第102話 【暴力】
ナイティを倒した後に城のみとなった要塞都市へ俺達は向かった。
近くに行っても何も起こることがなく、逆にそれが不気味に感じながら城の中へ入っていった。
中には人が一切おらず、大きな絵画がたくさん並んでいる。
そして玉座がある部屋に辿り着いた。
そこには不敵な笑みを浮かべているライオンの獣人がいた
「ほぅ…やはり、勇者がこれをやったのか。随分成長しているようだな、第三、第二、第一全ての将軍を殺したからな」
俺と結衣は密かに防御結界を何重にも重ねて展開する
「俺はよ。強くなりすぎちまったんだ、瞬間的な力であったら昔魔王の力を超えたんだぜ?そんな圧倒的な俺がいるからこの要塞都市には軍が配置されてないんだ」
俺は鋭い目を向けながら話す
「第一軍がいたじゃねぇか」
「あぁ…あいつか?あれは俺がストレス発散の目的で住民殺したら住民がここから逃げるからよ。そいつを殺すためにいるだけだ…一人だし軍とは呼べねぇ。戦力が軍並みだから第一軍とはしているが」
「それで…俺達をどうしたいんだよ?」
「か弱き人間の勇者達だ。実力は四天王のドレイクを殺れるぐらいらしいが…俺には届かねぇ。そこでよ!腕相撲をしよう」
「腕相撲だと?ふざけてるのか?」
「そうだよ、なんか文句か?別に正々堂々戦ってもいいが、俺に瞬殺されると思うぞ?なんたって今の俺のレベルは1000だからな。見た感じレベル800前後の勇者様達には厳しいんじゃないか?」
良かった、個々の固有スキルについての情報は漏れてなさそうだ
「先手必勝といくか?レベル1000の相手に力勝負の腕相撲で勝てる可能性は低い…か…」
俺はそう呟いて、周囲をキョロキョロしていると奴が俺の目の前にとてつもない速度で移動し拳を振り下ろした。
その大きい拳は100層にもなる防御結界を突き破り、最後のとてつもなく硬くした1層すらも破った。
「まずいッ!」
俺含む勇者達は瞬時に避けたが、拳は地面に衝突すると同時に凄まじい爆風を放ち城は一瞬にして崩壊、更地となり俺達はバラバラに吹き飛ばされた。
「なんか変な事をしようとしていたなぁ?この四天王である暴力の帝王バルゼインにそんな事は通用しないぞ?」
それと同時に俺達は全員戦闘態勢に入った。召喚者達は協力して強大なモンスターである聖霊王マグニエットを召喚し、魔術者達は様々な魔法陣を展開した。
だが、バルゼインはそれを嘲笑い誰を殺そうか指先でルーレットを回していた
「だ〜れ〜に〜し〜よ〜う〜か〜な〜」
バルゼインは近くにいた翔を指さした瞬間、姿が消えた。
俺は瞬時に超過負荷を展開し翔の元へ移動した。すると俺の予想とは裏腹にバルゼインは雪乃の方へ向かっていた。
「何ッ!?」
雪乃へバルゼインは爪による斬撃を食らわせようとした。それを防ぐ為に恒一が政宗流剣技一・五の型で腕を攻撃し、バルゼインが攻撃した方の恒一を見た
「お前やるなぁ。だけど…この女は今殺すぅぅ」
雪乃は翔の影世界によるテレポートが行われ、バルゼインの足元からは姿を消した
「どこ行きやがった!」
バルゼインが後ろを振り向くと、そこには智也のダークマターによる対消滅攻撃が行われた。膨大なエネルギーがバルゼインに襲いかかる。
「ぐぁっぷ」
智也のあのダークマターは100gは優に超えていただろう。つまり体の100g分が消滅し膨大なエネルギーが解き放たれたということだ。
「あぁ〜くそったれ」
勇者のなかには少しクスクスと笑っている者もいる。相手が完全に勇者側に翻弄されているからだ。だが、バルゼインは顔面に空いた100g分の穴はオートヒーリングで完全に回復し、膨大なエネルギーの解放に至っては傷一つついていなかった。
するとバルゼインの体中に血管が浮かび始め、体中が悲鳴を上げ始めた。
「クソっ!このなかに改変系の能力者がいるのかよ!」
恐らく彩葉が幻覚に入ってバルゼインに改変を施したのだろう。やっと幻覚の中を幻覚と意識せずにできるようになったか!
勝ったも同然だ!
「だがよぉ…お前ら甘いぜ?」
すると体中に浮き出た血管がどんどん治まっていった。
「俺はな、5万年前の魔王様が完全体だった時に生きてたんだぜ?その時の敵は改変系能力持ち、改変系耐性持ち、更には改変系無効化持ちも沢山いた」
何ッ!5万年前に生きていたのか!?この獣人…!
「その時は赤ん坊だったが、それでも改変系耐性は持っていた。それで今も持ち続けている訳だ。流石に5万年前に生きてた奴らは全員自害して俺と魔王様以外はいないがな」
「な、なぜ…自害を…?」
俺は恐る恐る聞いてみた
「The・Coreの意思に則ったからだよ。あれ?知らないのか?まぁ教えたとしてもお前らは死ぬから関係ないがな」
The・Core…だと?なんなんだよ、それ。こいつを瀕死にさせて吐かせるしかない
「お前ら!いくぞ!!」
絶対にThe・Coreとは何か吐かせてやる!




