第138話 【衝突】
2階層にて、俺が最初にいた場所は恐らくバトルウルフのステージであった。レベルは200万〜500万…剣術のレベル的にも完封、やっぱりスキルを全部捨てて良かったな。
時間も時間だしギルドに戻るか。
ゴブリンの魔石を30個、バトルウルフの魔石を15個、骸骨騎士の魔石を1個を持ってギルドへ向かった。
冒険者ギルドに到着し、中にはいると白い髭を生やしたおっさんが物凄い形相で俺の肩をガシッと掴んだ。
「な、なんなんだね!この手紙は!」
おっさんは俺が冒険者ギルドに渡した賢治から貰った手紙を俺に見せてきた。
「いや、その手紙は内容通り真理の翼のパーティが全滅したっていう…」
「いやいやいや!それはもうどうでもいいんだよ!それよりもこれ!」
おっさんが指さした場所を読み上げると「超高密度エネルギーの漏れである存在…名付けるならば『余滓』としよう。こいつのエネルギーを観測して分かったのだが、余滓自身のエネルギーの位置もそちらの街に向かっており、その周辺のモンスターも超高密度エネルギーの漏れにさらされ凶暴化している。我々の目安ではあと2日で凶暴化したモンスター…そう第一陣がこの街に攻め込んでくるだろう」と書かれていた
「これが俺に渡されたのが昨日…つまりだ!明日モンスター共がこの街を攻めに来るんだよ!」
俺も慌てながら今の状況を確認した
「え!?ほかの冒険者には伝えたんですかッ!?」
「あぁ…できる限りの戦力を明日の防衛に充てるつもりだ。そして、勿論…調べた限りまだ冒険者ランクが低いお前にも防衛を頑張ってもらう!」
モンスターの襲撃か…要塞都市アダマスが四天王に襲われた時と似ているな。
「ちなみな住人は避難させるんですか?」
「いや、これに関しては住人が近くの町に避難している間に魔物に襲われる危険性も含め、避難はさせず…ここでの待機という話になっている」
「な、なるほど…では明日頑張りますね」
「おぅ!ちなみに俺の名前は冒険者ギルドマスターのガルドだ。よろしく頼むな」
「俺の名前は…って、さっき調べたって言っていたので分かりますよね。政宗って言います」
俺はそう言いガルドと別れた後にギルドにゴブリンの魔石30個とバトルウルフの魔石15個、骸骨騎士の魔石1個を売った。手に入れた金額は277グラハム、まぁまぁだな
俺は宿屋に戻り、睡眠を堪能した。
翌日、爆音の警報にて目を覚ました。俺は急いで1階に戻ると女将のマーサとティナも『何事!?』と言いながらバタバタしていた。
俺はマーサとティナに状況説明もせずに宿屋から出て、とりあえずギルドのほうへ向かった。
ギルドでは事前に冒険者達に説明していたというのもあり、全員が隊列を組んで町の外側へ向かっていた。
俺もその隊列の最後尾に回り込み、兵士の如き掛け声と共に町の外側へ歩いていった。
俺の隣には気の弱そうな冒険者がおり、身体を震わせながら歩いていた。
俺はそれを心配して声をかけた
「おい、心配すんなって。楽に行こうぜ」
「で、でも…」
「大丈夫、俺達は最後尾だから攻撃もなかなか来ないと思うしよ」
そう言うと隣の冒険者の揺れが少し収まった。
それでいよいよ、町の外側へ冒険者一同が並んでいった。城壁の上部には大砲のようなものを準備している兵士の姿も見えた
「そんぐらい魔物の数が尋常じゃないのか」
目の前は全て冒険者で埋まっており、人しか見えない。今は魔物が来ているのかすらも分からない状態だ。
すると、城壁の方から大砲の発射音が一斉に聞こえた。その轟音により全ての冒険者が耳を手で押さえていた。
大砲が発射された3秒後に大砲が着弾したのか大地が大きく震え始めた
それと同時にギルドマスターのガルドが『魔法撃てぇい!』と言ったとともに、恐らく最前線にいる魔術師達が一斉に魔法を撃ち始める。
数多もの物語、情報、因果、時間、空間が歪みに歪み始め大地は崩れていった。
俺は何が起きているのか理解できず、音のみでしか今の状態を判断できなかった。
「第二陣!発射ァァァ!」
城壁の方からまた声が聞こえ大砲が発射される。その時遥か上空から岩石が落ちてきた。
「避けろぉぉぉ!」
ギルドマスターが言うと共に俺達は先程まで綺麗だった隊列を大きく崩し上空から落ちてくる岩石を避けた。
恐らく上空にいる鳥型のモンスターが岩を運び落としてきたのだろう。
魔術師や冒険者が逃げ惑い、複数人は落下してきた岩により死んだことにも気づかないような速度で潰されていった。
「抗えぇぇぇぇぇ!」
それを言ったと同時に進行が防がれていた魔物の大群はこちら側に一気になだれ込んできた。
オークにゴブリンにバトルウルフにハイゴブリン、スライムやスケルトン、目が3つあるクマまで…冒険者達は自分自身が勝てる見込みのあるモンスターを的確に攻撃し始め、本格的な全面衝突が始まっていった




