第2話「考えろ、考えろ」
※注・この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません
次は、ご入居者さまの検体採取だ。
ただ、ここで問題が発生した。
予めご用意頂いた名簿を見ながら検体採取容器を準備するのだが……その名簿が……『手書きの漢字』だったのだ。
私達、医療機関の臨床では、通常『カタカナ』を使って検体に記載するのが暗黙の了解になっているのだが、ご施設さまに、それをアナウンスしていなかった!
盲点だった! 失敗した〜(泣)
追い打ちをかけるように、おひとり目のお名前で、私達の闘志がポッキリと折れた……。
お一人目〜
『鮟波 勝三大』
あいうえお順なら……『アンナミ カツ……ゾウ……タ』?
答え〜
『ヤスバ カミオ』
え〜〜!? 鮟鱇の『アン』じゃ無いの? 更に言えば『あいうえお順』じゃ無いの!?
『アンナミ カツゾウタ』と『ヤスバ カミオ』
これじゃ、別人だ(泣)
「申し訳ございません! わたくしたちは普通に呼んでいるので、読み仮名に関しては失念しておりました……」
遠川さんが頭を下げる。
「いえ! こちらがアナウンスしておりませんでしたので! 申し訳御座いません!」と言って、私達も謝罪した。
遠川さんが、近くに居た事務員さんに「これ、急いでカタカナで書き直して!」と言って、名簿を渡した。
事務員さんの後ろ姿を見送りながら……
『あ〜あ……手書きだと読み辛いし……帰ってからワークシートに手入力しなくちゃならないから……時間かかるんだよな〜』等と考えていた。
私はマンガには自信があるが、字は下手なので、文句は言えない……のだが
検査伝票あるあるで『ミ』と『シ』、『ソ』と『ン』、『ヨ』と『ヲ』と『コ』……など、非常に困惑する事が少なく無い。
我が『健康推進課』に導入されている《《最新鋭》》コンピュータ ←皮肉
……は、未だ電子カルテと連携されていないので、本院に電話して確認しなくてはならないのだが……特に今回のように緊急依頼の方々は、施設に電話して確認する他に方法が無いんだ。
今回は、こちらが言わなかったのが悪かった。
次回からは、表計算ソフトにカタカナ手入力して貰った生データを頂くようにお願いするとして、さて、今回の100名以上の名簿を……何か良い方法は?
さて! この問題の突破方法とは!?




