第4話 国家試験
昼休みが終わり、午後の勤務が始まった。
外来と、放射線科、理学療法室、営繕……等に挨拶を済ませ、検査室に戻って来た。
「知ってると思うけど、無資格者は『生理検査』は、まだやれないから、国試の結果が出るまでは、職員ボランティアで練習ね」と技師長が言った。
……国家試験か……。
自己採点では、大丈夫だと思うんだけど……。
臨床検査技師の国家試験も他の国家試験と同様、6割以上で合格となる。
国家試験の翌日、受験した学生が全員集まり、自己採点をした。
入学式で出会ってからの大親友『近江 美緒』は、8割以上正解(!)していたのを、私は見逃さなかった。
美緒は、大好きだったお祖父様を癌で亡くし、相当な決意を持って『早期発見』が出来る職業である臨床検査技師を目指していた。 既に、大病院を受験して合格し、就職も決まっている。
私は『漫画家』になる夢を諦め切れず、親から「手に職を付ければ30歳までは好きにして良い」と言われ、偶然知った『臨床検査技師』を目指した。
出発点から美緒とは心掛けが違っていたんだ。
ちゃんと臨床検査技師になれたら『デザイナー学院』に通う事も考慮に入れ、一年生の時はレンタルDVD店でアルバイトをしていた。
……こんな私だったが、みんなの真剣な姿勢に感化され、授業やレポートに追われ、呑気な気分で居られなくなり、アルバイトは辞めざるを得なかった。
そして、2年生に進級してからは、心を入れ替え、遅れを取り戻す為、文字通り、夜も寝ずに、勉強やレポートを真剣にやった。
授業では毎回、採血し合っていたので貧血になりかけたり、尿に変な反応が出て、エナジードリンクを飲んでしまったのがバレたり……と泣き笑いもあったっけ……。
私は単語帳を使って覚えるタイプだったので、単語帳があっと言う間に、ライオンのたてがみのように、まん丸く繋がった。
臨床検査技師の国家試験の教科は……
・公衆衛生学
・関係法規
・医学概論
・医用工学概論
・情報科学概論
・検査機器総論
・医動物学
・病理組織細胞学
・検査管理総論
・臨床医学総論
・臨床検査医学総論
・臨床検査総論
・臨床生理学
・臨床化学
・臨床血液学
・臨床微生物学
・臨床免疫学
・放射性同位元素検査技術学
……原則として、この全てを理解出来ないと受からない。 ……5択問題なのだが、巧い事、当てずっぽうでは当たらないような作りになっている。
ぶっちゃけると、私は臨床化学と、微生物学に含まれる薬物は、始めから捨てて、他に掛けていた。(←これ内緒!)
この判断が吉と出るか凶と出るか……合否発表は、一ヶ月後だ。
どうか……受かってますように……!




