↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/140

第43話 【要塞都市奪還④】

様子を見に行くと、バレット、グエゴ、マサラは疲弊していたものの、モンスターには勝利していた。


また、この頃になると街のあちこちから戦闘音が聞こえ始めていた。


グエゴは俺が陰陽なめこを倒していたのを見てこちらへ駆け寄ると、申し訳なさそうな表情で口を開いた。


「すまない! あのモンスター達の中で一番強かったのは陰陽なめこだった。無茶はしていないか? 大丈夫か?」


「全然大丈夫だ」


そんな会話をしていると、不意に別の場所から騎士の生首が吹き飛んできた。


俺達はその飛んできた方向へ駆け出した。


そこには上級騎士と中級騎士で構成された班の死体が転がっており、全滅していた。


そして、その班を壊滅させたと思われるモンスターが立っていた。


鬼族だ。


「鬼族か……。ケンタウロス以上のタフネスに、かまいたち並みの俊敏性。全力で挑まないと勝てなさそうだな」


グエゴがそう言った瞬間、俺は出し惜しみせず政宗流剣技一の型を発動した。


成長倍率の恩恵もあってか、陰陽なめこと戦った時以上の完成度で技を放つことができた。


無数の斬撃が鬼族へ叩き込まれる。


次の瞬間、鬼族の四肢はバラバラに切り裂かれ、その身体は跡形もなく消滅した。


その光景を見た三人は、しばらく口を開けたまま固まっていた。


「鬼族を瞬殺……? 確かに陰陽なめこを倒せるだけの力があるなら鬼族も倒せるだろうが……一ヶ月でとんでもなく強くなってるな。俺達も負けてられねぇ」


「とりあえず先へ進みましょう」


俺達は都市の中心部へ向かって進んでいった。


その途中、大量の騎士の死体を目にした。


中でも最も衝撃的だったのは、俺が最初に戦った騎士――グロックが溶解液によって原形も分からないほど溶かされていたことだった。


そんな時――奴と再会した。


会うのは二ヶ月ぶりだろうか。


俺を初めて「逃げる側」に追い込んだ張本人。


赤鬼だ。


赤鬼は最後に見た時とは姿が大きく変化していた。


以前は太った赤い異形のオークのような見た目だったが、今は無駄な肉が削ぎ落とされ、筋骨隆々とした人型へ変貌している。


しかし、左前腕から伸びる長く鋭利な剣のような突起だけは変わっておらず、その特徴のおかげですぐに正体が分かった。


「なんだこいつ? 初めて見るぞ?」


バレットが呟く。


「こいつは俺が以前遭遇した突然変異のオークだ。オークだからといって舐めない方がいい。グラニスの中隊を壊滅状態に追い込んだ化物だ。今はあの頃よりさらに成長しているはずだ……十分に警戒した方がいい」


すると赤鬼が大きく口を開いた。


「この前逃げた小童か……。今度こそ殺して食ってやるよ」


そう言いながら俺を指差す。


進化の影響なのか、以前より言葉は流暢になっており、知性も大きく向上しているように感じられた。


次に赤鬼は俺ではなくマサラを指差した。


「まずは一番弱いお前からだ」


その言葉が終わると同時に、赤鬼の姿が全員の視界から消えた。


直後、かすかに顔の横を風が通り過ぎる。


嫌な予感がして振り返ると――


そこにはマサラの生首をがっしりと掴んだ赤鬼の姿があった。


あまりにも一瞬だった。


俺は改めて、人間という存在の脆さを痛感する。


そして即座に叫んだ。


「周囲を警戒しろ! 赤鬼から目を離すな!」


バレットとグエゴへ指示を飛ばし、三人で陣形を組む。


こうして、赤鬼との戦闘が幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。