魔界竜ドラゴラスで魔界の魔力吸収に長けているらしいです!レベルは500です!ドレイクと同等の強さ…!」
な!あのドレイクとだと?流石にドレイクみたいに幻覚作用は持っていないと思うから、そこまで手強くないと思うが用心せねば
「政宗先生は、手を出さないでくれよ。俺達だけでこいつは片付ける」
竜牙が俺達の前に出た
「わ、わかったが大丈夫か?」
「今の俺達はな…めちゃくちゃ強い武器とドレイクのゾンビ討伐とパーティ経験値ボーナスみたいなので馬鹿みたいにレベルが上がったんだ。レベル500程度、全員で協力したら余裕で粉砕できる。というか、できないと困る」
そして、固有スキルの真竜化を発動すると、頭から黒い角が生える程度で終わった
「これが、俺が身につけた技。真竜化の変身で毎回服が破れないように角だけ生やしたモードだ。実力は変わらん、しかも俺は融合率90%にまで上げられるようになった」
「いくぜ!?」
そう言うと竜牙は口を開き、「真実之息吹!」と叫びながらそこから紫色の光線を放った。
それは魔界竜ドラゴラスに直撃し、直撃した場所からは黒い血が流れ出てきた。
ドラゴラスは後ろに少し後退し、口からは竜牙と同じ色のブレスを放った。
それは直進し竜牙に直撃すると思ったが目の前で6つに分かれ、後ろにいる俺達のほうへ向かっていった
「なっ!」
竜牙は驚き後ろを振り向いた隙にドラゴラスが翼を使い左方向の巨大な岩へ吹き飛ばした。
ドラゴラスの6つのブレスは俺達に直撃しそうだったので、俺が防御結界を展開しようとすると結衣が固有スキル【神域結界】を発動し、ブレスから完全に守護した。
すると後ろにいた楓と琴音と千尋が謎の儀式をすると、VSイフリートで見た白を基調とした聖霊王マグニエットを召喚させた。
「今のこいつの推定レベルはね!ドラゴラスを超えるレベル520なのよ!」
「いけー!マグニエット!」
5mもの高さのある聖霊王マグニエットはドラゴラスに向かって走り出し、ドラゴラスの腹に向かってパンチを仕掛けた。
その拳で1回しか殴っていないように見えたが、5回ほどドラゴラスを攻撃し腹に大きな凹みを作った。
「どうよ!これが私達の最強モンスターなんだから!」
琴音がそう叫ぶ
ドラゴラスは右腕を剣のように変形させるとドラゴラスの膝辺りにそれを突き刺し、左右にグリグリするとドラゴラスの膝から下は完全に足から切り離された。
辺り一面は黒い血の海となっていった。
そんな時にマグニエットの攻撃を無視するかのようにドラゴラスの顔面に青色の息吹が振りかかる。息吹来た方向を見ると、吹き飛ばされた竜牙が翼を生やし空中に浮かんでいた。
「ちょっと!何じゃましてんの!」
「別にいいだろ?最初に攻撃したのは俺なんだから!」
青色の息吹が吹きやむとドラゴラスの顔面は完全に消失し、脱力した死体がその場から倒れた。
「す、すげぇお前ら成長したな」
俺は感嘆の眼差しをマグニエットと竜牙に向ける。
空中に浮かんでいた竜牙は羽ばたきながらこちらにゆっくりと近づき、地面に着地すると同時に翼をしまった
「今の凄いでしょう?政宗先生、今のは俺が命名した|超真実之息吹《Super・True・Bless》って言うんですよ。こりゃあ政宗先生を超えるのは時間の問題だなぁ」
少々生意気な事を言っているが、これは実際に凄い。四天王戦以前は七天大魔王序列3位以下ほどの実力の者達が短期間でここまで強くなるとは…
「よし、先に進みましょう!」
俺達は巨大なドラゴラスの死体を避けながら魔界の中心へと進んでいった




