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第15話 【クエスト】

北北東区域のジェント街路に来たのだが、来たな……。

ゴミがそこらへんに捨てられてやがる。そりゃあ依頼も出すわけだ。だが中央道路ということもあって活気はある。周辺に飲食店が多いから、買い食いをした後に捨てる輩が多いのか。


掃除に特化したスキルでも持っていれば良いのだが、そんな都合のいい話はない。仕方ない、地道にゴミ拾いでもするか。

俺は普通のゴミや落書きなどを消していった。だが、1時間ほど掃除してもジェント街路自体が広すぎて、まだ1割も終わっていない。


「お! あの依頼を受ける冒険者さんがいたんだねぇ! ここらへん汚いからよぉ、受けてくれる人がいたら嬉しいんだよ」


隣の大きな旅館の女将さんが声をかけてきた。ゴミが多すぎて旅人が寄り付かず、売り上げが落ちて困っているらしい。

少し雑談を交わしたあと、再び掃除に戻ると、基礎スキル【清掃(2)】と上級スキル【清掃者(1)】を取得していた。


「さっさと掃除を終わらせるか」


清掃者の効果により、ますます清掃スピードが上がっていく。そして午後2時にはクエストを完了した。


俺は冒険者ギルドに戻り、軽く昼食を済ませたあと、クエスト完了の報告と証拠の提示を行い、報酬の400ゼニーを受け取った。


「次は何を受けよっかな〜」


クエスト一覧を見ていると、とあるクエストが目に入った。


───────────────

クエスト難易度:★★★

住所:グラニス東部側 サザンドラ森

クエスト内容:

狩人がオークに襲われ死亡。顔の額にひっかき傷があるオークを討伐せよ

報酬:1200ゼニー

最低ライン:Dランク冒険者

───────────────


今の所持金は950ゼニー。このクエストをやれば金に余裕ができる。やるしかないか。サザンドラ森はここから3kmほど離れたところにあるから、馬車を使うまでもないな。


俺はさっそく閃光のような速さで走り、サザンドラ森へ向かった。およそ7分ほどで到着した俺は、すぐに額に傷のあるオークを探し始めた。


「どこにいるんだ〜?」


確か依頼を受けたとき、出現場所は川の近くだと依頼書の裏に書いてあったはずだ。とりあえず川の周りを見ておくか。

川の周辺を歩いていると、当然のように下級モンスターに遭遇する。スライムやアイアンチック、グラットラットなど様々なモンスターを倒し、レベルは5上昇した。


そんなこんなで1時間ほど探していると、「バキッ、バキッ」という不穏な音が聞こえてきた。その音の方へ向かうと、額にひっかき傷のあるオークがいた。


だが、そいつは本当にオークなのか疑わしかった。全身は赤く、右腕の前腕は消え失せ、そこから巨大な骨が突き出ている。骨の先端は鋭く尖り、体長は5メートル弱。まるで突然変異のような異形の存在だった。


「なんなんだ……こいつ……!」


思わずそう口にした瞬間、オークがこちらを見た。


「ニンゲン(人間)!オイシイニンゲンダァ(美味しい人間だぁ)!」


ノイズが混じったような、はっきりしない図太い声でそう言ったかと思うと、その5メートルの巨体が跳躍し、上空から攻撃を仕掛けてきた。


右腕の骨を地面に突き刺すような一撃。だが俺は瞬時に後方へ跳び、回避する。そして距離を取り、状況を確認した。


「これ、討伐難易度最低D以上だろ……!」


俺は剣を構え、間合いを保ちながら相手が踏み込んでくるのを待つ。

赤鬼(仮名)が一気に距離を詰め、右腕を大きく振りかぶった瞬間――俺はそれを躱し、首を狙って斬り込んだ。


だが次の瞬間、予想外にも左腕で腹部を殴られた。俺は吹き飛ばされ、後方の川を越えて木に激突する。

この時点で、生命力は100以上削られていた。


(勝てない)


生物としての本能が即座にそう告げた。

俺は迷わず、その場から逃走した。

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