第109話 【魔王城】
魔王城の在処は目処がついている。というか、紫に雲が立ち込め明らかに魔王城ですよとアピールしている紫の雷が轟いているあそこが魔王城だろう。
俺達は一直線にあそこに向かって走っていった。一ミリも魔王含めその他モンスターを成長させたくないからだ。
「政宗先生!あとどれぐらいで着くと思いますか?今雷の速度で走ってるんですけど!」
「い〜や、もう着くよ」
俺達は全員停止…という訳でもなく俺は魔王城の目の前で停止できたのだが…他の者は
「えっ!?政宗先生!?」
そう言い残した後に魔王城へ突っ込んでいった。魔王城自体周囲が溝でそこから山のような場所のてっぺんにあるのだから、魔王城の地下に突っ込んでしまったのだろう。
俺も急に停止したことを反省しながら勇者が突っ込んで空いた穴へ入っていった。
中は暗い洞窟的な通路と定期的に置かれる松明、ジメジメとした道が続いており城…しかも魔族の王の城と言うには見窄らしい外観であった
「お〜い、お前ら大丈夫か?」
「いてててて…政宗先生それは無いっすよ」
恒一がすぐに着いた瓦礫をはたき落とした。
「とりあえず、周辺探索でもしますか」
俺がそう言うと、近くにいた兵士?の魔族が俺達がいる場所へドタバタと近づいてくる足音が聞こえた
「やべっ!隠れるか!?」
俺がそう焦ると美月が既にレーザー的なのを通路中に照射していた
「な、なんだよそれ…」
「これですか。これはこの中にいる全ての人間以外の生体反応を察知したら自動で超エネルギー弾が発射される仕様です。善悪は関係ありません」
すると通路の暗い奥側から叫び声のような物が聞こえ、撒き散らされた血のみがこちら側から見えた
「ひぃ〜」
思ったより残酷なことするなぁ…
それぐらい本気なのは嬉しいんだが、善悪関係なしか…
「ところで、魔王の間的な場所に出るにはどこに行けばいいんだ?」
俺がそう言うと、次は智也が壁の通路に手をかざした。すると目の前の壁がサァっと消えていった
「な、うん?」
「反強い相互作用ですよ。忘れたんですか?」
「あ、そんなのあったな」
確か原子の分解ができるんだっけか?こんな迷路みたいな迷宮でこんな形で役に立つのか
「あとは一直線なので行きましょう」
この一直線…何十個もの通路をぶち抜いている。そして、その先からは一筋の光が見えていた
「とりあえず、あの光源に向かって歩くか」
俺が光を指さしたあとに俺達はその光へ向かって歩いていった。道中いろんな通路からは叫び声などが聞こえてくるが…本当に恐ろしいな美月の兵器は…適当に歩いていたら射殺は怖すぎだろ
歩いていくと、光を抜け一つの巨大なドーム状の空間に出た。
中央には何十本もの鎖で繋がれた巨大な三つ首のケルベロス?が座っている
「政宗先生、あいつは何なんですかね」
竜牙がそう言いながら、真竜化の融合率を高める。
俺達は警戒しながらもジリジリと近づいていくと、ケルベロスは目覚めた
雄たけびを上げながら自らを繋ぎ止めていた鎖を食い殺そうとケルベロスは襲いかかる。
「レベルはざっと1600って所か…」
恒一がそう言うと、ケルベロスの3つの首は全て綺麗に落ちていった
「恒一、お前切ったのか」
「はい…特に強くはなさそうだったので」
これは修行させて大正解だったな。魔界中心部、魔王の住処である魔王城にいる強そうな中ボスモンスターを簡単に殺戮できる強さを身につけている。そのまま魔王城に行っていたらミンチにされていたのに…修行効果抜群!
するとドーム状の部屋のてっぺんから一つのスピーカーが出現した
「やっと来たか…勇者達よ。人間ならざる力…異世界の者達か。研究材料になる…捕らえるか」
そうスピーカーが音を発した瞬間にドーム状の部屋のありとあらゆる隙間から重火器が出現した。
だが、次の瞬間それらは全て砂となった
「危なさそうだったので改変しときました」
彩葉が周囲を大丈夫か確認しながら話す。改変能力、本当に強いな
すると、スピーカーがまた音声を発し始めた
「改変能力も保有しているのか…ますます気になる。このエレベーターに乗ってこちらに来い」
するとドーム状の部屋の地面からエレベーターのような大きな箱が出てきた。
「乗っても大丈夫…そうなのか?」
「とりあえず、乗りますか」
俺は念のため結界魔法を展開しながら大きな箱の中に入っていった。
全員が入るとガタンッと箱全体が大きく揺れると同時に上ではなく下方向へ箱全体が下がっている感覚がした。
60秒ほど経っただろうか?エレベーターは完全に停止し箱全体が展開図のように展開された。
俺達はその時目を疑った
下方向へ行ったはずなのに明るい大都市が見えたからだ!しかも大都市の雰囲気はかつての地球と見分けがつかないほどに科学技術が発達した世界が広がっていた。
「な、な、なんだよ…これ」
俺含め勇者達全員が驚愕の顔をしていた。
そんな中、俺達の目の前に人間のような容姿の存在がすたすたと歩いてきた。
服装は白のTシャツに青の長ズボンを着た中性的な顔の人物だ
そんな彼が口を開いた
「オルメキアNo.86739です。オルメキア・プライム様が呼んでいる為、お迎えに参りました」
「お、オルメキア・プライム…?」
俺がそう聞くと、オルメキアNo.え〜となんだっけ?どうでもいいや。彼が答えた
「オルメキア・プライムとは我々オルメキア・クローンの原型元であり、いわば生みの親であります」
そう言うと彼は大都市の道路を堂々と歩き始めた。
俺達も仕方なくそのクローンについていった。
大都市に見えて歩いている時に感じたのは住人が全て同じ顔をしていることと、空に浮かんでいる雲が全く動いていないということだ。恐らく人工太陽に人工雲なのだろう
地球人類の技術力すらも凌駕するオルメキア・プライムとは何者なんだ。
複雑な道をくねくねと曲がりながら歩いていくと一つの白い施設に辿り着いた。
周囲にはあんなにいたオルメキアのクローン達はいない細い路地裏を辿って辿り着ける場所だ。
「では、私の役目はここで以上です。続けて中に入ってください。それでは」
オルメキア・クローンはポケットから拳銃を取り出し、それをこめかみに当てた
「まさか!?」
俺がそう言った瞬間にオルメキア・クローンは引き金を引き頭から脳みそなども吹き飛びながらその場に倒れた
「な、何してんだお前!?」
勇者達も何事!?という感じで驚いている。
もしかして、白い施設の場所を知ることはそこまで重要なことなのか?
俺はオルメキア・クローンの死体を横に黙々と進んでいった。
白い施設の入り口は当たり前かのような自動開閉式の扉…まぁ自動ドアで容易に入る事が出来た。
入ると同時にまた、先程のクローンと見分けがつかない人が現れた
「施設内からは私が案内いたします」
俺達はそのクローンへ黙々とついていった。




