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第3話 ズッキーニ

 休職に入って3ヶ月


 精神科クリニックの先生から、やっと復職の許可が出た。


 実は1ヶ月目で、昔取った杵柄きねづか(私は、区民劇団で主役を演じたことがあります)で、私史上最大級の演技力をもって『もう大丈夫ですオーラ』を出したつもりが、プロの目を欺く事は叶わず、結局、復職までに3ヶ月かかってしまった。


 母からスマホを返して貰い、緊張で震える指を抑えつつ、大東風部長に復帰許可の報告をした。


 暫くは時間外禁止、休日出勤禁止となったものの、締めの関係で5日後からの復帰が決まった。


 陽向さんや町野中央病院の五木技師長への報告とお礼をしたかったが、電話では忙しいかも知れないと思い、失礼とは思ったがLINEで連絡を取った。


 皆さん、ご迷惑をおかけしたにも関わらず、私の復帰をとても喜んで下さり、ウエルカム感満載のご返信を戴いた。 更に、深田先輩、みやこ先輩……あと、はっしーからも胸が熱くなるようないたわりのLINEを頂戴した。


『帰れる場所があった』


 それが判ったのが、今の私にはとても嬉しかった。


 その夕方、久しぶりに家族全員が揃って、ホットプレートで焼肉パーティーを開いてくれた。 マチコにはちょっと高価な缶エサが振る舞われた。


 お肉と魚介類、また、この時はズッキーニが信じられない位に美味しく、殆んど私が独り占めしてしまったが、それはそれで家族も喜んでくれた。


 家族の有り難さを改めて実感した日だった。

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