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第95話 【崖】

俺達は出口の光の方向へと向かっていった。その先には一個の魔法陣が展開されていた。


「これ、大丈夫な奴か?」


俺が指差しながら言うと蒼真が「大丈夫そうです!」と言った為俺は魔法陣の上に立った。すると魔法陣が作動し先程までの空間とは違い巨大な庭園と屋敷が目の前にそびえ立っていた。


「うぉ〜こんな所があったのかよ」


俺は周囲を観察しながら適当に歩いていると勇者達も転移してきた。

転移してきた勇者は全員目を丸くしながら屋敷の方を見つめる。


俺は屋敷に近づき、屋敷の中央にある高さ4mほどのドアをこじ開けた。


「新しい主様、お帰りなさいませ」


ドアの目の前には真っ赤なカーペットが敷かれ左右にメイドや執事が立っており、中央には白いひげを生やし白い手袋、黒いスーツを着たダンディな執事が右手を左胸に当てながらお辞儀をした。

後ろから勇者達も「なにこれ!すっげぇ!」と言いながら近寄ってくる


「ここは、前の主…というとドレイクの屋敷なのか?」


「はい、そうです。今はドレイク様は亡くなったので、ここの主は貴方様です」


これで、屋敷を持つのは二回目か?だが、この屋敷は使うことはないだろうな。魔王討伐後にでも使う可能性はあるが…


「何か俺達の戦闘力を増やせる物はあるか?」


せっかく屋敷を手に入れたのなら、俺達を更に強くする武器達が必要だしな!


「それならば、武器庫がございます。ご案内いたしますね」


「え!?やっと俺達にもかっこいい武器が手に入るようになったのかよ!」


勇者達もざわざわしている。


そして、俺達は武器庫へと向かった。




「こちらでございます」


執事が案内した方へ向かうと巨大な鉄のドアで武器庫の入り口は作られていた。

俺がそのドアを押すと中には金銀財宝が広がっていた。



「なんだこりゃあ?」


「こちらは前の主様であるドレイク様が集めた金や武器、アーティファクトなどの保管庫でございます」


「まぁ実質武器庫みたいなもんか」


勇者達も目を輝かせながら武器庫に入り周囲の金銀財宝を見ている。


「うん?見てるだけじゃなくて、早く武器でも使ってみな」


「え!いいんですか!?」


「別にこの屋敷で主様って俺は呼ばれているらしいが、ドレイクを倒したのは俺じゃなくてみんなだろ?全員主様だよ」


「よっしゃぁ!」


先程まで遠慮していたのだろうか?宝箱を漁る子供のように武器を取り始めた。


「うわぁ!これすっげぇ!邪竜の無双剣だってよ!」


「なんじゃこりゃ!大賢者の破邪の杖!?」


「ぜ、全自動射撃機!?」


いろいろな武器が出てきているようだな。俺は剣生成や弓生成があるから、こんなのは無用だが…

と、こ、ろ、で幻獄のオーブを誰に渡すかについてだが、正直言って渡す人は一択だ。

俺は一人の人物に近づき、幻獄のオーブを渡した。


「彩葉、これを頑張って使いこなせよ!」


「えっ!?わ、かりました」


恐らくこの幻獄のオーブは対象者としか書かれていないため、自分自身にも幻覚作用を起こすことができるだろう。それを幻覚と感じない精神操作や思考操作技術を身につければ彩葉は勇者のなかでトップクラスに強くなるだろうな


というか、今思ったのだが、この武器庫の中身を全て空間ボックスに入れればいいのでは?


「おーい!皆!お前ら自分の好きな武器やら何やら見つけたら、この武器庫から出ろよ」


「全員出たの確認したらここら一帯をアイテムボックス内に入れるからな」


「いいよな?」


俺は執事の方を振り向いた


「はい、ここの主様は貴方様なので」


俺は許可も貰った為、勇者たちが自分の武器を探すまで待った。



およそ30分後、全員が武器庫から出た為俺は武器庫全体をアイテムボックス内にしまった。アイテムボックス内は金や武器で埋め尽くされた。


「いやっふぅ!」


俺は久しぶりにテンションが上がった



「よし、執事さん!ありがとうな。俺等は今から外に用事があるから最後に外への出方を教えてくれないか?」


「あぁ…もう行ってしまうのですね。分かりました、ご案内いたします」


執事やその他メイドが少し悲しそうな顔をしたが、まぁ仕方ないよな


俺達は執事の後ろについていき、この幻の迷宮外へ出る巨大な魔法陣へと辿り着いた。


「では、主様…帰ってくるのを私達は永遠と待っています」


「おっけぃ」


そう別れを告げて俺達はその魔法陣を使い幻の迷宮の外へと出ていった。

外に出ると、幻の迷宮よりもはるかに高い絶壁の頂上に立っていた。地平線の彼方に幻の迷宮がギリギリ見えるぐらいだが、転移陣を使わずにここに登るのは考えたくもない


「ひゃ〜これ標高何メートルだぁ?」


「鑑定によれば、7kmは超えるらしいです」


「7キロって…あと1.8kmぐらいでエベレストと同じ高さじゃねぇかよ」


「ちなみに魔界の中心付近は全てこの標高らしいです。またここから更に山などもあることから標高13kmを超えることがあるらしいです」


「魔界怖っ!酸素バカ薄いやん」


そんな事を話していると一人の老人が声をかけてきた。


「あんたら…黒いローブを被っていてもわかってるよ。人間だろ?」


なっ!正体がバレただと!?なぜ!


「知らないのかぁ…ここから大気中の魔力がどんどん濃くなっていくんだぜ?お前らが纏ってる魔力は少なすぎてすぐバレちまうよ!」


「せっかく、この絶壁を踏破したのにここで死ぬのは可哀想だなぁ!」


すると老人の身体はボコボコと音を立てると、服を突き破り赤い肉体に黒い角を持った悪魔が現れた


「俺の名はぁ!ハイデーモンのブレント…一捻りしてやるよ、人間」


俺達はもう着る必要がないローブを脱ぎ武器を構えた。

俺が斬撃を放とうとすると後ろにいた恒一が現れた。


「政宗先生…俺はもう負け続けるのは飽きました」


そう恒一が言うと剣を構えた。


「俺の剣神の力見せたるわ!」


「政宗流剣技一の型」


何!こいつこれをコピーするのか!?だけど、複数個のスキルを使うから精神が持つのか?


「オリジナルよりかはスキルを介さないため威力は弱いが、精神負荷は少ない。いけるぜ」


するとハイデーモンが挑発するかのように指をクイクイやっている。


「コピーはしたが…集中せねば…」


恒一がそう言った瞬間、瞬時にハイデーモンの全身を切り裂きハイデーモンの背後に立っていた


「こ、小僧!何をした?」


ハイデーモンは体全体が細切れになり、ドシャッ!という音を立てて地面に肉片のみ落ちていった。


「す、すごい!あのハイデーモン…レベル350はあったのに!」


蒼真がそう興奮気味に語る


「あの弱さだったら普通の剣術で良かったな。政宗先生…技は借りましたよ?」


「おう!存分に使え」


その後は俺の技についてだったり、皆が装備した武器はどんなのか談笑しながら歩いていった

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