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第16話 【赤鬼】

逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ!普通にあれは死ぬ!

俺は殴られた腹部を押さえながら今持てる力を全て振り絞って逃げていた。

後ろからはドスドスドスドスという荒々しい音が聞こえる。

クソ!身体に疲労がたまってやがる…!早く逃げなきゃ、死ぬ!!


俺は自分の持久力の限界に到達してもなお逃げ続けた。一直線で逃げてもすぐ追いつかれるだけだから木の陰などに隠れながら逃げた。


「あともう少しで森を抜けるぞ…抜けさえすれば森の外まではさすがに来ないだろ…」


そうして赤鬼との格闘30分、俺はついに森からの脱出に成功した。


「あとはもう徒歩でもいいかな…これはギルド側に報告したほうがいいぞ、まじの化け物だ」


こうして俺の化け物との格闘は終了し、午後6:00頃にギルドに到着し、事情を説明した。


「狩人を殺したオークの殺害依頼あるじゃないですか…」


「それがどうかしました?」


「あれは、難易度を改めたほうがいいですよ…今日クエストを受けて実際にそのオークに会ったのですがオークというより邪鬼や妖怪に近い類で…あれを放置したら何人の犠牲が出るか……」


「上層部も確認してきます。あなたは怪我をしているようなので治療室で待っていてください」


─10分後─


治療室のベッドで寝ているといかついおじさんが俺の視界にぐいっと入ってきた。


「今夜要塞都市の第1分隊がサザンドラ森に派遣されて、あなたが言うには赤鬼?を討伐するので安心してください」


「ところであなたは?」


「私はこの冒険者ギルドを管理しているエニグマと申します。」


「取りあえずこれで安心できる…」


こうして俺は深い眠りについた。

一方その頃派遣された第1分隊の騎士達は…


「ただのオークなんて冒険者の下っ端に任せりゃあ、いいだろ?馬鹿か?」


「落ち着けよ!これで金もらえるからいいだろ?別に」


騎士達は森の深く深くへと入り込んでいった。ここの森は下級のモンスターしか現れないため騎士達も注意していなかったのだろう。


グサッ


「ゴハッ」


一番最後尾の騎士の胸に風穴が空いた。


「なんだ!?お前ら!背中を合わせて周囲を警戒しろ!おそらく赤鬼だ!」


騎士達は円形状になり、出来る限り死角を減らした。そんな時目の前に赤鬼がそのままズシズシと足音を立てて現れた。


「ニンゲン(人間)…ダグザンイル(沢山いる)!」


「ヒィッ!化け物!」


一人の騎士が腰を抜かした瞬間赤鬼は詰め、腰を抜かした騎士一人を瞬殺した。

飛び散る血を見て騎士達は少し後退りをしたが、敵が見えている以上いつもの多対一の訓練を思い出し攻撃を仕掛けた。ただ圧倒的フィジカルに勝てるわけもなく、豆腐を切るかのように右腕の骨を刀のように使ってすべての騎士を真っ二つにした。


その日の夜のサザンドラ森には鉄の音と骨を砕く音しか聞こえなかったという……

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