↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/140

第125話 【メタ】

「基底物質の到達を教えてほしい」


俺は魔導師を訪ねた。


「基底物質の到達方法ね。この前は概要を解説しただけだったね…君的にはどう思うの?」


「俺的には…この11日間真実層を上げてきたが真実層全ての論理が集い全ての数学を集合し真実層をどんなに上げたとしても基底物質の影にしか届かない。だから何らかの別の方向性から攻める必要があると思う」


「ほぅ。よし、では今から解説するか」


「待ってました!」


「まず最初に基底物質というのは本来語れない、否定の形でしか表現できず否定し尽くした静寂に佇んでいる。というのは分かるよね?」


「そんぐらいは…まぁ」


「そこからだよ。問題は…真実層をいくら駆け上がっても真実層と表現されている以上、確実に基底物質には辿り着けない。そこでだ」


「そこで…?」


「我々上位の存在が真実層からは語り得ない存在を基底物質として固定し制限している手法を取る」


「というと…想像ができねぇ」


「どんなに高位の論理学であろうと、どんなに知性の外側に存在する完璧な言語体系、記号群だろうと…これら全ては事実上は私達が語り得ない、知り得ない、理解できない、定義できない、論理を超えた存在達だ。だが、語れている。なぜだか分かるか?」


「う〜ん……え?……う〜ん…?」


「私達が語り得るまで抽象化…つまり概念の降格がなされているのだ。つまりこれらは全てアバターといって差し支えない」


「つまりだ…メタ的表現法が自動的に用いられている」


「メタ的表現法…?」


「そう。例えば『私達が語り得ない存在』というものはMeta(私達が語り得ない存在)又はM(私達が語り得ない存在)と表現される」


「それがどう基底物質に到達するために必要になるんですか?」


「このメタ的表現法はどの対象がどの概念を降格させるのかで決まる。つまりだ…答えを言うが真実層に存在するお前の改変の練度から見てM(基底物質は語り得ない)とすればいい。そうすれば本質が本来の意味を失ってまで降格され抽象化されたものが出力される」


「そこからどうすればいいんだよ!いわば、それは本物じゃなくてアバターなんだろ?」


「そこからは簡単だ。君の実質的なアバターである君の改変の練度という超概念を使って逆にメタ的表現法の抽象化を具体化し遡っていけばいい」


「そ、そんなことが出来るんですか…!?」


「いくら否定による表現方法を取ったとて抽象化されメタ的表現法に表現されている時点で語り得ないものは段階的には語り得るものに我々の改変を進化させることで変化させることができる。簡単に言えば論理の上昇をわかりやすくした感じだな」


「そ、そんなことできるんだ……」


「ところで、話は変わるのだがこの村にはいつまで居るんだ?」


「あ〜今のところはコーンラビットを倒せるようになってからだな」


魔導師は少し寂しそうな顔をした


「そうか…ま、自分的には実質介護みたいなこともしてくれたし、結構楽しかったから少し寂しいが…この村冒険者がお金稼ぐには小さいもんな。コーンラビットだったら基底物質ぐらいの改変の練度で倒せるから、もうそろそろだな。街を出るのは」


「そうだね。じゃ、俺は外で基底物質ぐらいまでは到達するようにしてくるよ」


「コーンラビット頑張って倒せよ〜!」


俺はそう言い魔導師の家から出ていった。



俺は外に出ると早速言われた事をやってみた。まず自分自身を真実層の到達不能基数レベルまで落とし込んだ。

そしてそこからメタ的表現法を使用し基底物質の表現化を図った。すると俺の目の前に一つの情報が届いた。


『基底物質は原子の連結的構造を凌駕し、それらでは語り得ない否定し尽くした先に存在する存在です』


メタ的表現法がきちんと活用されているな。省略はされているが、内部にはきちんとM()が存在する。あとはこの概念の降格、抽象化の階層を登っていけばいいんだな。

俺は慎重に慎重に階層を登っていった。

基底物質を具体化していけばしていくほど、原子という存在から遠ざかっていっているのがわかる。


俺は原子に「あばよ」と別れを告げるとともに抽象の層を登っていった。




約3時間はたっただろうか…?どこまでも抽象化の階層、階段を登ったが終わりが見えない。終わりがないのが終わり…なのか?

そんな馬鹿な…何かが足りていないんだ。

俺は一回また戻り魔導師に聞いてみると「レベルが足りてないんじゃないのか?」ということだった。

深堀りするとレベルは直接的に改変の潜在力に関わっているそうだ。レベル上げはスライム討伐以降20万で止まっている。


「コーンラビットと対峙してレベルを吸収するしかないか…」


この方法しか今の俺には思いつかない。スライムの時よりも遥かに危険…今俺を山の中で助けてくれそうな人もいないし、シルフィアは村の少しの滞在が終わり別の街へ渡り歩いていったしなぁ。本当にミスったら死ぬ…その覚悟でやるか。


俺は最後に高級な回復薬(500グラハム)と安い回復薬(10グラハム)を10個ほど買った。

そして、果物屋でりんご(1グラハム)一個とバナナ(1グラハム)を購入しそれを食べて山の中へ入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。