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第42話 【要塞都市奪還③】

俺は陰陽なめこへ向けて駆け出した。


周囲にモンスターが群れているが、今は眼中にない。問題はあいつだ。見た目は黒と白のなめこ——どこからどう見ても弱そうだが、果たして。


「増大した魔力による火属性魔法第四階位——デスファイア!」


陰陽なめこへ手を向けた瞬間、俺の手を軸に螺旋階段状の複雑な魔法陣が構築された。次の瞬間、赤と黒が混じった火球がレールガンのように射出される。速度は雷に近い。火球は陰陽なめこに直撃し、爆風が周囲の建物を吹き飛ばした。


「やったか?」


煙が晴れた先に——無傷の陰陽なめこが佇んでいた。


陰陽なめこが動いた。陰エネルギーと陽エネルギーを融合し、さらに両者が反発し合うエネルギーまで上乗せしながら石を射出してくる。


マッスル将軍に叩き込まれた反射神経が働いた。剣で弾き、石を上方へ逸らすことになんとか成功する。弾かれた石は雲を突き抜け、空に小さな穴を開けた。


「!?!?」


今まで相手にしてきた敵とは、格が違う。これ、他の騎士たちは大丈夫なのか——


考えながらも、体は次の攻撃に備えて動いていた。陰陽なめこも更に高純度の陰陽エネルギーを練り上げ、超高速の石で俺に風穴を開けようと準備を始めている。


仕掛けるなら今だ。


まず任意型上級スキル【剣生成】でレベル相応の魔導適性を持つ魔剣を生成。その魔剣に火・水・地・風の四大元素魔法を纏わせて魔法剣に仕上げる。


【気配感知】で陰陽なめこの動きを捕捉しながら、【バックステップ】の発動に備えて後方へ向き直り——【空気の如き肉体】【瞬撃】【連撃斬】を一瞬のうちに同時起動する。


任意型上級スキルの同時使用には高い剣術熟練度が要るが、ここまで鍛えてきた今ならできる。俺はこの連携を【政宗流剣技一の型】と名付けた。ネーミングはともかく、分かりやすくていいだろう。


・・・


今だッッッ!


【政宗流剣技一の型】を発動し、一瞬で陰陽なめこの目前へ肉薄。速度と連撃を合わせた怒涛のラッシュを叩き込む。


陰陽なめこの体は異様なほど硬かった。それでも連撃の圧に耐えきれず、少しずつ、そして一気に砕け散っていく。陰陽なめこはそのまま倒れていった。


激しいソフトキャップのせいでレベルは一つも上がらなかったが、今の俺が出せる全力の三割は出せた手応えがある。


グエゴとバレット、マサラの様子でも見に行くか。

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