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コンクラーベ

「……つまりそういう訳でだ」

 

 コホンと一つ咳払いをして、司祭枢機卿は気を取り直したようだ。


「お前達魔女は、庭園管理局管理下の備品という扱いになる」

「なるほど」


 今更言われても「知ってた」という感想しか出ないが、とりあえず私は相槌を打っておく。

「それから、猊下はご高齢だ……つまり、そう遠くないうちにコンクラーヴェが想定されている」

「……いきなり生々しい話が来たわね」


 当然の事ながら、もし人間の寿命が飛躍的に伸びたとかではなければ、この80年の間に法王は何代か変わっているはずだ。そして、このアンソニーがこの法王庁でそれなりの法衣を纏い続けていられるという事は、つまり現法王はいわゆる自由主義に近い考えの人物なのだろう。


(なるほど、次の法王が誰になるかで、少なくともこの男の人生は大きく変わりそうね)


 次の法王が誰になるかという話題に世俗から遠く離れたはずの聖職者達の意識が集中するのは、何度も見てきている。

 傍から見ている分には愚かしいという感想しかないが、時に人死にまで出るこの時期は、法王庁の地下にいる魔女にとっても無関係ではない。法王によっては魔女に強い拒絶を示すような人物もいた訳で、時にそれが待遇にまで現れるからだ。


 だが、今度のコンクラーベは、場合によってはこれまでとは全く違う意味を持つものになる。

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