36/63
第5話 早期発見
びっくりして、目を白黒させている私の手を握った美緒は、反対の指で、私の『親指』を指差して……
「これよ! サムちゃん!」と言った。
「……?」
「真優には、『マンガ』があるじゃない! マンガで、読者の皆さんに、病気の早期発見の大切さを伝えたら?」
……。
…………!
そうか! もしかしたら、私が、こんなに辛く感じているのは、目に見えない『誰か』が私に『私しか出来ない事』を教えてくれていたの……かも……。
そう思ったら、涙が溢れ出した。
こんな私でも、病気予防の手助けが出来る可能性がある…その希望が見えた瞬間だった!
思わず、美緒に抱きついて、声を出して泣いた。 美緒も貰い泣きしてくれた。
……気持ちが落ち着いた頃、美緒のお母さんが、心配して探しに来てくれた。
美緒と私の行動パターンは決まっているので、すぐに見付けてくれた。
「二人とも、早くしないと、桃、わたしが全部食べちゃうわよ!」
……と茶目っ気たっぷりに言われ、急いで病室に戻った。
涙のあとの桃の味は、格別だった。




