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第128話 【学びの屋敷】

翌日、俺は早速魔導師の家へ向かい、魔導師をおぶった。


「だ、大丈夫か?結構不安定だけど…」


「ま、まぁ大丈夫だね」


もし仮に文字流動仮説が正しいならば、今あるありとあらゆる論理構造、関係性が粉々に崩れてしまい…この世界は一瞬にして混沌となってしまう。一刻も急がねば


俺は魔導師をおぶったまま魔導師の家から出ていった。


「久しぶりに外を見たな」


「あれ?冒険者ギルドに依頼を出した時は出なかったのか?」


「あのときはほかの人に頼んでギルドに出してもらったんだよ。ところで君の名前を11日間ほど聞いていなかった」


「俺か?俺は後藤政宗だ。君は?」


「僕は石川賢治。改めてよろしく頼む。では、俺達が行く街はボルス町だ…ここから北の所にある。政宗はまだ未熟だと思うからモンスターが出た場合俺が出来る限り援護する。とにかく君は突っ走れ!」


「オッケー!」


そして、俺は言われた方角通りに木の上、石ころの道、川、様々な大自然を駆けていった。


「君、意外とスタミナあるな」


「賢治…俺は一応前の世界では最強格まで上り詰めた男だぞ?この程度余裕楽勝よ」


すると、何も考えずに走っていたせいで目の前が崖であることに気づいた


「うわっととと!」


そこは崖ということもあり、森含め大部分を覆っている大草原を確認することができた。

そして、その中央に大きな城壁で囲まれた街が生き生きとしながら存在していた。


「あれが、ここ周辺を支配しているヴァレンディア王国の管轄内に存在するボルス町だ。俺達がさっきまでいたナンバ村と比べて発展しているだろう?」


「そう、だな」


クエストがたくさんあるんだろうな。

いかんいかん、魅入ってしまった。


「よし、じゃあ行くぞ!」


俺は大ジャンプをしボルス町が存在する大草原へ着地した


「無理するなぁ……俺をおぶってること忘れないでおくれよ?」


俺は賢治へグッドサインを送り、突っ走っていった。



「城門に着いたな」


鉄の鎧をつけた門番が二人…いや奥の二人を合わせて4人城門を管理していた。


「これ通るのになんか証明書とかいるか?」


「自分についての証明ができるものがあれば大丈夫だよ。僕と政宗は冒険者カードを持っているから大丈夫ってこと」


俺はそれを聞いて安心しながら、城門の前へ立った。


「自分の身分を証明するカードの提示をお願いします」


門番は少し面倒くさそうに俺達に聞いてきた。俺達は冒険者カードをすかさず提示しボルス町の中へ入っていった。


「よし、これで入れた訳だが賢治が言ってた学びの屋敷ってどこにあるんだ?」


「ボルス町の西側にボルス町の冒険者ギルドよりも大きい建物があるはず。それが学びの屋敷だ」


俺は人がたくさん歩いていた為、走らずに学びの屋敷へと向かった。


「ねぇーままぁ?あの人大人を抱っこしてる〜」


「ああいう人には諸事情っていうものがあるのよ!気にしちゃだめ!」


遠くからそう言われているの聞こえているんだよなぁ…

とりあえず学びの屋敷なるものが見えるところまで来たぞ


「そうそう、政宗、あれが学びの屋敷だ!」


賢治は少し微笑みながら俺に道案内を丁寧にしてくれる。




そして遂に学びの屋敷の真正面にたどり着いた。学びの屋敷は実に屋敷というには学校のような見た目であり、白衣を着た人間が出入りしている。


「これ俺が入っていいやつなの?」


「まぁ僕がいるから大丈夫だよ。僕はねこう見えて結構著名人なんだよ」


「だから、家にいても生活できるぐらいのお金はあるのか…」


俺は魔導師の賢治をおぶりながら入っていった。他の人からの視線が痛い…


「あれ?賢治じゃん。どうしたの?」


白衣を着て服装を整え眼鏡をかけた男性が話しかけてきた。


「ちょっと大事な話があるから、ここに話しに来たんだ。医務室へ連れて行ってくれ」


「わかったよ。それでお前をおぶっているこの人は何ていう人なんだ?」


俺はすかさず自己紹介をした


「俺の名前は政宗だ。今はまだ弱いが強くなってお金を稼ぎ原初の勇者の行方を追っている」


俺がそう言うとメガネをかけた人物は俺に近づいた


「原初の勇者ね…彼は今魔皇龍アドバンよりも研究されている一人だ。医務室のベッドに賢治を寝かせて皆で話そう」


彼は前を向くと、何かを忘れていたかのようにすかさず後ろを向いた


「な、なんだよ」


「言い忘れていたけど、オレの名前はドラコだ。宜しくな」


「よろしくな!」



医務室にたどり着くとおぶっていた賢治をベッドの上へ寝かせた。


「政宗、ちょっと迷惑をかけたな。何か聞きたかったら学びの屋敷に来いよ」


「よし、賢治…ここからは本題だ。大事な話っていうのは何だ?」


賢治は瞬時に真剣な顔つきになった


「僕は政宗からとある報告を聞いたんだよ」


「報告って?」


「基底物質に"絶対的なモナド"が発生した。性質的には過去の現象によって露出した領域全土を包み込む絶対的な殻…通常虚無と同等だ」


オルメキアが言っていたものがこの領域にもあるのか!


「つまり、基底物質の構造が変化したとでも言いたいのか?賢治」


「そうだよ。しかもこれは俺の仮説だが、この構造変化だけではない。これからは構造よ文字自体が変化する…これを俺は文字流動仮説と言うことにした」


「なんかお前らしくないな。その1個の事象だけで決めつけているのか?」


「俺の方でも調査したが、これは俺達をはるかに超えるM(M(『監視者』))の影響の可能性がある。M(M(あいつがこの論理に降臨したら文字が流れ全て崩壊する))…これが文字流動仮説を提唱した理由だ」


ドラコは顎に手を当てた


「M(M(監視者か…))まぁいい、特に今はまだ被害が無い…被害がどこかで発生したらまた考えればよいだろう。他には無いのか?」


「あぁ…特にない。この文字流動仮説が正しかった場合の被害が尋常ではないから急いでこちらに来ただけだ。ところでだ」


「お前は何故原初の勇者を追っている?」


ドラコは俺を指差した


「そういえば、僕も聞いたことがなかったな。さらっと聞かれただけだったし」


俺は一呼吸をして答えた


「追っている理由は因縁やら復讐みたいな大層な理由ではない」


「「?」」


「前の領域の平原だっけか?そこで俺は目を覚ました。地球という惑星についての記憶しかない状態でだ」


「地球についての記憶は存在するのに家族などの記憶が無く、もやもやしながら冒険をしていると魔王に原初の勇者に顔が物凄く似ていると言われたから、もしかすると俺と関係性があるかも?と思い追っているだけだ」


「ふ〜む、確かに過去の文献で描かれた原初の勇者に顔が物凄く似ているな」


「過去の文献?」


俺は聞き返した


「彼は超古代文明であるマディッケル文明の創設者の一人だ。それ以外にも超古代文明は存在していたが、圧倒的な魔導技術、解析能力、構造把握力などは桁外れでマディッケル文明の人々が最初の勇者である原初の勇者と認めたことが起源だ。このマディッケル文明は現在は一番古い国超魔導大国マジックとして繁栄している。彼らの宗教マジカル教は唯一神として原初の勇者を崇拝している。また超魔導大国マジックはリミット・ブレイクを行った人物達、通称"超越者"と呼ばれる人達で構成された超越軍を保有している。軍の強さは中央連邦が作った対魔皇龍用の討伐隊すらも超えるとも言われているね」


「ちょちょ、ドラコ!原初の勇者以外のことも語りすぎ!政宗は原初の勇者のことについて知りたいのに」


「すまんすまん。とりあえずさっき言ったことが確定事項だ、そして、不確定ではあるが我々が研究して辿り着いたのは…魔皇龍を過去封印したのが原初の勇者でその後は更なる高みへと行ったのではないのか?という説だ。依然として彼の人物像や目的などが分からない」


「なるほど…じゃ、賢治俺は冒険者ギルドに行ってくるからそこでゆっくりしといてよ」


「うん、君は優しいね。いつでもこの学びの屋敷に入れるように上の方に話を通しとくから、いつでも来たまえ」


「てんきゅー」


俺は学びの屋敷を出て、ボルス町の冒険者ギルドへ向かった

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