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第139話 【漁夫の利】

はい、こんにちは。政宗と申します。

え〜今私は姑息な手を使って爆速でレベル上げを行っています。

その名も漁夫の利作戦。

モンスターと冒険者が全面的に衝突したおかげで今は倒せないオークなどがほかの冒険者に攻撃されるんですよ。そして、HPが減ったなっていうタイミングで俺が横からぶった切るわけですよ。

魔石を渡したら冒険者の人達も許してくれるし、俺もレベルが爆伸びでこの作戦実に美しい!


「それで今のレベルがこちら!」


ステータス画面を見るとレベルが1000万を超えていた。


「我ながら凄まじいな」


「おい!坊主!ボケっとしてねぇでさっさとモンスター殺しまくれ!」


ひぃ!怒られてしまった。

だけど…怒られる理由もわかる。モンスターの量が本当に凄まじいのだ…大地を埋め尽くす様々な種類のモンスター達。

普通の冒険者からしたら一匹一匹は雑魚だが、ここまで来られると厳しいな


俺はここから漁夫の利戦法ではなく、きちんと目の前の敵を殺しまくる殺戮兵器にシフトチェンジした。



そして、1時間後

いろんな冒険者が疲労により動きが鈍くなっていった。魔術師達もMPが尽きたのか辛そうな顔をしている。

モンスター達はニヤけながら疲労により動きが鈍った冒険者達に対して集中砲火を浴びせている。


そして、そんな俺達に追い打ちをかけるように第一陣には居ないはずだったM(奴)が来た

M(黒いモザイクがかかったかのような不気味な野郎だ)


「な、なんなんだよ!M(あいつは!)」


「逃げろ!M(奴は何かが違うぞ!)」


皆…M(アイツの外見を見て奴と断定をする際にメタ的表現法を使っているということは…そうか奴は俺達の言語層には影しか現れないような絶対的な存在なのか。俺には分かるぞ…テキスト上でしか見なかった時には本質からはかけ離れた物しか語っていなかったが、奴は思ってた以上にヤバい。これが奴の影なのか…?)


俺がそうこうしている内にM(余滓)は俺にどんどん近づいてくる。俺はM(余滓)を見ようとするが、不気味すぎて見てられない…

M(余滓)は隣で足がオークにちぎられたが故に歩けない冒険者に手をかざした


「降下」


そうM(余滓)が呟くと近くにいた冒険者は体全体が口から裏返っていき、球体と成った。だが、それだけでは終わらず更に圧縮され消滅していった


「政宗ぇぇぇぇ!離れろぉぉぉぉ!」


ギルドマスターのガルドがそう叫んだ。俺は後ろを振り向き一目散に逃げた。

すると、俺の背後から凄まじい爆音が鳴った。


「政宗君だっけ?安心したまえ」


俺が後ろを振り向くと、一人の冒険者が立っていた。


「よし!間に合った!」


ガルドはそうガッツポーズを城壁近くで行った。


「あ、あなたは…?」


「S級冒険者のミスリルだ。ガルドさんに頼まれてね…M(奴)をとりあえず殺す…!」


「で、でもM(あいつの論理は遥か彼方へ存在していますよ!)」


「大丈夫。オレの改変の練度はM(奴と同等か、それ以上だからね)」


同等か…それ以上だと…?これなら倒せる!

俺は安心しながら城壁近くへ移動した。


俺はガルドの隣へ立ち、S級冒険者のミスリルとM(余滓)の戦いを遠目から見ていった。


「す、すさまじぃ…!」


物語や作者によるフィクションの階層すらも貫通し、なおかつ周囲の階層すらも引き上げている。これがM(論理を超えた改変)…!


「人間にも強い奴がいたとは…」


M(奴)は全ての理と概念を崩壊させる拳をミスリルへ放った

ミスリルはそれを常時展開しているフィクション、作者(リアル)、その作者(ハイリアル)、その作者(ハイハイリアル)といったフィクションの階層を登っているお陰でその事象すらも絶対的権力をもってして書き換えた


「メタ操作か。生ぬるい!」


M(余滓)は両手に全ての形式的概念を包み込んだオムニバースを展開し、融合。2^オムニバースのエネルギーをも放ちミスリルを翻弄する。




だが…ミスリルが遥か先の展開を読み、M(余滓)という理すらも捻じ曲げた。

理、因果、文章の整合性に関わらずM(余滓)という存在は語るうえでの状態は…

・彼が優位であるからして、彼は死んだ

・彼が勝利した。だから負けた

・彼が全面的に強かったが、消滅した

・彼が負けたが故に彼は負けた


というあらゆる状態や経過を経たとしてもM(余滓)が負けうる事実が絶対的に強制され、常にM(余滓)は消滅に晒され居なくなった。

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