表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
80/110

第6話 ガッツ

 ……保健所の監査は問題無く終了し、取り敢えず安心した。


 保健所のかたが帰ると、既に昼休み時間だった。 私はフラフラと夢遊病のように検査センターから移動した。


 検査センターの横に小さな休憩スペースがあり、そこで一息つけるようになっている。


 お昼ご飯もそこで食べられるのだが、今日は何よりゆっくりしたかった。 


 午後からは検査試薬の卸問屋さんが来る事になっているので、その前に休憩を取ろう……と椅子に腰掛け、軽く目を閉じた。


 ZZZZZZ


「こんにちは〜!」


 うわぁ! 大きな声! 良く通る声が、検査センター内を跳弾のように駆け巡り、休憩室を急襲した!


「ふわっ! は! はひっ!」


 ……ウトウトとし始めた直後の訪問者で、呂律が回らない!


 慌てて鏡を覗き込むと、おでこに薄赤く腕の跡が残っている!


「ちょっち、おまちくらさい!」回らぬ呂律で返事をしつつ、ファンデをおでこに叩き付け、慌てて休憩室から飛び出した!


 そこには、ニッコリと微笑む男性が立っていた。


 スポーツマンタイプ? 背は普通だが、身体は締まった感じで、程良い肌の浅黒さがワイルドでカッコ良い! 紺色のスクラブを身に着けている。


 ……ドクター?


「すみません、お待たせしました」とお辞儀をする


「いえいえ! こちらこそ、起こしちゃってすみません!」と、その男性が、バツが悪そうに言った。


 うわっ! 寝てたのバレた!


「初めまして! わたくし、看護師の『陽向ひなた』と申します。 これからも宜しくお願いします!」


 こんなに溌剌とした自己紹介は最近聴かない!


「はっ、はい! 初めまして! わたくし、臨床検査技師の『はるか 真優まゆ』と申します!」


 私は仮にも劇団に所属していたりするので負けじと、はっきりした大きな声で答礼した。


 その時、彼はおもむろにこぶしをこちらに向け、ウインクしながら


「グッ! 元気があるね! 」


 ……と言ってくれた!


***


 その時は、この『ガッツポーズ』に、この後、何回も救われる事になろうとは、想像も付かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ