第7話 祈り
翌日の就業後に、技師長と先輩方に話して豆本を見て貰った。
みんな喜んでくれて、特に技師長は「これで検査が増えて、収入が増えたら、遥、よくやったね、大儲けだよぉ~! 今日は一本つけるからね!」……と、知っている人は知っている、某有名アニメのセリフの物まねを披露してくれた程、ノリノリだった。
早速、技師長と私は、事務長の住石さんに話に行った。
住石さんも褒めてくれて、著作権などのコストもかからない事から、稟議書の提出すら無しで了承してくれた!
その日から、暇を見付けては、カラーコピーして、豆本作りをした。 時間がある時は、放射線室や、事務の人……更には、他の部署の人たちまで協力してくれた。 嬉しくて、涙が出た。
……私、良い時も悪い時も、泣いてばかりだ。……こんなに涙もろかったかな!?
……それから数日後
……帰宅途中に、『殿舞池』さん……のご葬儀のお知らせが貼り出されていた……。
……やっぱり……亡くなられたんだ……。
……たった一日、それも数分、お会いしただけだったが、この方と出会えた事で、もしかしたら、少しは同じ哀しみを減らすお手伝いが出来たかな……と思えてならなかった。
そのまま、自転車で式場の近くに行った。
……遺族では無いので、不審がられないように、誰にも見られない場所で、そっと手を合わせ……
『何のお役にも立てず、本当に申し訳ありませんでした。 でも、貴女様との出会いは、一生忘れません… どうか、安らかにお眠り下さい。』
と、真摯に祈った…。
その時、優しい風が、私の頬を吹き抜けて行った……。




