第101話 【要塞都市】
子供のバブルの足元に辿り着いた。
「政宗先生、こっからどうやって200m上空に?」
「いやいや、普通に垂直跳び。お前ら自分達の身体能力が今どうなってるのか分からないのか?」
「?」
自身の身体能力がどうなっているのか分からないようだな。まぁそうか
「とりあえず全員垂直跳びで無理矢理あの子供のバブルに乗っかろう」
「え〜それじゃあ可哀想じゃん」
「魔物の可哀想もクソもあるか。お前らの友達も魔物に殺されたんだぞ?別に惨殺するわけじゃないから、これぐらいは容認しろよ」
俺は子供のバブルが逃げないうちにすかさず垂直跳びをした
瞬時に200m上空に打ち上がる。
完全な空中浮遊、気持ちがいいが気分が悪いな
俺は子供のバブルに着地した。バブルは突然の衝撃に困惑して左右うろちょろしているが、背中に乗っかっている俺のことは見えていない。
続々と勇者達もバブルの背中に着地していく。千尋が着地すると固有スキル【契約神】により瞬時に契約し従順な下僕へと変化させた。
「よし、こっから高度3万mうえに登るぞ」
バブルは体を急激に上昇させ、崖の上へあっという間に辿り着いた。
「ふぅ…よしサンキューな」
俺達はバブルから降りてバルゼインがいる魔界の中心へと向かっていった。
ますます魔界特有の大気中の魔力が濃くなっていくのがわかる。
俺等は敵側のレベルアップを防ぐために小走りで魔界の中心部へと向かっていった。
すると、一つの鉄壁に囲まれている都市を見つけた。
「あれは…要塞都市か?」
「魔術が得意な人達は俺と一緒に遠距離からあの要塞都市をぶっ壊すぞ」
俺達は敵に悟られぬ速度で50を超える魔法陣を展開し、要塞都市に向けて放った。
その刹那、俺達の放った魔法が切断された。そして、遠く離れた要塞都市の近くに一人の人影がある
「な、なんなんだ…あいつ」
遠いから分からないが全身を鎧で守ってる…?
すると、その人影が消えた。
「まずい!防御結界展開!」
俺の防御結界と後からまずいということに気づいた結衣の防御結果の二重構造の結界が出来た。これで安心出来るとホッとすると真正面に巨大な鉄の鎧を着けた重騎士が大剣を結界に振り下ろした。
「むっ一層は削れたが、なかなか二層目が削れないな」
近くにいた恒一が声を上げる
「なんなんだよ!お前は!」
「俺は不動の騎士ナイティ…唯一無二の第一軍の兵士にして将軍」
そして更にナイティは攻撃力を上げ、俺の防御結界を破った
「では、死んでもろて」
俺は腹に斬撃を入れ、ナイティは後方に吹き飛んだ。
「俺お気に入りの鉄の鎧がぁぁぁぁ!お前はだけは許さんぞ!」
俺がこのナイティを打ち負かそうとした時に智也が一歩前に出た
「政宗先生、俺が仕留めます」
「お前いけんのか?蒼真の為にも無理して死なないほうがいいぞ?」
「大丈夫です」
全ての勇者が驚愕していた。智也も一応は戦闘要員だが第二軍の将軍の750レベルよりも遥かに強そうなナイティにあの智也が勝てるのか?と…
智也は指を鉄砲の形にし、その指先には黒い粒が集まっていた。
「反物質を反重力によって球体を維持し、それを反電磁気力によって物質と隔離したものだ」
いつの間にそんな魔術を…
「この大きさなら十分に奴を殺れる。なんたって10gだからな、俺は蒼真の死から学んだんだ。この魔術でバルゼインを殺ると」
「と、とりあえず早く倒すなら倒せよ!」
恒一が急かす
「分かった」
超高速で放たれた反物質?は自身の破壊された鉄の鎧を見て悲しんでいるナイティの元へ射出される。
そして要塞都市もろとも爆発した。
爆発の土煙が無くなると、骨となったナイティと城のみ残されている要塞都市が目に映し出された。
「な、な、なんだよ。この威力!」
「まだ生きてる」
智也の指先からは白金色の光が集約する
「発射」
そう智也が言うと凄まじい熱を帯びた光が一直線上に発射される。
骨のみのナイティはそれでそれだけで完全に蒸発した。
「まだだ…威力が足りん!」
「ちょいちょいちょい」
俺はまだ魔法を放とうとする智也を止めた。
「お前、それなんだよ。四大元素系の魔術だとあれは再現できないだろ?」
「あぁ…これはですね。α属性魔術理論っていう魔術ですね。この世界と対となる反世界の色々を召喚させる技です」
「そ、そうなのか。あのナイティとか言う奴は何レベルだったのかな…結構楽に倒してそうだけど」
「とりあえず、あの要塞都市の城にいきましょう。きっとバルゼインがいるはずです」
「よし、勇者達…!バルゼインに俺達の力見せてやろうぜ!」
俺達はそうして恐らくバルゼインの城であると思われる元要塞都市へ向かっていった。




