第二十六話 料理長エイダ
川を走って渡ってみると、そこには湿地に来る前の光景が広がっている。
俺は探索をする前に拠点を変えるために他の分身をこちらに呼び1時間がたち、到着したので穴を掘ってまた仮の拠点を作った。
なんか本体の俺が誰かに呼ばれて面白いことが起きそうな予感がしたので、きりもいいので分身を仮の拠点に隠して本体に意識を移した。
地上はいま夜が明けて太陽が出かけて朝になろうとしている。
俺はベッドで寝ていた体を隣ですやすや寝ているレイアを起こさないように静かに起こして、廊下に出て行った。
マリー母さんには見つからないようにしないとな。またレイアが怒こられてしまうからな。レイアは専属のメイドなので常に世話をして俺を守っていないと、マリー母さんに部屋に連れていかれてしごかれてしまう。
俺は着替え身支度を整えながらそんなことを思っていた。
俺は部屋を出て廊下を歩いていると、おいしそうな香りが漂ってきたのでその匂いを辿っていくと一階にある厨房に辿り着いた。
厨房を覗いてみると朝食を作っているメイドの姿が見えた。
今料理を作っているのは料理専門のメイド、料理長のエイダさんだ。料理担当のメイドは他にもアメジストさんとデラさんがいるが今はいないようだ。
この三人は料理を担当していて、あとは曜日別で他のメイドが手伝いに来るように当番制になっている。
まだ、朝早いのでエイダさんしかいない話しやすそうな感じなので何を作っているのか気になったので手伝うことにしてみた。
「エイダ、僕も手伝いたい」
「レイル様? 」
「僕も手伝いたい」
「はい、いいですよ」
俺はエイダの許可をもらったので、朝食を手伝うために俺は椅子をもってきて踏み場にして上り高さを調節して厨房に立った。
俺の背だとまだ机に届かないから仕方ない。
レイアはあと一時間くらいで起きるかな。俺が寝たふりをしていて起きる2時間前くらいの朝5時に起きているからな。一応手紙を置いていったからたぶん、起きたら厨房に来るだろう。
「今日は何を作っているの」
「今日はパンと野菜スープとスクランブルエッグです。」
俺がエイダに今日の料理を聞いてみた。
朝はだいたいこんな感じで軽食が出てくることが多い、この世界は一日三食と地球と同じの食生活になっている。昼食は朝より2品くらい多く出てきて夜の量はさらに豪華になっている。
頑張って食べようとするが食べきれないほどだ。
「レイル様、野菜を洗ってもらいますか」
「うん」
エイダに指示をもらって野菜を洗っていた。子供だし最初は包丁で切ったり、火を使った作業は危ないのでやらせてくれそうにないな。俺はすぐに野菜を洗い終わらせた。
「はい、野菜洗い終わったよ。野菜を切ってもいい」
「早いですね。いいですけど手を切らないように気を付けてくださいね」
「うん、わかった」
俺は下の引き出しにしまってあった。小さめ包丁を手に取り高速で野菜を切り始める。
「……」
エイダがこちらを無言でじっと見ている。
そして、すぐに野菜を切りを終わると今作っている量はメイドの分もあるので相当な量を俺はすぐに切ったため、エイダが信じられないようなものを見たかのように驚いていた。
「エイダ、終わったよ」
「すごい包丁さばきですね。レイル様助かりました」
俺を撫でながら褒めてくれた。
「スクランブルエッグも作りたい」
「はい、いいですよ」
エイダは俺が手際が良かったのがうれしかったのかわからないが、火を使うスクランブルエッグも作らせてもらえることになった。
フライパンの下にある魔石に魔力を流すと火が出る魔法具の上に置く、この世界の貧しい家庭にはおいていないが貴族の家や普通の家庭には魔法の道具が置いてあって、これは貴族の家や魔法が普通に使える一般の家にも置いてある。
この魔法具は魔力を流す量によって火の勢いと温度を調節できる。かなり、便利なもので魔力が多いい人にとってはすごい道具である。
もう一つはできないこともないが、原始的な薪のかまどがあるが薪でもできるが火加減がかなり難しい。俺は魔法が使えるので火加減が簡単なこちらを選んだ。
「レイル様は魔法が使えるのですか」
「うん。これ魔力を流すと使えるんだよね」
「はい、そうですよ。でも、魔力量は大丈夫ですか
」
「大丈夫だよ」
「どれくらいの魔力があるのですか」
「わかんない」
「まだステータスは見てないんですか」
「まだ見てないけど、大丈夫だと思う。辛くなったら止めるから」
この世界では道具を身に着けることによって自分のステータスを見ることができるが、俺はまだ自分で一度も見たことがない。
ロマーノ父さんは俺が一回産まれた時に俺の偽装されたステータスを見ている。地下世界で大きい恐竜を見つけてからどれくらいステータスを見ることにしているが、まぁどうでもいいと思っている。
俺は常にステータスを見て鍛えると見ないで鍛えるのと違って、自分の動きに合わないステータスになってしまうという個人的体験があるので見ようとはしていないし、気力と体力と魔力はいたいなんとなくわかるのでステータスを見ることが必要ない。
俺は魔力を流して火を出し、卵をフライパンに入れてスクランブルエッグを作っていった。スクランブルエッグも手際よくすぐにできた。
また、エイダが目を見開いて驚いていた。
「魔力量は、十分な量がありますね」
「エイダ、できたよ。今日はこれで終わり? 」
「…はい、そうですよ。すごい料理が上手ですね。私でもこんなに早く作れないのに魔力量も私よりあるかも、ほんとにすごいです」
また頭を撫ながらものすごく褒めてくれた。
「ありがとう、それじゃ」
「ちょっと待ってください。手伝ってくれたお礼です」
エイダが俺の手を引っ張りその手に袋にたくさん入ったクッキーをもらった。
この世界にはクッキーがあるのか。甘いものはないと思っていたがあるのか、異世界から召喚された人が伝えてくれたのかな。
最近はパンばっかりで、米がほしいね。どこかに米がないかな異世界から召喚された勇者が集める国にでも、あるみたいだがちゃんとした米なのだろうか。
調味料とかはちゃんとあるのだろうかわからないが、この世界は塩は結構あるみたいで砂糖はあるが少ないようだ。
胡椒や醤油と味噌は図書室で調べた限りまだ胡椒と大豆が見つかっていないようだ。
俺が大きくなって家を自由に出られるようになったら、探しに行き見つけたら栽培をして量を確保したいな。
この話は今度にしてそろそろレイアが起きている頃なので部屋に戻ってみるか。
部屋のドアを開けてみた。
「レイア、エイダからクッキーもらったよ」
「エイダからですか? 珍しいですね。エイダは料理が、上手な人には何かプレゼントしてくれるんですよ。私が下積みだったころにもお菓子をもらってた人がいましたからね。私はもらったことはなかったですよ。どちらかというと怒られていましたから」
エイダからプレゼントをもらえることは珍しいようだ。
レイアも昔料理を作ったことがあるのか。エイダのことを話してくれたがレイアは何ももらっていないようだ。もしかしてレイアは料理が下手なのかな。
今度レイアに料理を作ってもらってみるか。
「こんなに食べられないからクッキーあげるよ」
「いいんですか」
俺は袋に何十枚も入っていて俺一人では昼食や夕食も多いいので到底食べきれるものではないから、俺は3枚くらいを食べておいしかったがレイアに全部挙げた。
「うん」
「ありがとうございます。それより、忘れるところでした。一人であまり行動しないでくださいね。どこか行くときは私もついていきますから」
「うん、わかった」
クッキーのお礼を言ってくれたがレイアを置いて、一人で読解ったことを注意されてしまったがたぶん俺が一人でいるところをマリー母さんに見つけられたら、お叱りがあるから必死になっているようだ。
まぁレイアには悪いが今後も一人で行動することは増えそうだな。
「本当ですか」
「うん」
危ない俺の思考でも読まれていたのかと思ったが、勘違いだったようだな。




