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第3話 ハンバーグ

 折角《せっかく》憶えたつもりのフロア図が役に立たなかったのは、非常(ひじょ〜)に残念だったが、ここで落ち込んでも仕方がない。


 気を取り直して、腕まくりをした。


 と、そのタイミングで技師長が……「食事行って良いぞ〜」と言ってくれたので……なんだか、張り切って食事に行くって感じになってしまった(恥)


 深田先輩が笑顔で「遥《はるか》さん、今日食事用意して無いよね?」と聴いてくれた。


 病院の購買でおむすびかサンドウィッチを買って食べるつもりだったのだが、今日は、都《みやこ》先輩が休みなので、それをご馳走になって良いそうだ。


 技師長に「お先に行って参ります」と挨拶して深田先輩と職員食堂に向かった。


 途中、放射線《レントゲン》科の前を通ると、ちょうど女性の技師さんが出て来た。


「お、橋本《はっしー》! うちの新人『遥《はるか》 真優《まゆ》』……」


 レントゲン室は午後から回る事になっていたので、この技師さんとはお初だ。


「只今紹介に与《あずか》りました、『遥』です、宜しくお願い致します」……と自己紹介すると……。


「そんな気を遣わないで〜! 私、同い年だから」


 なんてフランク〜


「橋本《はっしー》は、夜間部だから、もう一年だっけ?」


「そうです! 私、多分留年する『橋本《はしもと》 知恵美《ちえみ》』……『はっしー』って呼んで!」


 これが、竹馬《ちくば》の友になる橋本《はっしー》との初顔合わせだった。


  3人で職員食堂に入る。 


 メニューは、日替わり、カレー、お蕎麦……の3種類から選べるそうだ。


 日替わりは……ハンバーグだあ!


「日替わりにします!」


 ……思った以上に大きな声になった……


「威勢がいいね! 結構結構〜!」……と深田先輩がトレイを渡してくれた。




 まだ時間的に早いからか、そんなに混んでいない。 しかし技師長を待たせている……と考えると、あまりゆっくりしても居られない。


 結構急いで食べていたら「慌てなくて大丈夫よ。 慣れたら昼当番、交代制だからね」……と深田先輩が教えてくれた。


 ……いつかは一人で昼当番になるのか……と、ちょっと不安になったが、ハンバーグが美味しくて、完食出来た。


 橋本さんが「ご飯とお味噌汁は、おかわり自由だよ」…と教えてくれた。


「あ〜、知ってたらハンバーグ、もう少し残せば良かったです!」……と言ったら、後《うしろ》から肩を叩かれ


「可哀想に~。 ハンバーグ、半分要(い)る?」と、声をかけて下さったのは!


 い、い、院長先生!


 起立して「申し訳ございません! お腹いっぱいです!」と言うと「遠慮は要らないからね! その分、働いて返して貰うから……」と笑いながら仰った。


 院長先生の言い様《よう》が可笑しくて、その場は笑いに包まれて終わったが、初日から私が食いしんぼなのがバレて、後《のち》に2キロ……いや、3キロ以上太る事になるのであった(泣)



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