第94話 【ドレイク戦-下-】
ボフッ
そうなった。俺は目の前を見ると彩葉が直立不動となっている。ドレイクは今に自分が死ぬことも知らぬ顔でゲラゲラと笑っている
「ケケケケ!最強も今に殺せるぜ!」
ドレイクは急激にこちらに近寄り彩葉の首元を狙おうとする。
俺は超過負荷を発動している状態で彩葉の後ろからにゅっと現れドレイクを横から殴った。
ドレイクは衝撃から闘技場の壁まで叩きつけられた。
「なんだぁ?さっきと威力が段違いだなぁ。もしかしてぇ」
ドレイクは舌を出し下唇を舐める
「あの女をおとりにぃ俺を殺す気だったのかぁ?」
俺は何も言わずにドレイクに近づいた。
「お前はぁ幻覚耐性を手に入れたんだよなぁ?俺が幻獄の聖魔と呼ばれてるぅ理由をぉ…教えてやるよぉ!」
ドレイクは手をかざし、手の先から紫の光が放たれた。
俺はそんなの関係なしにドレイクをぶん殴る。だが、ドレイクはそこから居なくなっていた。
「どこいった!?」
「政宗先生!あそこです!」
蒼真が指さした方向を見ると彩葉とドレイクが対等に渡り合っていた。
「いや、これはおかしい!罠なんじゃないのか!?」
俺は幻覚を疑った。あのドレイクの言葉…もしかすると!
俺は「これは幻覚だ」、そう自己暗示したが何も起きない。
「これは現実なのか?」
周囲を見渡すと骸骨ではなく普通のオークやドラキュラ、フランケンなど様々なモンスターがいた。
「な、何が起きている!?」
俺がそう叫ぶと周囲のモンスター達が答えた。
「何ってお前らが新しい挑戦者でドレイクと戦っているんだろ?俺らはそれを観戦していたんだよ」
「は?お前らじゃなくて骸骨が観戦していたんじゃなくて?」
「何言ってんだ?」
何かがおかしい。ありえん!これは幻覚のはず…!
「おい、勇者達!これは幻覚と思うか?」
大聖女である美咲が答えた
「ドレイクの手から紫色の光線が放たれたら、こんなことになっていた為幻覚かと!」
やっぱりそうだよな。
俺が周囲を見渡すと近くにいたウルフの獣人族のおじいさんが答えた。
「あんたら、ここが初めてかい。ここはドレイクの幻覚世界の最深部…奴は通常の弱い幻覚と強い幻覚を持っているんだよ」
おじいさんが少し微笑みながら話す
「弱い幻覚は幻覚と分かったらすぐ抜け出せるが、ここはそうはいかない。弱い幻覚では幻覚を見ているもの同士で世界は共有されないが、ここは共有される。つまり…」
「ここにいるものは全員ドレイクの幻覚を見ているということか?だが、お前らはあの闘技場にいなかったはず…!」
「言ったろ?ここは抜け出せないんだよ。幻覚から…ドレイクが解除しない限りね。例え肉体や思考が死んだとしてもここでずっといるのさ。ドレイクは肉が大好きだから、現実世界の俺達の肉体は骨になってるんじゃないのかな?そしてドレイクの魔動機によって盛り上げ部隊にでもされてるんじゃないかな」
「う、そだろ?」
あの骸骨達はここにいる奴らの死体なのか?しかもこの情報が正しいなら、俺の肉体は今ドレイクに貪り食われている!いやだが、俺たちの成長倍率があれば暴食耐性なんかもつくかもしれない!
「兄ちゃん、スキルがあれば現実世界の君たちが何とかしてくれるなんて思っていないかい?」
「なんでそれを?」
「あいつの幻覚は特殊でね。幻覚内に魂を固定するんだよ、つまりスキルやステータスなんかも幻覚内にしか適用されず現実ではレベル1相応の耐久度になってるだろうね」
「だから現実で死んだようなものになっていても、お前らは生きているのか…」
「ま、あきらめな」
俺は膝から崩れた。これは負ける運命しかのこっていない…
なんだよ、それ…不可避の幻覚作用とか。
だが、その時彩葉がドレイクを倒していた。
「はぁはぁ…これで現実の奴も…」
「ねぇちゃん!あんた残念だな!幻覚のドレイクの野郎を殺しても何も意味ないぜ!」
そう周りは嘲笑する。正直言って彩葉の幻想支配の効果がどんなものか詳しくは分かっていない。彩葉自身も分からないだろう。
そんな時蒼真が叫んだ。
「彩葉!脳で今の場面を完全再現して!そしたら、魂がそれを本物と勘違いして現実に適用されるよ!」
そう言うと、彩葉は目を瞑った。その時、この深層世界は崩壊し始めた。
周りのモンスター達も皆慌て始める。
「なんだなんだ!?」
「ドレイクでも死んだのか!?」
闘技場全体が揺れ、俺の目の前の視界が一ピクセルずつ崩れ始めた。
その崩れる速度は速くなり、ついには俺の目の前には暗闇が広がっていった。
そして、俺の視界の暗闇の中心から光が差し込み虫の息となっているドレイクと下半身がなくなり内臓が露出している俺のグロテスクな肉体が見えるようになった。
「うわっ!」
俺が叫ぶとオートヒーリングが適用され始め、肉体が完全再生した。
「何がぁ!怒ったなぁ!?せっかく肉体を食べてたのにぃ!」
ドレイクが鬼の形相でこちらを見てくる。
ドレイクの肉体は足先からどんどん崩壊していく。再生能力など適用されない深層的な破壊…そう魂の破壊だ。
「彩葉ナイス!」
俺は後ろを振り向き、彩葉に向かって右手の親指をぐっと上げた。
そして、ドレイクに目をやるとドレイクが鬼の形相でこちらを見ていた
「覚えてろよぉ!覚えてろよぉ!」
「次があるかな?彩葉が優秀すぎたな」
「クソぉ!!!」
最後にドレイクは指先から紫色の光を放ったが、俺に届く前に消えていった
「ちくしょうぅぅぅ!」
ドレイクの足先からの崩壊は顔にまで到達し、跡形もなく消えていった。
俺は後ろを振り向き、勇者達に「勝ったぞぉぉぉぉ!」と手を掲げて伝えた。
「おぉぉぉぉ!」
と勇者達も共に勝利の雄叫びをした。
「今回のMVPは彩葉!と蒼真と……みんなだぁぁぁぁぁ」
「いえぇぇぇ!」
俺達がそう言うと、魔動機が停止したのか骸骨がガラガラガラと崩れていった。
俺達は闘技場の出口のような所の檻がなくなっているのを見て、そこへ向かった。
中は少しジメジメとしており、全て岩石で構成されている道が続いていた
「『なんか本当のラスボスは私だぁ!』とか言って新しいの出てきそうじゃない?」
そんな会話をしている所が勇者達の所から聞こえてくる。俺は先陣を切って前へ前へ進むと小さな空間の真ん中に宝箱があり、その向こう側から光が差し込んでいた。
「開けてみるぞ?」
俺が後ろを向き、勇者全員が静かに頷いたのを見て宝箱を開けた
その中には少し濃い緑色の丸いオーブが一つ置いてあった。
「おーい蒼真!」
俺がそう言うと勇者の中から蒼真が出てきて早速そのオーブに鑑定をした。
「えーと内容は、『幻獄のオーブ、効果として対象者を幻覚に陥れる事が可能。対象者がこれは幻覚だと認識すれば解除される。追加効果:幻獄のオーブの効果を全て消滅させるかわりに対象者1名を魂ごと幻覚内に閉じ込める』って書かれていますね」
「ドレイクの弱体化バージョンみたいだな。これを渡す人はここから出てから考えよう」
そうして俺達は宝箱の先にある光が差し込んでいる出口へと入っていった
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**ドレイク戦全体のレベルアップ**
レベル396→503
精神力UP
【新規取得】
常時型上級スキル:
・幻覚耐性EX:幻覚に対する耐性を取得。耐性強度に+[Lv*1000]%
・肉体乗算EX:全ステータスを×[Lv*10]する
任意型上級スキル:
幻影之真実斬:[Lv]に相応した幻覚内の攻撃を現実に君臨させる。
無意識射撃:相手の意識をすり抜けた射撃し相手のステータスやスキルの効能をほんの少し吸収する。精度は[Lv]相応
■常時型上級スキル
肉体覇王(9)→肉体覇王(43)
剣神(10)→剣神(89)
万象魔導(8)→万象魔導(50)
超越肉体(6)→超越肉体(37)
究極弓聖(10)→究極弓聖(63)
成長加速(51)→成長加速(102)
拳神(58)→拳神(67)
幻覚耐性EX(1)→幻覚耐性(137)
オートヒーリング(30)→オートヒーリング(79)
フィールド(93)→フィールド(13.5K)
シールドブースター(16)→シールド・ブースター(5870)
超フィールド(136)→超フィールド(3037)
肉体の頂点(2)→肉体の頂点(313)
威力ブースター(89)→威力ブースター(23.76K)
■任意型上級スキル
連撃斬(22.1K)→連射撃(16M)
剣生成(11.6K)→剣生成(963K)
瞬撃(19.9K)→瞬撃(1.36M)
空気の如き肉体(14.1K)→空気の如き肉体(773K)
過負荷(16)→過負荷(2370)
連射撃(21.7K)→連射撃(13.6M)
弓自動生成(2960)→弓自動生成(912K)
聖竜降臨(15.6K)→聖竜降臨(5.63M)
超過負荷(10)→超過負荷(169)
■融合スキル
賢者(390)→賢者(1.63M)
剣聖(509)→剣聖(2.66M)
2つを制し者(301)→2つを制し者(1.12M)
解析(13)→解析(11.16K)
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