第92話 【ドレイク戦-上-】
俺達は闘技場のような場所に行くと、闘技場周辺の観客席は骸骨で覆い尽くされていた。
「久しぶりの挑戦者だぁぁ!」
「しかも大勢いるぞ!?」
骸骨達が大声で叫んでいる。そして俺達の前方の砂が渦を巻き始めた。俺達全員は警戒姿勢を取り、攻撃態勢に入る
「主様のお出ましだぁぁぁぁ!!」
一人の骸骨が大きい太鼓をバチで叩く。周囲には鈍い音が轟く
それと同時に砂の渦からは全体的に黒い腐食が進み黒いマントを羽織っているゾンビが出現した。
恐らくこいつが四天王の一人幻獄の聖魔ヴァルナ=ドレイクなのだろう。
俺は颯爽と剣を取り出し、勇者達の前では初となる政宗流剣技二の型の準備をした。
「政宗先生!最初から手加減は必要ないッ!ということですね」
俺は呼吸を整え剣生成による剣の作成×連射撃×連撃斬×聖竜降臨×瞬撃により放たれる政宗流剣技二の型を放った。
目の前は光で包まれたが、大量の聖竜が流れていったことが分かる。手応えあり、四天王も大したことないな
光が収まるとドレイクは完全消滅し闘技場も二の型を放った放射線状の部分は消滅していた。
「すげぇぇぇ!新しい主のご誕生だ!!」
「一発だとぉぉぉ!」
素晴らしい!歓喜の声が素晴らしい!
だが、なぜだろうか?この違和感は…勇者の声がほとんど聞こえない。
右腕の感覚もないような気がする。
そう意識すると俺の右目は血で滲んだ
「!?!?!?」
瞬きをし、目を開けると俺の腕が宙を舞っていた。二の型を放った形跡もなし…
だが、腕が吹き飛んだとしても回復すれば…
俺の右腕の切断面はモゾモゾと肉が動くだけで一切再生されない。
俺は驚き目の前のドレイクを見るとケケケケケケとカタカタ笑っている。
「お前幻覚見てただろ?俺の攻撃にも反応できずに!無様!」
俺が何度も再生を試しても一切右腕が生えてこない。しかも先程の攻撃は幻覚だと?幻覚見てる最中に攻撃してくるのかよ!
「しかも右腕は再生しないぜ?アンデッドの王である俺の固有スキル【腐食之王】は全ての攻撃に再生不可能の特性を付与する!」
なッ!敵側で固有スキルを保有しているのは初めて見た…!しかも再生不可能だと…右腕が封じられていては二の型が使えないではないか!
しかも腕の切断面が広がっていっているような気がする。
非常にまずい!
「颯真!後ろにまわれ!俺達だけでも片付けるぞ!」
智也はそう言うと颯真は相槌を打ち背後に時空歩法にて移動した。
ボフッ
だがしかし、颯真は背後に移動したと同時に直立不動になった。
颯真が直立不動になる際にボフッという音が鳴っている!最初にここに来たときも音が鳴っていた…!これがトリガーなのか?
「おい!蒼真!あいつの詳細を教えてくれ!」
俺は後ろを振り返り、蒼真に声をかけたが勇者達全員が直立不動になっていた。
俺は残った左腕だけでドレイクに近づき、従来の火属性魔法第九階位ファイ・ア・マナから更に進化させた火属性魔法第十二階位に等しい魔術を放った。
するとドレイクは断末魔を上げながら、倒れていった。
「勝った…のか?」
いや、違う。最初のときと同じか?これは幻覚なのか?そういえば、今度は骸骨からの歓声が聞こえない。クソっ!これも幻覚かよ!
俺がそう認識すると俺は幻覚から覚め、左腕も吹き飛んでいた。
「お前はもう戦えなぁいッ!」
ドレイクは舌を出しながら忌々しい顔で煽ってくる。
「政宗先生!」
後ろから蒼真の声が聞こえる。神眼による解析が終了したのか?
「その攻撃には再生不可と腐食進行の効果があります!それらの効能によって再生不可の傷がどんどん広がっていきます!しかも奴の幻覚作用は独特の音を立てた後に対象者1名に幻覚を見せます!」
なるほど、対象者1名だけねぇ
すると、ドレイクはまたケケケケケケと笑いながらこちらを見てくる
「お前らには俺は倒せなぁい!だけど、そいつは危険そうだなぁ」
ドレイクは骨や肉がむき出しになっているゾンビの指で蒼真を指した。
すると、またボフッという音を立てると同時に蒼真は人形のように直立不動になった。
「おい、蒼真!幻覚から覚めろ!」
そう言っても蒼真は幻覚から覚めない。すると恒一が声を出した。
「政宗先生はもう両腕使えない状態だ!俺達だけでやるしかねぇ!」
そう言うと後方に待機していた美月が黒い光沢を放つ球を出現させた。
その球は前方の部分がパカっと開くと長さ5メートルにも及ぶ様々な機械が付いた銃身が現れた。
「さぁやっちゃうよ!」
智也がその球体の側面に触れ、魔法要員の乃愛、美怜、陽菜、大河、朱音、凛がその反対側に手を触れた。
そして、その長い銃口の先端には翔が立っている。
「ケケケケケ!何をする気だ?王の寛容として受けてやるよ!」
美月の目つきがキリッとすると「雪乃いくよ!」と言い、内部が赤く光り始め、それと同時に銃身についていたピストンも激しく動き始める。
その赤い光は青、黄、黒、白と変わり始め最終的に紫で止まった。
「発射ぁぁぁぁ!」
美月がそう叫ぶと超高音が闘技場全体を包むと同時に紫色の光が放たれた。
だが、ドレイクの身には何もない。
「なんだぁ?はったりかぁ?」
そう言った瞬間ドレイクの目の前に黒色の長方形の空間が出現、そこから紫色の光線が放たれた。
轟音が鳴り響き、周囲は煙に包まれる。
「お、おい!美月!今のはなんなんだよ?」
俺がそう問いかけると美月は答えた。
「智也の無限魔力炉の効能を直接銃の中心となる球に挿入した。そしてそこに乃愛の星属性魔法、美怜の光属性魔法、陽菜の自然系統の魔術、大河の超重力魔法、朱音の太陽の魔術、凛の氷結魔法を入れる。そこに雪乃自作の魔粒子という魔力伝導率がほぼ100%の超凄い粒子を高速回転させることにより、全ての魔術の術式が混在せず綺麗に集まる。その集積回路から放たれる威力を翔の影世界の解釈を広げた影世界にて周囲のダークエネルギーを吸収…ダークエネルギーを微量含んだレーザー砲をドレイクの目の前に出したって感じね」
「な、ながぁ」
だが、これに関しては凄まじいぞ!魔法の威力的にはレベル450近くの威力に匹敵するかもしれん!
「さぁどうだ!?」
周囲を包んでいた煙が消えていくと、体の中央に風穴があいているドレイクが立っていた。
「ケケケケケ!やるなぁ!これは久しぶりの感覚だぞ!」
空いた風穴がどんどん再生していく。
「アンデッドたる我にはこんな傷などかすり傷よ!」
すると後ろにいる蒼真が直立不動の幻覚から目を覚ました。
「やはり幻覚だったのか」
蒼真はそう言うと同時に解析した内容をまた述べた
「奴はアンデッドの王であるため、ありとあらゆる攻撃から再生します。唯一の打開策は跡形もなく消し去ること以外ないと思います。また奴単体のレベル自体も500程、勝つのは厳しいと思われます!」
解析しても打開策が思い浮かばねぇな。
すると、竜牙が肉体を真竜化させた。
「お前一人じゃ敵わないって」
俺がそう言うと、竜牙の肉体はどんどん真竜に近くなっていった
「俺はここで初めて真竜への覚醒率80%を超える!」
そう言うと肉体全体から黒い鱗が生えてきて、身体も前傾姿勢になっていった。
お尻の方からも尻尾のようなものが服を貫通して伸びていっている。
全体的な印象としてはリザードマンよりもドラゴンらしい…ドラゴンになりかけのトカゲのようなものであった。
「蓮司!行くぞ!」
蓮司は最大限に高まった自分自身のステータスを見て覚悟が決まり竜牙と共にドレイクへ近づいていく。
「なぁなぁ?お前らぁ勘違いしてないかぁ?」
そんなことをドレイクは言っているが、無視して近づき右の懐から竜牙は口からドラゴンの漆黒のブレスを放ち、蓮司は左の懐から胴体を斬りつけた。
だが、次の瞬間2人ははじけ飛ばされていた。よく見ると胴体に傷がついている。
「基礎スペックはぁ俺の方が上なんだよ?」
やはり、レベル500に加えて厄介な能力…強いな。そう警戒していると、いつの間にか俺の両腕の腐食が首元まで近づいてきている。
そこで、俺は大胆なアイデアを思いついた
「やるしかないか」
俺は、首に向かった魔法陣を展開し魔法を放った。
「ケケケケケ!気づいたか!」
俺の首は宙を飛ぶ。そして俺のオートヒーリングが発動され、脊椎が再生された後に肋骨などのほかの骨も再生され臓器、筋肉、脂肪、血管、皮膚など全てが再生されていった。
「初めて全身の再生やってみたが、顔中心に始めるんだな」
俺は首から再生した為、真っ裸だった。俺は雪乃に服を作ってもらいそれを着た
「やっぱり、貴様がぁ一番強いなぁ」
ドレイクは俺の方に指を向けた。どうせ幻覚でも見せるのであろう
「それは、効かないぜ?」
ドレイクは幻覚を俺に向かって放ったが、俺は少し目眩がした程度に収まった。
勿論あのボフッという音も聞こえない。
「ひぃ!なぜ!?」
「もう幻覚耐性を身につけちまったんでね」
さぁ!ここから反撃だ
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【新規取得】
常時型上級スキル:
・幻覚耐性EX:幻覚に対する耐性を取得。耐性強度に+[Lv*1000]%
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