第110話 【オルメキア】
俺達はオルメキア・クローンの後ろをついていくと、頑丈な鉄の扉が出現した。
傍にあったパスワード入力用のタッチパネルに色々なことをオルメキア・クローンが行った後に鉄の扉はプシューと煙を発射しながらゆっくり動いていった。
「後はコチラをまっすぐ進んでもらったら大丈夫です」
そう言った後にオルメキア・クローンはこめかみに再度拳銃を突きつけ発砲。死んでしまった
「な、なんなんだよ!ここは!」
恒一が周囲の光景を疑いながら叫ぶ。正直言ってここは異質な空間だ。
過去から現在に至るまで聞いた噂話のなかにもこれほどの超技術は無かった。もはや地球文明そのものすらも超えている科学技術…そして、オルメキアとはなんなんだ
そう思いながらも鉄の扉が完全に開き、煙が無くなった後に中をみると細い鉄の道があり、その先端には円状の鉄と数多のスクリーンに囲まれた場所があった。周囲は少し照らされてはいるが全て黒、目立つ光は中央の円状の場所しか無かった
「とりあえず…行ってみるか」
俺が先頭に細い通路へと入っていく。柵はあるが人一人がようやく入れる細さ…そしてその道から下を見ると、どこまで続いているかもわからない深淵しか無かった
全員黙々と進んでいき、先端の円状の場所に辿り着いた。その鉄の円状の場所は周囲がグルっと機械で囲まれ中央には黒いローブを羽織った人?が立っていた。
「お、おい…お前がオルメキア・プライムなのか…?」
俺が恐る恐る声をかける。
オルメキアらしき人物はゆっくりと瞼を上げる
「勇者達が来たか」
オルメキアは黒いローブを外した。そこには四天王とは思えない細い体に右腕全体は機械となったいびつな存在がいた。
「君達は惑星名『地球』から来た人達だね」
「な、なぜわかる!?」
他の勇者達は声を上げた。勇者を呼びつけた人間の魔術師達ですら恐らく知らないであろう事実を奴は知っている…なぜ!?
「ま、そこの人は出生はよく分からないけどね。地球らしいけど…地球じゃないっぽい?まぁいいや」
そう言いながらオルメキアは俺を指差した。俺は地球人ではないのか…?どうなってるんだ
「な、なぜお前はそんなことがわかる…」
俺がそう聞くとオルメキアはため息をついた
「地上世界はそこまで技術が進んでないのね。それぞれの固有の世界にはそれぞれ固有なワールドエネルギーが少なからず埋め込まれているのよ。それで世界の座標を特定して大体見れるんだよね」
そう言った後にオルメキアは近くの機械のモニターをまじまじと眺めた
「それにしても君達の世界ってさ…広いね。これ宇宙って言うんだろ?この人間界と魔界で分かれている世界があり得ない数存在して構成される銀河に銀河団、宇宙、マルチバース。少なからずともこの世界の1兆倍は広いよ?」
こいつ…隅々まで調べ尽くしているのか?
「な、なぜあなたはそんなに知っているんですか…?」
智也が警戒しながらも皆気になっていた事を聞いた
「純粋に僕は真実が知りたかったんだよ。それに加え人間のような100年で死ぬ種族ではなく軽く1万年生きられる魔族だ。やりたいことは無限にできたさ。そのせいかな?
この世界についても全て解析済み」
オルメキアはモニターから視点をくるっとこちら側に映して智也の方を見た
「君…あのじいちゃんからα属性魔術理論託されているね?あれもね980年前ぐらいに僕が追ってた世界についての理論なんだけれども、あれを利用されたくないために隠れていたらしいが…反世界とそれの力の転移装置は僕は既に開発済み。君の能力も持ってるよ」
智也は驚きながらも、この科学者ならばあり得ると納得の会話をしながらオルメキアを見ていた
「ところで、なぜお前は俺達を呼んだんだ…?」
「正直言ってね。何で人類が他世界から人を呼べる技術を授かっているのか気になってたんだよ。僕もまだ再現できていない超技術を言い方は悪いがあんな猿集団が使えるのかって疑問に思っただけ。なんか知ってるかな〜?って感じで連れてこさせたのさ。
そもそも僕は四天王の中ではそこまで好戦的じゃないし、魔王様に埋め込まれた転生の宝玉も勝手に取って適当なクローンに埋め込んでいるから君等はそのクローンだけ壊せばいいよ。僕はまだこんな所では死ねないからね」
「つ、つまり俺達が召喚の儀式について何か知ってるか?って事で連れてきたのか?」
「ま、だけど何も知ってなさそうだし…もういいや、というかそんな召喚の儀式は完全再現はできていないけれども儀式の理論自体は推測はいくつか出来ているからあと100年後には完成するかな?君達にはもう特に興味はないよ」
「お、おい!だったらこの世界のこと教えてくれよ!俺は地球の記憶があるけれどもそこで暮らした記憶が無くて自分がどんな存在なのか探しているんだよ。それのヒントが見つかるかもしれない!教えてくれ」
俺は必死に頭を下げた
「まぁ仕方ないね。僕が知っている事としたら…」
僕は過去、世界について探求する純粋な科学者だった。空はどこまで広いのか調べるために専用の機械を作ったりしていたんだよ。いろいろな定理を組んでからさ…そして出来たんだよ。空の天井にたどり着くことが出来る装置がね。実際にそれを使って空の天井にたどり着いたんだよ…僕も実際にそれに触れてみて…「硬い」という感想と同時に世界はドーム状の空に囲まれてるって分かったんだよ。この世界自体人間界と魔界が合体した中央大陸から数千km航海してもまだ海といった非常に広い世界だった。だから先が無いものだと思っていたが、世界の端は海であると同時に空によって分断されていると分かった。僕が思っている以上に世界は狭かったんだよ…そして空に僕は穴を空けた。世界を包み込んでいるということはその外側、裏があると思ったんだよ。そして、僕は空にも限度があると気づいた約10年後に空を貫通した。
ガラスのように空全体にビキビキっとヒビが入りそこには黒や白といった概念すらない…盲目の人が見ているような何もないという虚無が広がっていた。実際に石を空の果てへ投げてみたら石の有と無という二元性の関係自体が消失し、石がポッと消滅したんだよ。恐らくあそこは有と無という概念自体が消失する絶対的無…いや、それだけだと特性を付与してしまうから、何と言うんだろう……『表現しない、説明しない』が正しいのかな。あの空間は僕が説明するだけでそれを縛っているような気がする…あそこの影しか僕達は語れないのだろうね。僕も直感的に危険を感じたよ…だから機械から降りて地上に降りようと思ったその時…あの場所、概念、名付けるなら虚構から一つの目玉がギョロッと僕の方を見て脳内に直接『警告』この二文字が送られてきたんだよ。しかも本質的な意味は理解していない文字、言語、発音…全てこの世界のものとは異なるのに『警告』という意味だけは通じる神の言葉。僕は基本的に無神論者だけどその時だけは神を信じたね。
僕はその後地面に降り立った。
その時に感じ取った事は地下を掘ろう、なんだよね…その翌日ほどに暇つぶしでα属性魔術理論の完全解析が終わった。簡単に言えば反世界とはこの世界とは異なるが2つで一つのような関係性を持つ双子世界だ。だから常に折り重なり互いに影響を与えている。影響の代表例としては魔法だね。原子や分子の対となる特殊な魔力というエネルギー場が反世界に流れているが、それが漏れ出たものが世界に充満している。それで話を戻そう。
そのα属性魔術理論を用いて、ここ魔王様の魔王城とかいう古びた城の地下に巨大な研究施設を作った。それがここだね
ここは実は魔王様にも秘密な場所で、バレたら多分大変なことになると思うからずっとここで隠れてるんだ。念には念をで案内役のクローンにも僕の居場所のデータを送った後に殺している…君達も見ただろう?
そして、この巨大な施設の中で上がダメなら下に行こうという感じで巨大なドリルを作った。君達の世界みたいにマントル?とか核が無いから温度も一切無し!天空到達よりも簡単だったかもしれない。
地下2500kmを掘った…たったのそれだけしか掘ってないのに最下層に到達した。僕はそれを削って再度世界の端を貫通したんだ。
今回はあの目玉が来る前に色々と調査をしたよ。でもそれら全てが「分からない」という結果で終わってしまった
そして貫通して1分ほど経ったら目玉がまた現れた。僕はそいつともコンタクトを取ろうと前回の『警告』から分析した独自言語を使って挨拶をしたよ。
すると奴は『過去に2回もの異領域転移を確認している為、警戒レベル1領域に指定されています。警告します。ここから先へは出てはいけません。警告します。ここから先へは出てはいけません。警告します。ここから先へは出てはいけません。』とか言ってたから、僕は更に好奇心が擽られてね。出ようと意識した瞬間に……右腕は消滅したよ。
そして目玉の野郎は『直接再度異領域からの脱出を試みるならば、今回の領域全体を消滅させます』とか言ってどこかに行き、虚構を塞いだよ
だけどね、僕は天才だからあの目玉野郎の成分を10^-100g採取しておいたんだ。ウキウキで施設内に戻って僕はそれを解析したんだよ。したらね…この世界の真実が僕達にも分かるような低次元言語にて翻訳されて出てきたんだよ。
内容がね、この世界つまり領域というのは思考、考え、根本的なものによりそれぞれ大きさが違うらしい。そしてそれを絶対的に分割する「???」恐らく僕が呼ぶ虚構というのが第一の膜として機能し、それよりも先の巨大な観測不可能の絶対的でありあらゆる言語学による表現を超えたような「???」が殻として動作している。名付けるならば虚像が存在する。そしてそれの更に外側には絶対的な無…いや無そのものの論理を超越した「???」が全体に浸透し、完璧にどんな領域すらも包みこんでいる。これを名付けるならば虚無があるという構造になっているらしい…それでほかの領域同士が干渉しないように機械的に動いている。更に僕は疑っちまったよ。それら全ての中心にあるThe・Coreという存在に…翻訳内容には『全ての文字列が並ぶ…それら全ての組み合わせすらも凌駕する真なる語り手』とか言われていたが、正直言って虚構、虚像、虚無と違いが分からない。直接影、低レイヤーに落としているからそうなっていると思うのだが…まぁいい、ここで僕は考えたんだよ。過去に行われた2回の転移のことさ…どのように虚構を突破し虚像を無視し虚無を貫通したのか…そして1回目は過去の魔王vs勇者、最初の戦いの勇者の召喚儀式だとして2回目はどこで行われたのか?
様々な検証をした結果、少し残念なことが分かったんだ。そうこの虚構やらThe・Coreやらの存在というのは偽でこの領域内の世界観として存在しているだけであり、影ではない真実は私達が理解できない場所にある。不変的に「分からない」というのは「分からないということが分かる」ということで、「無が無いが有る」のような概念だな。私達が事実を知るごとにこの領域は膨張している。そしてこれにより転移は我々が「ワールドエネルギーがある」と思ったらワールドエネルギーが出現するように転移できると思いながら行うと他世界から人を持ってこれる。つまりだ、局所的にこの領域は内部に数多の世界を作り出し人を呼び込める。そして、僕がこれが単一領域であると認識し、ほかの領域があり虚無があると考えた時点でこの領域はそれに対応し真実に限りなく近い偽の物が生まれる。よって今後転移魔法などは使えなくなるだろう。つまりだ、認識が現実になるということだな。簡単に言えばな…これに気づいたのが一昨日だ。そしてそのうえで儀式があと100年以内に完成できると言ったのは超知能機械βが完成しそうだからだ。こいつは我々の言語や数学、物理などよりも完成された言語や数学、物理を生み出す。そしてこいつの演算速度は限りなく無限に近い。これにより転移の仕方を考えれば領域間の転移方法は少しの時間は使えるという訳だ。
「まぁ、こんな感じか?要約すると世界は我々の思考に対応して膨張する。如何なる論理を用いようとも理不尽のように領域はそれに対応する。そのうえで真の転移方法を実現するためには領域が今まで対応してきた思考を遥かに凌駕した完成された文字列により領域の対応速度を凌駕した速度で転移魔法を実現するってことね」
「とりあえず君の地球という他領域はこの領域内に存在する仮の世界だ。それらのバグで君の記憶に漏れが出ているのかな?まぁ分からないが、いつかは分かるだろう。
魔王討伐に行きたければ、そこにいる転生の宝玉を持ったクローンを殺して魔王様がいる部屋に転移する暗号化された術式を展開するから、それ使っていきな。僕は魔王様とか関係ないから魔王様が死のうがどうでもいいんだよね。だから安心しな…トラップ部屋とかに繋がるやつじゃないよ」
「私達の世界って後付けだったんだ…」
「しかも年代的に恐竜がいた頃は勝手に埋め込まれた歴史だぞ…衝撃的だ…」
俺達は驚愕の事実を目の前に少し考えながらも、近くにいたクローンを無慈悲に真っ二つに切りオルメキアに転移魔法を頼んだ
「じゃあ魔王様頑張って倒してきてね〜勝てるか分からないけど」
そうオルメキアが言った後に俺達は地上の魔王の間にテレポートした




