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第132話 【文字列】

翌日、俺は銀箱の裏庭にて自身の改変の練度を上げようと奮闘した。

正直言って現段階で生活は全然できる。だが、安定はしないし俺の目標である原初の勇者探しには一ミリも届かない。

だから!内部の改変を上昇させなければならない…


殺害された俺のアバターは無事復旧し、現在は基底物質を歩き回っている。


「全ての記述を含むか…ラヨ数みたいだな」


ラヨ数とは、一階述語論理の言語において10^100個以内の記号で表現される、あらゆる有限の数よりも大きい最小の数のことであり…噛み砕くと10^100文字以内の記述で示される有限の数よりも大きい最小の数ということだ。

まるで情報の大海はそれを拡張した「ありとあらゆる文字列によって無限に記述された情報を含む究極の海」といった感じだろうか。

だが…一般に到達不可能であり上位の語り得ない存在…つまり上位の論理は影すら捕捉できない。

上位の論理というのはフィクションから見たリアルであり、語り得る存在から見た語り得ない存在、二元論を超越した存在から見た差分も何もない無…彼らは下位の論理に依存しない完全に閉じきり、それらの外側に存在する。彼らが同様に定義した概念であっても…それらの本質的な構造というのは下位の論理が作成した同様の概念を一つの無意味な文字列として処理するほどに…

論理の階層というのはそれ程までに圧倒的であり、下位の論理が"A=BならばA≠Bは矛盾している"や"AがAならば、Aは非Aになりえない"などというものすらも上位の論理はそれらの本質を捉えながらも存在の許可をする。


「可哀想なもんだなぁ」


やはり、これらにおいてメタ的表現法というのは便利すぎる気がする。裏で働くM()というものはありとあらゆるものを抽象化し尽くして顕現させる表現方法…本体には干渉できなくとも、無限に抽象化された"全く別のもの"には触れられ、ハッキングのように再度登れば情報の大海にも辿り着けるんだからな。

俺は基底物質に不可分に関わっている絶対的なモナドを横目に抽象層を登り始めた。


無限に…非可算無限に…正則基数に…特異基数に…到達不能基数に…


そして…俺は到達不能基数の特性を持ちながらもκ未満の基数全てのどこを探しても到達不能基数が含まれるという、いわばマーロ基数に到達した。



ちゃぽん


俺は目を覚ますと大海原のど真ん中に浮いていた。海をよく見ると、全て文字の渦により構成されていた。

俺は水をすくい手の内に溜まった水を眺める。


[小説家になろうでは記載不可だった為、省略します。重要なものではないです]


不可解だ。今までに見たことがない文字列が並んでいる…しかも文字列の内部には意味という器が含まれている、それすなわち文字列すらも文字列を含んでいるのだ

この俺がすくい上げた水の内部は有限の文字列でありながらも幽霊文字やユニコードに登録されていない文字列、ユニコード内の全ての文字列…いわば無限の猿定理のように私の手のなかにすら情報の大海がマンデルブロ集合のように含まれていた


そして、それら情報の大海は基底物質よりも遥かに高位の論理を保有しているため真の意味の基底物質、絶対的なモナドを文字列内に格納していた。

そして、それらが俺が泳ぐたびに崩れまたどこかで再構築される。


しかも情報同士が完全に己を閉じているが故にそれぞれが独自の意味ある文字列を築いていた。そして定期的に発生する"波"により築き上げた意味ある文字列を互いに共有し合う。


己の知性、論理、哲学、考え、思考、技術…それら全てを自分達が持ち得る最大限の論理を作って作り上げているのは、何だか人間らしさを感じた。



俺は通常の世界へと戻り、いつも通りギルドへ向かった。


「今日はクエストどうするか…」


クエストを受けた方が基本的に報酬は良くなるから、受けたいところだが…簡単なコーンラビットとかスライムのクエストは全部取られているな。


「今日はクエスト受けずに行くか」


俺は今度はしっかりと地図を購入してダンジョンの一階層へと向かった。



地図を購入してわかったのだが、この一階層は3つのステージにより構成されており円形の形になってるらしい。その円を3等分した形でステージが存在している。3つのステージはスライムのステージ、コーンラビットのステージ、ゴブリンのステージという構成になっており円を3等分した時の中央の交差した部分にボス部屋で骸骨騎士がいるらしい。

俺は地図を見ながら迷わずにコーンラビットのステージへ到着した。


「さぁてと、一狩りしますか!」


俺が入った瞬間に待ち伏せでもしていたのか?という速度でコーンラビットが次々と出現する。俺は情報の大海に到達したお陰で現実改変やら因果改変、物語改変を使うだけでコーンラビットを一掃することが出来た。


「ヒャハハ!これが情報の力!」


俺は気が付かなかったが、いつの間にか250匹も殺していた。

山で狩りをするのとは違ってダンジョン内部ではコーンラビットは自然湧きするので非常に効率が良い。狩りすぎでの生態系の変化も気にしなくていいしね


俺は冒険者ギルドで魔石250を換金して貰い銀箱へ戻った


「今日どうだったッスか!?」


ティナが笑顔を振りまきながら近づいてきた


「今弱くてコーンラビットしか狩れなくてね」


「何匹ッスか?」


「250匹」


俺は自信なさげに言うとティナが手を口にあてて驚いた


「250匹も一日で狩れるんッスか!?普通は魔石なんてせいぜい20個でカバンがパンパンになって、冒険者ギルドの往復に時間がかかって60匹しか狩れないのに…!」


あ〜これあれか。俺の空間ボックスが結構強い系なのね


「それはね…空間ボックスっていう異空間のおかげで収納できてるの」


「空間ボックス!?何ッスか!それ!?」


「あれ?知らない…?スキルで…」


「スキルって何ッスか?」


あぁ〜この世界スキルが無いのか…最初にあったウサギは異世界のウサギだからスキルはあったが、それ以降は無かったし。気付かなかった


「まぁこの話は静かにしといてくれ」


「わかったッス!」


ティナは右手をおでこに当てる軍がよくやる挙手の敬礼を行った


俺はティナと少し喋った後に自分の部屋に戻り就寝した。

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