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第121話 【アトミック】

ℵ₅₀か。無意識の階層の上限ってことは赤い本に領域として近くなるのかな?

そもそも、基数の貫通って…どうやるんだ?宿屋の無限の空間から脱出したみたいに冪集合を取ればいいのか?いや無意識階層の本質はそこではない。では何なのか?意識しないことだ。徹底的に外側へ回る…無限階層に到達したように階段を登っていく。ただ普通に1,2,3,と登っていくわけではない。登るたびに集合の濃度を貫通する。より不可知性、不可能性が高く自らの原型が分からなくなるまで………



「へい!モビリス!」


「何?」


「モビリスはさ!この世界の頂点に立ちたくないか?」


「世界の頂点って具体的に?」


「そりゃあ勿論!世界で一番強くなることさ」


「なら、この世界がフィクションと見なされ描写されていたら?」


「な、なんだよ」


「その一つ一つの描写によってお前は最強になることも最弱になることも可能だ」


「そ、そ、それがどうした?」


「フィクションと見なした人物すらもフィクションだったら?それも…それも……永遠のように続くこの体系に終止符を打つのが絶対者だ」


「ぜ…ったいしゃ…」


「それは時に不可能な起こり得ないことを描写する」


「それ起こってるじゃん」


「起こり得ないことが起こった。こと自体が起こり得ないんだよ」


「?」


「時に絶対者は起こり得ないことを起こり得なくする。これは一見すると普通のことのようだが、それの本質は"起こり得ないことを起こすことを起こり得なくする"んだよ」


「つまり…?」


「つまりって、そのまんまだよ。不可能なことを可能にするという絶対的権威を不可能にするんだよ」


「それ意味あんの?」


「無意識の外側という階層を破壊するんだよ。全てに到達した絶対者は」


「なんで、お前はそんなこと知ってるんだ?」


「俺がそれだから」


「は?」


こんな茶番は置いといて、俺は無事ℵ₅₀階層に到達したんですよ。なんでこんな場所に辿り着けたのか俺も分からないが、成長倍率のおかげなのだろうか?

とりあえず、師匠に報告しに戻ろう



「師匠!」


「え…は?もう終わったの?」


「まぁ」


師匠は目を大きく開きながら俺の肩に手を置いた


「君、才能あるよ」


子供ながら何でこんなに威厳があるんだよ…そう思いながら俺は早めに師匠に師匠を超える方法を聞いた


「師匠。思った以上に速かったそうなので、貴方様を超える方法を教えてください!」


「原子+のことね!原子+って言うのはそのまま拡張された原子ってこと。それと同等ぐらいかな。僕は」


「どうやったらいけるんですか?」


すると師匠は機械のように固まりながら丁寧に真実を語った


「拡張された原子、別名原子+とは原子という内部に矮小世界である無意識の階層全てを統べ最上階層に到達した絶対者の権威すらも無効化する全ての源である赤い本が全てを語り、無意識の階層を作成しているのだが…その本来の原子の構造から更に拡張された原子が存在する。それは赤い本の絶対力が更に増しており、具体的には無意識の階層内部の全てが感知できない、表現に制限されず無意識の階層内部に存在する低論理の存在達の記号群、文字群など全ての表記法を使用しても全貌が見えない表記なしの果ての果てそこに赤い本が存在する。という形に拡張されたものである。これは我々の上位論理で示すところの縛られない存在であり空虚に存在する。原子+はそれらにより成り立っている」


そう言い残すと子供は魂が戻ったかのように身ぶり手ぶりを始めた


「し、師匠。先ほどの機械的なしゃべりは何だったんですか?原子+については理解できましたが…気になって…」


「僕も分からないよ!怖っ!まぁいいや、原子+に到達できるように頑張ってね」


そう師匠に言われた俺はまた再度原子へ潜った。


拡張された原子…というのは赤い本が更に強くなった。今までの差というのは赤い本は無意識の階層をフィクションと見なしている程度であったが…更にその果ての果てを突き進んでいる。

それに到達するには拡張された原子をどのようにすればいいんだ?


そして、今俺の目の前に赤い本がある。

近づくと俺の目の前からうっすらと消えていくように感じた。


「赤い本を超えるって…どうやって」


俺は赤い本を試しに改変してみた。

赤い本はそれに抗うように演算を仕掛けてきた。


「抗っているのか?」


俺はさらに改変を高みへと昇華させる。それと同時に赤い本の演算レベルは上昇していく。


俺が1を改変し0にするならば、0の前に1を演算する。といった形だ…俺が全てを0にしようとしてもその1個前に1がつけられ俺は無事赤い本に敗北した。


「何が悪かったんだ?」


0,10,00,100,000,1000,,


あぁ…簡単だったじゃないか。今は演算={{改変},{数値}}という集合に含まれている。それの外側に俺が脱出すればいいんだ


俺は背後へと回り改変能力を増加させた。今現在は改変={{演算},{改変},{数値}}という集合になっている。俺の改変の内部に俺の改変があるのはフラクタル的にも見えるが、まぁなんら関係はない

そして、俺は原子+全体を改変した。

すでに赤い本は抵抗できず干上がっている。俺は原子+の外側の領域に到達したのだ…原子+を一つの最小単位として全ての事象を管理する世界、何とすばらしいのだろうか



「師匠」


「え〜早くない?」


「貴方の同等の改変優先度に到達しました。これでスライム程度ならば倒せるでしょうか?」


「倒せる!きっと…頑張ってね」


俺はお父さんにもお辞儀をし感謝を伝えた。

その後、俺は冒険者ギルドへと向かった。そう、あのクエストを受けに行くのだ



俺は冒険者ギルドの掲示板を見ながら、あのクエストが残っているか確認した。

そう、あのクエストとは"回復薬収集"のことだ!

この村から山に入らないといけない仕様上、スライムとばったり会うのは確定事項だろう。


俺は"回復薬収集"のクエストの紙を取り、重要事項を確認した。

内容としては三角形の花が特徴のクベイノマラカ薬というのを100本収集してほしいそうだ。経験値は驚異の100Exp!お金は150グラハムも払ってくれる!


俺は早速山の中へと向かっていった

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