15話 探して
「ん……? おかしいな、どこにもいないぞ」
アークトゥルスの依頼を受けて、イオはシロンの捜索をしていたのだが、いつまで経っても彼女の足取りを掴むことはできなかった。
仕方なく『耳』を引っ張り出して、管理局全域の足音や心音を聞いたが、依然として彼女の気配を察知することは叶わなかった。
一体どこへ行ってしまったのだろうか。
イオ予想では、寮舎か図書館にいると踏んでいたのだが。
「……お?」
そこで彼は気付いた、なんと天井の上から音が聞こえることに。コツコツと軽い足音が『耳』を通して響いてくるではないか。
まさか屋上にいるとは思いもしなかった。
ようやく発見できたことへの安堵から、イオは近くの階段を伝って勢いよく屋上へ駆け上がったのだった。それも渋い顔で。
安全面の問題により普段は固く閉じられている屋上の扉が、今だけは特別に開かれており、その向こうにいる存在を暗示していた。
そこから流れ込む優しい風を額に受けて、イオはとうとう屋上へ足を踏み入れた。勢いをそのままに扉を思い切り開いたら、あまりに日差しが眩しくて辛い思いをしてしまったので要反省。
「何やってんだよ、こんな所で」
「あー、うーん……休憩」
イオの目が明るさに慣れて、徐々に景色を見渡せるようになった。
そんな真っ白な景色の中に、顔にいくらか影を落としている彼女がいた。




