第41話 【要塞都市奪還②】
要塞都市グラニスの門を打ち破り内部へ突入すると、こちらの接近を事前に察知していたスケルトンの群れとスケルトンキングが待ち構えていた。
騎士団長ワンドが声を張り上げる。
「各班は散開しろ! 包囲するようにグラニス内部のモンスターを殲滅せよ!」
その号令と共に各班はそれぞれの担当区域へ散っていった。
スケルトンとスケルトンキングの相手は、俺、グエゴ、バレット、そして見知らぬ上級騎士のマサラが務めることになった。
強化されたバレットはスケルトンの攻撃など意にも介さない。
突進一発でスケルトンの群れを吹き飛ばし、身長五メートルはあるスケルトンキングに対しては任意型スキル【バレットショット】を発動。
マシンガンのような連続攻撃が降り注ぎ、スケルトンキングの巨体はあっという間に粉々になった。
「政宗も強くなっただろうが、俺たちだって負けないくらい強くなってるんだぜ」
バレットは胸を張ってそう言った。
スケルトンキングを倒した後も、周囲の建物に潜むモンスターを掃討しながら進軍していく。
すると――
一体の異形が姿を現した。
全身が銀白色の金属で覆われたスケルトン。
アダマンタイトスケルトンだ。
「要塞都市に入って初めての強敵か……」
グエゴが呟く。
するとバレットが勢いよく飛び出した。
「ならぶん殴ればいい!」
豪快な拳がアダマンタイトスケルトンに直撃する。
その巨体は後方へ吹き飛び、建物を何棟も巻き込みながら激突した。
轟音が周囲へ響き渡る。
「おい! バカ! バレット! お前習わなかったのか!?」
グエゴが頭を抱えた。
「アダマンタイトスケルトンは世界最高硬度のアダマンタイトを取り込んだ変異種だ! 並外れた防御力を持ってる! 物理攻撃はほとんど通らないんだぞ! しかもそんな爆音立てたらモンスターが寄ってくるだろうが!」
吹き飛ばされたアダマンタイトスケルトンは何事もなかったかのように立ち上がり、こちらへ突進してきた。
その瞬間。
後方のマサラが杖を掲げる。
「【マシンガンファイア】!」
無数の魔力弾がアダマンタイトスケルトンへ降り注ぐ。
流石にダメージは通っているらしく、その動きが目に見えて鈍くなった。
「なら次は俺だ!」
俺は【剣生成】で生み出した剣に炎を纏わせる。
そして――
【連撃斬】。
無数の斬撃が重なり、一筋の閃光となって走った。
次の瞬間。
アダマンタイトスケルトンの身体は木っ端微塵に砕け散った。
さらに余波だけで背後の建物が何棟も切り刻まれ、崩れ落ちていく。
静寂。
そして。
「政宗、お前……どんな威力の技を放ってるんだよ……」
バレットが引きつった顔で言った。
ここは――
地球の記憶で見た、あのセリフを言う場面じゃないか?
「あれ? 僕なんかやっちゃいました?」
「ガチでやらかしたぞ、お前」
グエゴが即座に突っ込む。
「今の轟音で周囲のモンスターが一斉に集まってきてる」
「あ」
どうやら結構やらかしたらしい。
だが、ふと思った。
「いや、待てよ。逆にここで俺たちがモンスターを引き受ければ、他の班は進みやすくなるんじゃないか?」
「……確かにそうだな」
グエゴが周囲を見渡す。
四方八方から押し寄せるモンスターの群れ。
数はおよそ千体。
俺たち四人で割れば一人二百五十体。
まぁ、何とかなるだろう。
グエゴは迫り来るモンスターを確認しながら指示を飛ばした。
「バレット、政宗、マサラ! 強敵はサンドウルフ、サキュバス、陰陽なめこの三体だ!」
……ん?
陰陽なめこ?
「特に危険なのはサキュバスだ。俺とマサラで相手をする。バレットはサンドウルフを担当しろ。陰陽なめこは政宗だ」
「了解!」
「よし! 戦闘開始だ!」
グエゴの号令と共に、俺は勢いよく陰陽なめこの方へ突撃した。
いや待て。
陰陽なめこって何だよ。




