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第73話 【テラルワーム】

マボロシ森で勇者たちに集合の信号を送ってから1日が経った。全員がいつ頃集まるのかはまだ分からないが、食料は1年分ある。問題はないはずだ。


それにしても、まさかあんな予想外のことが起きるとは。話は1日前に遡る。



* * * * * *



よし、そろそろ地獄の峡谷から脱出できそうだ。勇者たちも全員ついてきているし、順調だ。


バババババ。


銃声?


振り返ると、美月が武器を錬成してメガミルワームの襲撃を迎撃していた。なぜ今になって攻撃してくる?俺が一人で降りた時は何も動いていなかったのに。


美月がメガミルワームを仕留めた瞬間、峡谷の崖壁にある穴という穴からメガミルワームが一斉に顔を出し始めた。


「何だ!?何だ!?」


勇者たちが騒ぎ出す。次の瞬間、地面が浮き上がり始めた。俺は最悪の事態を想定し、全員に即座に結界魔法を付与した。


そして俺たちは宙に打ち上げられた。


打ち上げられながら眼下の峡谷を見下ろした瞬間、俺は理解した。あれはメガミルワームじゃない。テラミルワームだ。


テラミルワームにとってメガミルワームとは、いわば体毛のような存在に過ぎない。峡谷そのものが、テラミルワームの掘った穴だったのだ。


俺の知識によれば、テラミルワームはかつて人間界と魔界の境界線付近で山を食い、湖を飲み干し、地図そのものを書き換えるほどの暴走を起こした後、自ら穴を掘って地下深くに潜り眠りについたという。その穴が地獄の峡谷だったのか。しかも過去の暴走は幼体——いわば成長期のイヤイヤ期に相当するものだとしたら、今の成体の規模は計り知れない。


勇者たちが四方八方へ吹き飛んでいく。結界にマッピング機能を仕込んであるから居場所の特定はできる。ただ問題は、成長しきっていない勇者たちがこのテラミルワームに狙われた場合だ——間違いなく殺される。


「今ここで決着をつけるしかない!」


現在のテラミルワームの体は直径10km、長さは1000kmを超えるだろう。その急所は単純だ——脳みそ、そして口の近くにある。今俺がいる位置はテラミルワームの喉に近い辺りか。あと9kmほど移動すれば急所に到達できるはずだ。


本格的に暴れ始める前に仕留める。そのために一度だけ使う奥の手——任意型上級スキル【過負荷】だ。現在のスキルレベルは16。発動時に全ステータスを17倍に引き上げる代わりに、自身の生命力を継続的に削り続ける。削られるスピードが未知数なのが不安だが、今はそんなことを言っている場合ではない。


「過負荷——発動!」


心臓が激しく脈打ち始め、全身が赤く染まっていく。同時に生命力が1秒間に0.5%ずつ削れていくのが体感として分かった。


俺は後ろを向き【バックステップ】を連続発動した。1回、2回、3回——8回目の跳躍でテラミルワームの急所付近に到達した。


テラミルワームが気づく前に、政宗流剣技二の型を放つ。緑竜戦の時にはまだ未完成だったあの技——「剣生成による弓の矢の作成×連射撃×連撃斬×聖竜降臨×瞬撃」の完成版だ。あの時は連射撃と連撃斬の組み合わせだけで緑竜を瞬殺した。ステータス17倍の今、これがどれほどの威力になるか。


技を放とうとした瞬間、精神が悲鳴を上げた。スキルで強化できない領域——本能的な精神の限界が、今まさに俺の動作を阻もうとしている。マッスル将軍に鍛えてもらった精神力でどうにかギリギリ耐えながら、技を解放した。


辺り一面が直視できないほどの白に染まり、俺は自然と目を瞑った。


ゆっくりと目を開けると——テラミルワームの頭部周辺の地形が、巨大なクレーターとなって消滅していた。


同時に、レベルが153に到達したことを告げる通知が響いた。これほどの化け物を仕留めてもレベル153か。SoftCapが硬すぎる。


クレーター跡地に着地し、過負荷を解除した。経過時間は20秒ほど。生命力の消耗は10%程度で済んだが、あのスピードで削れ続ける以上、長時間の使用は自殺行為に等しい。


俺はその後、打ち上げられた際に見つけておいたマボロシ森へと向かった。



~~~



その後は特に何事もなくマボロシ森に辿り着いた。現在は鬱憤を晴らすように、レベル150到達で解放されたPultnicを回し続けている。


Pultnicを実行するとPultnic層以下の全てをリセットし、Pultnic Points(PP)を獲得する。


解放された主な要素は2つだ。


1つ目は純粋なアップグレードツリーである。


───────────────

**Pultnic Bonus:PPを消費するアップグレード**


Upg#1:Hyperion回数を2倍(0/10)

Upg#2:Hyperion Upgの[1:1]〜[1:4]まで保持

Upg#3:Hyperion Upgの[2:1]〜[2:4]まで保持

Upg#4:Hyperion Upgの[3:1]〜[3:4]と[4:1]を保持

Upg#5:自動でHSを行う

Upg#6:MD#nUpgの自動購入を保持

Upg#7:MD#nPの毎秒自動取得を保持

Upg#8:Bulk Automationを保持

Upg#9:THの自動購入を解放

Upg#10:DP・HP・MRP#1〜#3など、リセットが必要なPultnic層以下の全ポイント要素を毎秒取得

───────────────


少し頑張ってUpg#1を5/10まで、Upg#2〜#3まで購入した。Hyperion到達までの流れがかなり楽になった。


そしてHyperion到達を早める効果と並行して、全体を底上げする神要素——Pultnic Generatorも解放できた。


───────────────

**Pultnic Generator(PG):**

上位の施設が下位の施設を生産するGeneratorであり、#10まで存在する。全てのPGには購入ボタンがあり、PGBase(初期値2)に基づいてPGB^(購入回数)分の乗数が与えられる。PG#1が生産するPGPointに応じて様々なバフが付与され、初期は1種類のみだが後々解放される。


Buff:A・B・CリソースをBP生産量が高くなる方(乗算または累乗)で強化する

───────────────


この購入にはPPではなくPGPを使用するため、Pultnic Bonusとは独立して進められる。序盤(1e10前後)では乗算、1e1000を超える規模では累乗と、状況に応じて最適な強化を自動で選んでくれるのが優秀だ。序盤から終盤まで一貫して使える、間違いなく神要素だ。


ただし、Pultnic到達前の段階でもすでに1ヶ月以上の時間が経過しているため、5周回を重ねても1周1時間切りはまだ無理な状態だ。現在は1周あたりおよそ2時間12分かかっている。


それでも、どんどんインフレ区間が近づいているような手応えはある。PGがどこまで化けるのか——楽しみしかない。


そんなことを考えていると、小屋のドアがノックされた。



────

現在のBP:10^10^10.3 程度

成長倍率1:12,690,788

成長倍率2:1,077

合計成長倍率:約100億

────

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