第88話 【イフリート】
俺はプラチナムを倒しレベルがついに300を超えた。レベルアップしたステータスを眺めた後に4万年前の俺と似ている人物について聞くのを忘れたことを思い出し、火山口から脱出して次の七天大魔王がいそうな場所へと向かった。
「大体の目星としてはあそこか」
俺は火山地帯の真反対にある氷雪地帯へと向かった。モダンな家に通りかかったが、流石にもう勇者達はパーティーを組んで七天大魔王探しへと向かっていた。
氷雪地帯につくと、凄まじい雪が激しく降っていた。雪は1mは余裕で積もっているかな
氷雪地帯には山などはなく、雪が積もっているだけの平坦な場所が永遠と続いている。そんな中人影が見えた為、走って向かうとバカでかいゴーレムでだった
「モンスター…か?」
ゴーレムは後ろを振り向くと、両手で何かを包んでいた。
普段挑戦の間以外でモンスターは沸かないというのになぜこんなところに?
「あ!政宗先生じゃない!」
ゴーレムが両手を開くと勇者である千尋(契約神)、乃愛(星辰魔導)、琴音(星霊召喚)、楓(精霊王契約)が4人その手に包まれて座っていた。
「そのモンスターはなんだ?」
俺は雪が顔に当たらないように手を前に出して雪を防ぎながら質問した。
「このモンスターはね、琴音ちゃんの星霊召喚から召喚された氷属性の星霊だよ」
「おぉそうか」
「政宗先生も中にはいる?」
「頼む」
氷属性の星霊がかがみ、俺も手の中に入らせてもらった。
「おぉ風防げるだけで結構違うな」
俺達はその後5分ほど歩くと、あたり一面雪な氷雪地帯では不自然なほどにまた石の祭壇が立っていた。
「あれの上にある赤いボタン押したら七天大魔王が出てくるからよ」
俺は四人にそう呼びかけ、一人氷属性の星霊から降り、一人で石の祭壇の目の前に立った。そして、なんの躊躇もなくボタンをポチッと押した。
その瞬間、周囲の雪が一気に蒸発し雪が消えた。
琴音の氷属性の星霊もその熱によって瞬時に溶かされてしまった。
「熱っ!」
俺は熱耐性があるから、大丈夫だか4人の勇者達はその熱さで悶絶し始めた。
俺は結界魔法で遮熱性がある結界を勇者の周りに展開し、なんとか死にそうだった勇者は救えた。
そして、蒸気による煙が消えるとこの熱の張本人が見えるようになっていった。
体全体に炎がまとわりついて、肌の色は褐色色、瞳は赤色の存在であった
「俺の名前はイフリート…七天大魔王だ、貴様は俺の温度に耐えられるのか。後ろの女共よりは強そうだな」
パッと見の実力的には大丈夫だから、経験を積ますためにもあの勇者達と戦わせたほうがいいのか…?
「何をもたもたしている?」
イフリートは拳に炎をまとうと、それが拳に染みつき溶岩のような色になった拳が完成した。
「最初から本気で行くぜ?」
そう言うと、プラチナムよりは遅いが明らかに今の勇者達では捉えられないような神速で俺に近づいてきた。
そして拳で俺の腹を殴った瞬間、俺が推定していた攻撃力を大きく上回る威力が俺を襲いかかってきた。
俺は雪すらも溶かしながら後方に大きく吹き飛んだ。
「ありえねぇ」
俺が推測した威力の10倍以上だ…まずいな、早く戻らないと勇者4人が危ないな
「はぁ〜いい感じに吹き飛んだな。よし、近くにいる蠅でも撃退するか」
イフリートは遮熱結界で覆われた勇者4人の元へ近づく。
乃愛はそれを察知し、遥か上空に星辰魔導である【星空滅却大砲】を準備している。
イフリートは遮熱結界に手で触れると同時に指先に熱を集中させ、政宗の魔法で作られた遮熱結界の性能すらも上回る熱を指先に集めると、遮熱結界が溶け始めた。
「まずいよ!どうする!?」
千尋が焦り始めると乃愛は「黙って」と一言だけ言い、星空滅却大砲の術式準備を早める。
「そろそろ開いちゃうよ?攻撃しなくていいの?ま、攻撃する前に俺の熱によって死んじゃうか」
イフリートは嘲笑うかのようにゆっくり、ゆっくり遮熱結界を溶かしていった。
「よし、整った!」
乃愛は星空滅却大砲の準備を終わらせ、それを思いっきり打った。
上空から光の光線が降り注ぎ、その後光の槍が6本雷の速度すらも超え追加で突き刺さった。
だが、イフリートは光の槍、光線すらも片手で全て防いだ。流石に防いだ右手はボロボロになっていたが余裕の笑みを浮かべていた
「いまのが必殺技かぁ?しょぼいなぁ?」
次は千尋が挑戦の間で手に入れた現状持っている中で最強のレベル220モンスターである獣王をイフリートの背後に召喚した。契約神の力により獣王はレベル220をはるかに超えたレベル250の怪物ではあったが、背後にいる樹王に気づいたイフリートは無慈悲にも獣王を溶かし尽くした。
琴音と楓は星霊召喚と精霊王召喚の術式を混合させた二足歩行の獣、聖霊王マグニエットを出現させた。
「千尋!こいつと契約して!」
「わかった!」
そう言い、千尋は契約神の力でマグニエットと契約するとマグニエットは更に数段強くなりレベルは320前後の怪物へと変貌した
「なんだ?その魔獣は?」
マグニエットは強靭な足を使いイフリートを真正面から吹き飛ばし、彼女らの遮熱結界が溶かされるという状況を打開した。
「おうおう!やるじゃねぇか!」
マグニエットは自らの毛を白銀色にすると、更にスピードを増し、イフリートはそれに対応できなくなっていった。
「なっ!このっ…!くそっ!」
イフリートはただただマグニエットに蹂躙され、明らかに生命力も切れていった
だが、マグニエットは元々琴音や楓、千尋の魔力があって今の強さを保っている。彼女らの魔力もマグニエットの激しい魔力消費速度に追いつかず魔力が枯渇しかけている。
そして、どんどんマグニエットの力を保てなくなりマグニエットはどんどん弱くなっていった。
「いや〜ヒヤヒヤしたぜ」
イフリートは弱くなり地面に膝を付けたマグニエットの顔面に手を当て、無慈悲にも顔面を溶かしていった。
マグニエットは膝を付けて倒れ、イフリートは安堵の息をつき勇者達の方へ向かってくる。
その時、政宗が帰ってきた。
「げっ!お前生きてたのかよ!」
「よし、続きをやるぞ」
俺はイフリートにそう言い剣生成で剣を作ると、イフリートがこちらに近づいてきた。
だが、その速度は一回目よりも遥かに遅く同一人物か疑う程の遅さであった
「どうした?」
俺はイフリートの胴体を一撃で斬り伏せた
「おいおい、最初の一撃はどこ行っちまったんだよ」
俺は切られ倒れているイフリートを見下しながら言った
「クソっ!だから言っただろう。本気でと…あれで俺の力の80%は使っちまったんだよ!」
「な〜んだ」
俺は剣でイフリートを殺そうと思ったが、4万年前の人物についてきちんと聞くというのを忘れてはいなかった。俺は拘束結界と地属性により作った拘束具でイフリートが逃げられないように拘束した。
「なっ!さっさと殺せよ!」
イフリートはそう叫ぶが、俺はそんなことはお構いなしに質問した。
「4万年前さ、お前ら七天大魔王は全員負けたんだろ?とある人物に」
「尋問か?あぁそうだよ」
「その人物って俺に似てたか?」
「う〜ん、よく見たら結構似てるな。同一人物かと思うほどに」
「なんか他にこの人物について知っているか?」
「あ?知らねぇよ。人間界には強者がいないって言うから、衰退していく魔界から七人で攻めに行ったら奴がいただけよ。突然現れたんだぜ?」
「そいつの強さは?」
「強さかぁ…少なくともお前よりは強い。いや、比べ物にならねぇな。七天大魔王序列5位のやつが瞬殺されたから、全員でかかっても全員瞬殺。この通り魂はよくわからん所に閉じ込められている感じだ」
「ほぅ、俺よりもか。人類の中では最強って呼ばれている俺よりも?」
「何回言えばわかるんだよ。あぁそうだよ、お前は人類最強かもしれんが…奴はそんは尺度では測れない。魔王の部下の残党に鑑定が得意なやつがいて鑑定させたらよ…」
「させたら?」
「レベルが測定不可能だったんだよ。最大2000レベルまで図れる鑑定スキルがそんなスコアを叩き出したんだぜ?ありえねぇだろ」
レベル2000で測定不可能だと!?最低でもレベル2000か。昔にそんな強者がいるとは、しかも俺に激似…深堀りしていったら俺について何か分かるかもしれん
「ところで、早く殺してくれないか?お前が切った所から血が出まくってて、どんどん生命力が弱まっているんだよ。ほら見ろ周囲に雪がつもりだしているだろ?」
「最後の質問だ。4万年前のお前らを倒した野郎は5万年前の原初の魔王を殺した勇者か?」
「あぁ〜俺達は原初の魔王の残骸だから、少ししか記憶はないが……顔は似ていたと思うぞ?」
「そうか、ありがとう」
そう言った途端にイフリートの生命力は弱くなり、イフリートの生命力を指し示す火はどんどん消えていった
「よし、勇者達…帰るぞ」
勇者達は魔力が尽きて、行きの時のようなモンスターを使っての耐寒しながらの移動はできなさそうだっので、俺は削られた遮熱結界を修復して俺達は一旦モダンな家へと帰っていった




