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第122話 【魔石】

村を一歩出たら、森だからその分は随分と助かった。よし、回復薬採取の時間といこうじゃないか。幸い俺は久しぶりに感じるスキルを使って爆速で採取することができる。採取王があるからな。



俺は森をあさりにあさりまくった。

まず開始5秒程で1本見つけた。俺はそれを膨大な空間ボックスへしまった

その次も1本、1本と採取していった。


そして、15本目…クエストを始めて2分程度しか経っていないというのに俺を瀕死に追い詰めた奴…そうスライムが現れた。


「相変わらずプルプルしてんな」


最初は騙されたが、様々なゲームで最弱格として君臨しているスライム。そんなお前ですら今の俺と互角かそれ以上


「あ〜笑えるな」


前の領域では魔王を最後は圧倒した俺ですら、この世界ではスライム以下か…

このスライムのレベルはおよそ9万8000、改変と政宗流剣技三の型を使えば改変と吸収でこいつの強さも吸収できるかもしれん。

レベル上げの糧になってもらうよ。


俺は剣を手に持った。そしてスライムへ構えた。スライムも俺を攻撃しようと周囲を屈折させる。


「さぁいくぞ?」


俺はスライムへ攻撃を仕掛けた。無数の斬撃に全て原子+の優先度を保有する改変も交えながら攻撃する


スライムは因果改変により己の勝利へ改変するが、その改変を俺の改変で阻止する。

その様はまさに事象の改変の混ざり合い。混沌となった今は勝ち/負けという勝敗という結果すらも崩壊していた。

だが、改変のぶつかり合いは優先度が存在する以上…改変の優先度が高いものが勝利する。それが絶対的な法則だ

俺の改変が僅かにスライムの改変の演算を上回った。その一瞬を突き俺はスライムを打ち破った。


ぷしゅ〜〜〜


スライムは風船のようにしぼみ消えていった。そして一つの魔石を落としていった。


「綺麗だな」


魔石の内部にはあらゆる世界が反射し実在していた。起こり得る世界、起こり得ない世界、起こる起こらないの外側に存在する世界、起こる起こらないの外側に存在しなかった世界、起こる起こらないの外側に存在する存在しないの外側で起こり得る世界、起こる起こらないの外側に存在する存在しないの外側で起こり得ない世界………これら全てのパターンを網羅し尽くし、それすらもこの魔石の一部だ。


「取っておくか」


俺は魔石を空間ボックスの中へしまった。

今の俺のレベルはスライムを少し上回る11万レベル…前の領域では考えられない速度での上昇だが、恐らく自然なレベルアップよりも吸収効果のついた任意型上級スキルである無意識射撃が強いのだろうな。


俺はその後も黙々と薬草を採取しあっという間に100本に到達した。その最中にもスライムが3匹ほど出たが、全員倒した。レベルは11万から11万5000…初回討伐時の上がり幅およそ10万から考えるととてつもなく低いな。

まぁ吸収という効果が俺が思っている以上に強いのだろう。俺はそう思いながら村へ戻っていった


村へ戻るとシルフィアが果物屋の店主と元気そうに話していた。

シルフィアは俺に気づいた途端に俺の元へ駆け寄ってきた


「1人で森のなかに入ったの!?」


「うん、クエストをやるためにちょっとね」


すると果物屋の筋骨隆々でエプロンをしている店主が口を挟んだ


「おいおい!シルフィア。あいつはもう成人してるだろう?別に気にするこたぁねぇさ!」


「彼は最近スライムに瀕死の状態にされていたのよ!助けた人が森で死体として見つかったら気分が悪くなるわ!」


「スライムなら3匹ほど会った」


「嘘でしょ!?倒せたの?」


シルフィアは俺の肩を両手で掴んだ


「倒せたね。ほら」


俺は空間ボックスから4つのスライムから手に入れられる魔石を見せた


「す、すごい…本当だわ」


「で、でもね。この森はほかの森よりは魔物の強さは低い…でもねコーンラビットがいるから気をつけてよね!」


「コーンラビット?俺が見た感じスライムしかいなかったぞ?」


すると店主が得意げに話した


「お前シルフィアの話からして強くなったんだな。でもなコーンラビットは少し手こずると思うぜ?あいつはよ、身体は小さいから小回りが利く。そして額についた角でふくらはぎを突き刺すんだ…子供1人で森に入って翌日穴だらけの死体で見つかるなんて有名な話だ。万全の準備をして森の中に入れよ?毎回新しい魔物と対峙して死にかけてたら、いつか普通に死ぬぞ?俺の親友でなぁ」


「ちょっと!ちょっと!ストップ。もうわかったから!あんたの昔話は毎回長いんだから」


「とりあえず、きちんとトレーニングしてからまた森に入ってよ?」


俺はそう注意され、「わかったわかった」と言った後に自身の冒険者カードを確認した。


「そういえば、あんたランクアップはしたの?」


俺は冒険者カードをみた


名前:後藤政宗

ランク:J

経験値:15/200

グラハム:171


「ランクアップは今ちょうどしてるね。シルフィアはどのランクなの?」


「今ランクアップってことはランクはJなのね。私のランクはDよ」


「ふ〜ん」


俺の6段階上なのか。結構冒険者全体でも上の方じゃね?

まぁいい、俺はとりあえずの目標としてはコーンラビットを倒せるようになることかな。

俺は空間ボックスを使ってみて、思ったことをシルフィアに聞いてみた


俺は空間ボックスから前の領域で幻獄の聖魔ドレイクの屋敷で手に入れた莫大な金を取り出した。


「これって換金できると思うか?」


「あんた、その金どうしたの?一回鑑定屋に持っていってみたら?そこで買い取りしてくれると思うよ。そして言い忘れていたけど、魔物の魔石はギルドの方で換金してくれるよ。ここの村のギルドはボロいけど、あれでもギルドだからね。じゃ、私やることあるから」


シルフィアはそう言って森の中へ入っていった。


「兄ちゃん、果物買っていかねぇか?」


果物屋の店主がそう言って、手をこすり合わせながら頼んでくる


「3個ぐらい買わせてもらうよ」


1個の値段が1グラハムのリンゴを3個俺はついでに買った


「まいどあり!」


俺は次に鑑定屋へ向かった。この金を売れれば俺は億万長者だ!

俺はスキップしながら鑑定屋の看板がつけられた店へ入っていった。


「すみませーん」


俺がそう言って入ると老婆がカウンターの向こう側で座っていた


「あんたぁ…見ない顔だね」


「最近来たんです」


俺はそう言い金の延べ棒一本をカウンターへ置いた。


「あんた凄いもん持ってるねぇ」


老婆はゆっくりと近づき老眼鏡をつけ、細かく金の延べ棒を観察した。


「あんた、これニセモンだよ?やられたねぇ」


「え、う、うそ」


ほかの領域の物質はこの世界とは異なるのか?


「ニセモンだから買い取れないよ」


「ど、どこが偽物なんですか?」


「そりゃあ原子の構造が違うからねぇ、なんか変なんだよ。構造が異なるっていうのかねぇ」


「買い取れないのかぁ」


俺は金の延べ棒を回収して空間ボックスの中へ入れ鑑定屋から出ていった


「巨額の富を築けると思ったんだけどなぁ」


俺は頭を傾げながら冒険者ギルドへ向かっていった。


「すみませーん」


俺がカウンターで声を出すと、今度はエプロン姿じゃない最初にあったときと同じ若い女性が奥から出てきた


「あれ、あなたまだいたのね。ここらへんは安全で依頼も少ないから冒険者が来ても宿泊ぐらいしかして行かないのに」


「当分はここにいると思います。ところで何ですけど」


俺はスライムの魔石を4個取り出した


「これ買い取りいけますか?」


「あ〜スライムの魔石ね。この村あんまり魔石の買取とか無いから助かる〜〜ありがとね」


彼女は俺の手から魔石を取り、個数を数えた


「スライムの魔石は1個あたり1グラハムだから4個で4グラハムね」


「ありがとう」


俺は4グラハムを手に入れ、早速財布というか冒険者カードの中へ直接送金した。

すると彼女が話しかけてきた


「冒険者として生きるには別の村行ったほうがいいわよ?この村あっても清掃系ぐらいしかないし…それら全て1グラハムとかだしね。回復薬採取の依頼も本来は150グラハムとかじゃないけど、この村は冒険者がいなくてクエストが残っててね。そのせいで値上がりしたみたいな感じなの。だから別の村か近くのグアンベレハの街行ったほうがいいわよ。ここら一帯だと一番発展している街だし」


「いろいろありがとうございます。自分もまだまだ弱いのでここらで色々鍛えてその街に行こうと思います」


「ま、自分が良いようにしなさい。あ、回収した回復薬は私にちょうだい」


俺は回復薬100本を彼女に渡して宿屋へ戻っていった。

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