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第89話 【獣王】

モダンな家に戻ると、周囲のいろいろな場所から戦闘音が聞こえてきた。また、一番近いところだと斬撃も確認でき相当激しい戦闘をしているということがわかる。


「お前らは…魔力も枯渇しているから、ここで一旦休め」


俺はそう4人に伝え、モダンな家で休息を取らせた。俺は誰がどんな七天大魔王と戦っているのか見るために一番近くで戦闘をしている所へ向かっていった。


一番近くの戦闘を物陰に隠れながら観察した。戦っているのは勇者のなかでも強い部類の恒一、蓮司、海斗、竜牙だった。対する相手は筋骨隆々のライオンがベースの獣人だった。


「やるな、お前ら。4万年前でも最強者として君臨できただろう。だが、俺に出会ったから死ぬしかないぞ?この七天大魔王序列1位である双剣の覇者、ゼルガルに出会ったが最後。生首しか転がってないだろうな」


ゼルガルは余裕そうな表情を浮かべるが、勇者4人は勇者の中では強い部類ではあるが全員疲弊していた。

そして、ゼルガルは2つの双剣を構え螺旋を描きながら4人の勇者を同時に攻撃し始めた。その猛攻に恒一は何とか耐えているが、他3人は防御が取れていない。


「だ、大丈夫か!?」


剣と剣がぶつかり合う金属音と恒一の声が混ざり合う。

プラチナムですら、勇者達全員でかかって勝てるか怪しい。そんな中での序列1位との戦闘か…もう少し強化させたほうが良かったかな。まぁ俺が強化させなかったら瞬殺だし、こんなもんか…?


「俺のウォータードラゴン現る!!」


海王支配を保有している海斗がそう叫ぶ。するとゼルガルの足元から全て水で作られたドラゴンが大きな咆哮をして空気を震わせながら出現し、ゼルガルを捕食し上空へ舞い上がっていった。

海斗やほかの勇者が安堵の顔を浮かべるが………ウォータードラゴンは無慈悲にもみじん切りにされ、中から無傷のゼルガルが現れた。


「こんなしょぼい技使うなよ」


ゼルガルは地面に着地し、不気味な笑顔を浮かべる。


「お前ら…飽きたわ。おい、そこにいる奴出てこい」


ゼルガルは俺が隠れていた木の方を指差した。俺は仕方なく木から出た


「政宗先生!」


勇者達は助けを呼ぶかのように俺の名を呼んだ。


「最後まで見ようと思ってたんだけどなぁ」


俺は体をリラックスした状態でゼルガルのほうへ歩いていった。ゼルガルは双剣を構え


「やるぞ」


と、言った瞬間ゼルガルは姿を消した。ここまではいつも通り、さぁどこから現れる?


「天牙一壊!」


そう背後から聞こえた。スピード的にプラチナムの高音からの移動速度よりかは遅いか。

俺は瞬時に後ろを振り向きプラチナムにも放った【火属性魔法第九階位ファイ・ア・マナ】を放った。

その神炎はゼルガルを吹き飛ばし、見上げるほどの爆発が発生した。


「なっ!?」


勇者達は驚愕の顔でこちらを見てくる。

ゼルガルはその後爆炎の中から肩についた埃を落とすかのように肩に残った炎を消した。


「なぁお前本気出してないだろう?お前の身体からプラチナムの匂いがする。そのプラチナムを殺した技を打ってくれよ」


ほぅ…獣人だから鼻が利くな


「すでに七天大魔王を倒してたんですか!?」


勇者達が目を見開きながら聞いてくる。俺は「既に3人倒している」と言った後にゼルガルのご要望通りプラチナムを倒した技、政宗流剣技一の型を放った。勇者達は見るの初めてかな?


そして、その速度にゼルガルは驚愕しながらもプラチナムでは成し得なかった防御というのを行った。流石は序列1位なだけある。


だが、ゼルガルは防御をしたのはいいが防ぎきれず口から血を吐き出した。


「グフッ…ゴブッ」


ゼルガルは吐血し口周辺についた自身の血を腕で拭った。


「今のはお前の絶技か…だが、あれ程の攻撃だとお前は疲弊しているだろう。ここからは俺の反撃だ」


ふむ…あれなら何回でも放てるのだがな。しかも最近手に入れた【3種の連撃】を使えば何回も同時に同じのを放てるぞ?


「『ここからは俺の反撃だ』などと言っているが……あれなら何回でも放てるぞ?」


「はったりだな」


そうゼルガルは言うと、先程の吐血が嘘のような速度で俺の方へ向かってきた。


「極・獣王化!」


そう叫ぶと声が図太くなり、筋骨隆々の肉体は更に筋肉が膨張し更にライオンっぽくなっていった。


「俺の全てをここに賭ける!絶・神獣双剣破邪之斬!」


俺は磨き上げられた剣術を使い政宗流剣技一の型の威力が分かれる打撃のような技から更に攻撃を圧縮し斬撃も重ね、そこに更に3種の連撃も加えた。それこそ必勝必殺の一撃…この技に番号を付けるとしたら【政宗流剣技一・五の型】かな?


ゼルガルは双剣から緑のオーラが出始め、そのオーラの奥からはうっすらと様々な動物が見えた。そんなゼルガルの絶技に比べて俺の技は本当にシンプル。斬撃を超圧縮した上での超加速。


その両者の一撃が衝突し煙が辺り一面を覆う。煙がどんどん退いていくと大地が横一直線に切り裂けていた。


「じ、地面が…!」


「いや、地面だけじゃないぞ!上を見ろ!」


そこには先程まであった雲々が大地が切り裂けた後と対応するように消滅していた。


「こ、こ、こんな、化け物の戦いについていけねぇよ…」


そう海斗が言う


「と、ところで!政宗先生!どうなったんですか!?」


竜牙が正面衝突し、ゼルガルの後ろに回り込んでいた政宗先生に声をかける。政宗先生は剣をしまいながら勇者達の方へ向き親指をグッと立てる。

その瞬間に立っている状態のゼルガルが縦に真っ二つになり、2つに分かれた胴体が地面に倒れている時に臓物などがボトボトと音を立てながら落ちていく。

そんなグロテスクな状況を見て勇者は精神を落ち着かせるように深呼吸をしていた。


「よし、次行くか。お前らは家に帰って休んでいていいぞ?疲れているだろうし」


勇者達は圧倒的力に恐怖を抱きながら政宗と会話をせずに歩き始めた

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